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別府ひとり旅2007

11/16・17・1819

2日目は朝からとてもいい天気。
寒くもないので、こんな日は鉄輪の露天風呂巡りで決まり!


左はゆうべ入った駅前高等温泉。右は別府駅前に11月1日にお目見えしたばかりの油屋熊八の像。
日本で初めて観光バスやバスガイドを考案した、別府観光の父である。
別府を救うため、熊八翁が再び天から舞い降りてきたという設定であるらしい。
観光地なので、こうした非日常的でばかばかしいシンボルは好感が持てる。
像の出来そのものもすばらしい。

最初は水子かと思ったが(-_-;)、2匹の小鬼が熊八翁にまとわりついているのだった。
天国と地獄、老人と小鬼。ファンタジックやな〜。

別府駅を通り抜け、西口からバスで鉄輪へレッツゴー!

バスで鉄輪に到着。
去年は工事中だったバスターミナルもいでゆ坂も、すっかりキレイになっていた。

楽々園が「ゆの香」としてリニューアルオープン。右は鉄輪名物の「湯けむり」。

本日の一番風呂は「谷の湯」。
ホテル風月ハモンドの近くだが、ちょっとわかりにくい場所にある。

秘湯の風情が漂い、鉄輪の共同湯の中でも、わびさび度では神丘温泉と双璧。
お湯も極上で、飲用すれば胃腸病に効くという。入浴料100円なり。

谷の湯から徒歩で鉱泥温泉へ向かう。

別府にはいくつか泥湯があり、明礬の「保養ランド」が有名であるが、入浴マナーや衛生面において、特に女性客に強くお勧めしたいのが鉱泥温泉である。
坊主地獄(バス停「本坊主」)の駐車場から少し奥に入ったところにあり、なおかつ午前中しか開いていないので、あまり観光客に知られていない穴場。
おいらの、この世でもっとも好きな場所のひとつといっても過言ではない。
泥湯への入浴と日光浴を交互に繰り返し、泥湯の成分を体にしみ込ませる。
坊主地獄の泥が使われている泥湯はわりとサラサラしているが、日光に当てると、体の表面がみるみる白っぽく乾いていく。
泥湯の効能はかなり強く、長湯はかえって逆効果らしいので注意が必要だ。
プールのような普通のお湯の露天風呂もある。
南国の太陽の光と山からの風を全身で受け止める爽快感は筆舌に尽くしがたい。
おいら以外はじいさんばかりだったが、じいさんたちはなぜか泥湯から出ると日陰で休んでいる。じいさんは直射日光に弱いのだろうか?(´д`;)
午前8時から正午まで、入浴料800円。(木曜定休)

九州横断道路をはさんで坊主地獄の向かい側にある喫茶店「アップル」にて朝食。
ベーコンピザ(ハーフ)をいただく。
生地からはみだしたチーズがパリパリのチーズクラッカーのようで、うまい!

坊主地獄から少し歩いた先に「小倉薬師温泉・丘の湯」「神丘温泉・泥湯」「いやしの湯・豊山荘」がある。
3つとも2年前に入ったことがあるが、強烈だったのは神丘温泉だ。
入り口はなんと駄菓子屋で、偏屈そうなじいさんが座っている。
入浴料50円、泥湯はプラス250円。

駄菓子屋の左側の入り口から一段上がると廊下になっていて、まず女湯の入り口がある。
廊下の奥の方の男湯には、脱衣所がない。
男は廊下で服を脱ぎ、廊下に置いてあるカゴに入れるのだ(´д`;)。
泉質は硫黄泉で、原爆症に効能があるというマニアックなお湯。

そして、廊下の一番突き当たりが混浴の泥湯なのだが、とにかくこれがすごい雰囲気なのだ。
別府も十年前に比べるとヘンな場所がずいぶん少なくなってしまったが、ここは少しでも長く現状のままであってほしいと願わずにいられない。そして、未体験の人はなるべく早く体験してほしい。まぎれもない「別府の秘境」がそこにある!

