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はじめに 
1. 別府は偉い 
2. 別府の歴史 
3. 別府の温泉 
4. 別府のアヒル

5. 別府の謎  
秘蔵VTR 

1. 別府は偉い


海門寺公園名物、縁台将棋

 
 大分空港から大分行きの特急バス「エアライナー」に乗ると、35分ほどで別府北浜に到着します。北浜というぐらいだから、道路のそばは海(別府湾)。反対側は山で、5〜6分歩くとJR別府駅があります。
 国内旅行で飛行機を使ったのはこれが初めて。羽田から大分まで90分。別府は草津温泉より近かったのだ! 飛行機というもののすごさをまざまざと思い知らされましたよ。
 ちなみに航空券というものは2ヶ月前から買えます。おいらはインターネットでJALの「前売り28」を予約して、予約ナンバーをプリントアウトしたやつを新宿の「西武観光」に持って行って、半額で買ったざんす! しかし最初、西武観光の人は「なんですかそれ?」みたいな顔してました(-_-;)。
 前売り28は「4週間前に予約した人への割引きサービス」という意味なんだが、便にもよるけど、実際は発売から2〜3日で売り切れてしまうものと考えるべし。だからインターネット予約が便利なのさ。帰りの航空券も同様に、搭乗する日の2ヶ月前の売り出しと同時に予約します。

 北浜と別府駅を結ぶ「駅前通り」はとても道幅が広く、車道と歩道の段差がなくて気持ちのいい通りです。通り沿いにはショッピングセンター「コスモピア」の大きなビルがあるかと思えば、「駅前高等温泉」の大正ロマン風建物があったり、またシャッターを閉ざしたままの近鉄百貨店がそのまま残っていたりと、別府の歴史を凝縮したような佇まい。


駅前高等温泉

 駅前にはお弁当屋さんが並んでます。不思議な光景だなと思いながらあちこち歩いてみると、南の「流川通り」にも、また入り組んだ細い路地にも、実にお弁当屋さんが多い。
 また、喫茶店がとてもたくさんありました。せっかく別府に来てもマクドナルドやコンビニばかりでは新宿にいるのとまるで変わらないわけだから、このへんはさすがだなあと思いました。
 観光都市として、別府ほど完璧な町はないのではないかな。海あり山あり温泉あり、なおかつ食い物がうまくて、人が優しいのだから。
 京都もまた日本を代表する観光都市だけど、京都人のサービスは、あくまでも商人がその接客技術を洗練させてきた歴史というものを感じさせるんだよね。いわば京都という町全体が「商店」であるわけです。
 でも、別府もまたサービス業によって成り立っている町であるはずなんだが、商売っ気というものがほとんど感じられない。文字どおり日本の「風呂場」(笑)、日本の「休憩室」といったくつろぎがあるんだよなあ。
 巨大なホテルが立ち並ぶ別府よりも、湯布院の方が温泉地としてひなびた味わいがあるのではないかと思っている人は多いでしょうな。しかし今回、バスで湯布院にも行ってみたけど、日本の他の観光地とそれほど変わらない印象を受けました。施設のほとんどがまだ新しいせいもあるんだろうが、どうも若い女性観光客を意識しすぎているような、一種の「あざとさ」を感じてしまったよ。まだ清里よりは上品だけど・・。
 別府に住む人のほとんどがホテルや旅館、飲食店、スナックなどの観光サービス業に従事してます。だから、地元の人が利用する食堂やラーメン屋、菓子屋などは、みんな基本的な水準が高い。客がみんなプロなんだから当然だな。
 弁当屋が多いのも道理で、観光客は一般的な食事の時間に食事をするわけですが、サービス業の人はヒマな時間に手っ取り早く食事をとる必要があるわけですよ。それが毎日、昼も夜もだから、飽きるようなものではダメ。だから弁当屋のおかずのメニューが実に豊富で、また、おにぎり、巻ずし、いなりずしといったベーシックな食い物が、実にうまい。
 東京なんか、たいていの食べ物屋は「これならおいらが自分で作った方がうまい」って思っちゃうんだが、ほんとはそれではプロ失格なんだよね。プロが金を取って客に食わせる物は、絶対に家庭でマネができるようなものであってはならないのですよ。
 そういう意味で、別府の食べ物屋は偉いと思ったよ。