と庁 別府ナポリメニュー
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はじめに
10月23日(火)
   
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   29日(月)

オンパク見物

1日目

文・るみちん


路地裏文化食堂

 23日(火)

 大分空港着 〜 観光港 〜 鉄輪・みかさや 〜 入舟荘(後藤みずずさん) 〜 大黒屋(深瀬さん)〜 竹瓦温泉前(栗田さん、岸ママ、亀井さん、浦先生、野上さん、中野さん、ポエム河野さん、堤さん) 〜 でか弁 〜 別府駅(東口) 〜 みかさや

 昨夜の大雨がウソのような、青空がとてもきれいな朝を迎えた。
 大分行きの機内からは江ノ島が見え、富士山は火口のほぼ真上を飛行、瀬戸大橋や瀬戸内海の島々も見渡せて、楽しい空の旅だった。

 15時に無事大分空港に到着し、バスに乗り換える。次第に別府に近づいて来るのを感じつつつ、少し興奮気味の私。バスの中から湯けむりが見えた瞬間のうれしさは格別だ。

 今回の予定は6泊。最初の3泊は鉄輪なのだが、前もってインターネットで鉄輪までの直通バスを調べてみると、日に3便しかなく、既に14時34分で終わってしまった。もう少し本数があると便利なのだが。仕方がないので観光港で降り、タクシーに乗り換える。
 タクシーの運転手さんは、今の別府に対してとてもネガティブで、「別府と宮崎は40年前に終わった」とか「観光といえば地獄巡りだけで、他に案内する所なんてない」と言い、私たちが1週間も別府に滞在すると話したら驚いていた。私たちのように毎年のように来ても、そのたびに新しい発見がたくさんあり、いつも日程が足りないほどなのに、地元のタクシーの運転手の認識がこれじゃあ困ったもんだ。

 みかさやさんに到着して、一休み。
 鉄輪では2日後に別府八湯MLのオフ会が予定されている。一次会が大黒屋さん、二次会が入舟荘さん。そこで、すぐ裏にある入舟荘のみすずさんにご挨拶に伺う。
 としちんと同い年のみすずさんは鉄輪の名物女将?で、すごい明るさとパワーの固まり。
 お忙しい時間なのにも関わらず、藁姫こと岡村さんの「藁のオブジェ」を拝見させて頂くことに…。
 今まで見たこともない、とても斬新な作品の数々…。
 私自身、藁がとても好きなこともあって、親近感を感じた。
 岡村さんの優しさとたくましさがうまく調和が取れていた素晴らしいものばかりだった。


藁のオブジェ

 大黒屋さんにもご挨拶を兼ねて下見に行く。
 途中で栗田さんの姿を見かけ、思わず「栗田さ〜ん」と呼んでしまった。
 でも、実はお兄さんの深瀬さんなのだった。(本当によく似ている…。)
 私は深瀬さんとは初対面。普段は東京にいらっしゃるはずなので、まさかここでお会いするとは夢にも思わなかった。
 深瀬さんも、東京からのお客様と大黒屋さんで地獄蒸し料理を楽しんで、ちょうど帰ろうとしていたところで突然私たちと出会ってとても驚き、そして喜んでくれて、大黒屋さんにUターンし、一緒に飲みましょうと誘って下さった。
 大黒屋さんはオンパクの地獄蒸し食堂の会場で、新しい地獄釜も作ったとの事。釜のそばにはたくさんの海と山の幸が盛られていた。

 地獄蒸しの豚足、えび、さざえ、いも、などどれもおいしいものばかり。その中でも特別においしかったのは野菜スープと、入舟荘のみすずさん手作りの肉まんだった。
 深瀬さんは前日にリンゴを2個も入れたスープを作ったとの事。次回はリンゴの地獄蒸しにチャレンジしてみてくださいませ。会話の中で5度ぐらい栗田さんとお呼びしてしまった記憶力のなさ、本当に失礼しました。

 今夜は「別府今昔スライドショー」があるので竹瓦まで行くと告げると、深瀬さんはタクシーで送って下さった。本当にありがとうございました。

 竹瓦温泉前では、裸電球の下で、七輪でサンマ、アメタ、タチウオ、しいたけ、なすを焼く「路地裏文化食堂」や、日替わりイベントの夕暮れコンサートが行なわれる。
 「6時半から竹瓦前でジャズ演奏があるよ」と深瀬さんから教わっていたので、ちょうど6時半に到着すると、待ち受けていたかのように野上さんが私たちを手招きし、「ここに座って〜!」と言われるままに七輪の前に座らされた。それと同時にテレビカメラが向けられ、「ごお! よん! さん!」とカウントダウンが!
 野上さんがOBS大分放送のインタビューに答え、その背景に私たちが映っていたらしい。あとからMLのメンバーの方々や、宿の方にまで「テレビ見たよ〜」と言われた。本人は見ていないから、余り実感はなかったが、いい思い出がひとつできた。

 ジャズ演奏メンバーは、若いお姉さんがドラム、年配のおじさんがキーボードというような、ちょっと不思議な編成だったが、演奏はとても心地良く、それを聴きながら、唐破風造りの竹瓦温泉の前に並べてある七輪でサンマを焼き、かぼすをかけるとじゅ〜っと音をたてる。なんと贅沢なひとときだろう…!

 お腹も心も大満足した後、末広郵便局長・河村さんの解説で「別府今昔スライドショー」を観る。
 50年前と比べて街のようすが著しく変化しているのは別府だけの話ではないが、明治から昭和初期にかけて建てられ、もし残っていれば大変貴重な多くの建造物や、戦前、九州の炭坑などで儲けた人たちが建て、戦火を免れて現存する別荘、九州の三大港と言われた頃の別府港、明光風靡な砂湯の風景の移り変わりなどが上映された。今でもかろうじて残っている建築物は、市の方でぜひ大切に保護をしてもらいたいと思う。その時代に生きていたわけではなく、なんで懐かしくなるのかわからないが、そう思わせる貴重なスライドの数々を拝見でき、とてもうれしかった。ありがとうございました。

 明日の朝食分として駅前のデカ弁でおはぎとのり巻きを買う。
 バスで鉄輪の宿に戻り、この時間にやっと温泉に入る事ができた。別府の親切な心優しいみなさんのお陰で、お風呂に入ることすら忘れて、楽しい時間を過ごすことができた。
 みかさやさんの露天風呂は新しく建てたものらしく、夜遅くでも清潔に保たれており、泉質は身体に優しく、とても気持ちの良い温泉だった。(日帰り入浴料は500円。)