今回は、2年前に温泉道のスタンプを押しそこなった「豊山荘」にだけ入る。
少しヌメリがある硫黄泉で、肌がツルツルになる「美人の湯」(写真下)。
立ち寄り入浴料400円(午前11時から午後2時まで)。

豊山荘から海側へ少し下っていくと、火男火売神社(ほのおほのめじんじゃ)がある。
別名を鶴見権現という。
平安時代、鶴見岳の大噴火を鎮め、鶴見山麓一帯に別府温泉を作ったという火の男女の神が祀られている。別府温泉創生の神なのだ。

参拝をすませ、さらに下っていくと「みかゑり温泉」がある(入浴料300円)。

ここは去年初めて来たのだが、ひょうたん温泉と並んで鉄輪でも屈指の名湯とされ、塩分濃度がきわめて高い。
男女別に内湯と露天風呂があるが、ここの露天風呂は一発で大ファンになってしまった。

右の写真は、露天風呂に注ぎ込む源泉。
なにしろ源泉は90度以上あるので、チョロチョロと少しずつ注ぎ込むことで温度を下げているのだ。

中庭にはタマゴやサツマイモを蒸す地獄釜や、木のテーブルやイスがあり、ファミリーで楽しめる。


みかゑり温泉のネコ

晴れた日の朝から午後にかけて、鉱泥温泉〜神丘温泉〜みかゑり温泉を巡るこのコースは絶対にオススメ!

みかゑり温泉からバス通りに出て、再び九州横断道路に出て今度は海の方向に下り、砂原温泉を「見学」して、ひょうたん温泉前の道路から貴船城を眺める。

いでゆ坂を少し上り、陽光荘を右に曲がって鉄輪豚まん本舗の前を通り、熱の湯の近くに来ると、「洗濯場」という温泉遺産がある。

この洗濯場は、大正年間に、旧おざ旅館(現誠天閣)の前所有者であった安波氏より寄贈されたもの。
戦前までは「下ん熱の湯(したんねつのゆ)」として入浴に使っていたが、湯温が低く、泉質が洗濯に適していた為、その後「洗濯湯」として活用され始めた。
戦後は近隣の旅館の女中さんたちが竹篭一杯に敷布などをもってきて、にぎやかに井戸端会議をしながら洗濯を行っていた。
昭和50年代以降、電気洗濯機の普及により「洗濯場」としての使命を終え、長らく閉鎖されていたが、地元の人々の誠意により、往時を偲ぶ「温泉遺産」として生まれ変わった。

鉄輪からバスに乗り、別府タワー前で降りて海を見に行く。

左は的ケ浜公園(スパビーチ)。北浜温泉テルマスと大分国際交流会館が見える。右は高崎山。

左は別府タワー。右下に、別府に今年初めてオープンしたセブンイレブンが見える。
右は楠港跡地にできたショッピングセンター「ゆめタウン」。「11月29日オープン」の横断幕が。
別府に資本が投下され、どんどん風景が変わっていく。
街が発展することはいいことには違いないのだが・・・。
足は、自然と浜脇の方に向かっていた。


東別府駅の近く

別府には空襲がなかったので、浜脇には戦前の建物が多数残っている。
2001年に別府つげ工芸の安藤さんと知り合い、松原〜浜脇のガイドをしてもらったのが、今でも日曜日に行われている「浜脇温泉 時間旅行」というウォーキングのきっかけになった。
http://www.coara.or.jp/〜sanken/walks/hamawaki.html

明治時代、大阪と別府を結ぶ瀬戸内海航路は当時の日本経済の大動脈だったと言っても過言ではなく、別府は日名子氏ら廻船業者によって大きく発展した。油屋熊八氏が登場するより前の話である。
日名子氏が持っていた船の名を「天神丸」という。
当時の会社の建物は、大正、昭和の各時代に増築・改築され、2001年にはまだ残っていた。
下の写真はそのとき撮影したもの。
現在は内装業ゆえ「日名子装飾」という屋号になっているが、この建物自体は「天神丸」という愛称で呼ばれていた。下の写真は2001年撮影。

同じ場所が、逆方向からの撮影(だと思う)ではあるが、現在ではご覧の通りである。

ここ以外にも、古い建物のいくつかが取り壊されていた。
道路用地として、この一帯に立ち退き命令が出ていたという話は6年前にも聞いていた。
しかし、ここまで歴史があり、街や人々の「思い」が刷り込まれた建物が、そんなに簡単に壊せるはずがないとおいらは思っていたのだが・・・。

上の写真は、東別府駅の斜め前にある、100円で入れる東町温泉。
かつてこのあたりは浜脇ではなく「東町」という地名だったらしい。
逆に、東別府駅は昭和の始めまでは「浜脇駅」だった。ヤヤコシイ。

東別府駅から別府駅まで電車で移動。
いくら別府は食べ物がうまいと言っても、一人旅だと食事はわりといいかげんになってしまうもので、きょうはまだピザしか食べていない。
さすがにおなかがすいたので、駅の中にある「関蔵」というお店に入ってみた。

刺身定食を注文。
週刊モーニングのマンガ「ひまわりっ!」のネタにもなっていたが、九州(特に宮崎と鹿児島)の人は、寿司や刺身を甘くない醤油で食べることができないのだそうだ。
別府にもその傾向があり、うれしや食堂で食べたざるそばのツユがシロップのように甘かったのにはカルチャーショックを受けたものである。
この刺身定食に付いている醤油も、やはり甘い。
九州の醤油は、製造段階で砂糖が加えられているのである(煮物のときには便利かもしれないが・・・)。
たしかに「うまい」の語源は「あまい」なのかもしれないし、お赤飯に白砂糖をかけて食べる鳴門育ちのおいらが言うのもなんだが、刺身まで甘くして食べるのはやめようよ(´д`;)。

きょうはすでにかなりの距離を歩いているが、ゴハンを食べて元気を取り戻したところで、普通の観光客は絶対に足を踏み入れることのない野口方面へ歩いて行く。

適当に歩いているわりに、ちゃんと野口温泉(写真上)の前に出た。
ここはまた帰りに寄ることにして、さらに前進。
途中で右に曲がり、富士見通りに出て左に曲がると、何年か前に車で連れて来てもらった「東京一うどん」の前に出た。
駅から歩いてもちゃんと来れるのだ。土地勘を身に付けるためにも、やはり旅行は徒歩に限る。
東京一うどんの次の角を曲がり、目指す喫茶店「グリーンスポット」に到着。
なんだか知らないが、ネコがいっぱいいる(^^;)。

ここは「別府うまい店」で読者に教えてもらった店。
自家焙煎の豆を客の注文を受けてから挽き、ドリップしてくれる。
685円のエメラルドマウンテン、うまかった〜。

コーヒーを堪能して来た道を引き返し、野口温泉に入る。
ここもいい温泉だ。
「温泉道」のスタンプを集めるという目的がなければ、おいらのような観光客が野口温泉に入るなんてことはありえないだろう。やっぱり「温泉道」はすごいアイデアだと思う。

脱衣所に、今年の6月から入浴料金を値上げするという貼り紙があった。
毎年20万ぐらいの赤字が出ているので、組合員が納める温泉維持費(戸)月額300円を500円に、新規加入料1,000円を2,000円に、組合員の親族・知人は、現行の無料から小学生以上1人50円に改定するというもの。(外来入浴者の100円は現行通り。)
それにしても、1戸あたりの入浴料が月額300円だったというのが驚きで、500円でもまだ安すぎる。
東京の銭湯なんてオトナ1人、1回の入浴料が430円なんだから。
もっとも、別府の人にとって温泉は「タダ」が基準で、水道より安いからな〜。

7時、韓国家庭料理の店マルフクへ。
10年の歴史を持つ「別府八湯メーリングリスト」の、としちん歓迎オフ会である。
お集まりいただいた菅さん、ヨッシーさん、林さん、ちょぴーさん、ス山さん、畠田先生、とーこさん、米田さん、ありがとうございました!

右はルミチンが持たせてくれた鉄道博物館のおみやげ。
「石炭あられ」と「鉄道博物館クッキー」(そのままや(´д`;)。)


麺入りのトントロチゲ、うまかった!
以来、我が家でもラーメン入りのキムチ鍋がブームに。