メンテナンス・バックアップ
ディスクユーティリティ / MachineProfile / OnyX / TimeMachine / FreeFileSync
Windows に比べたら Mac は手のかからない「いい子」なのだけれども、最低限、ディスクユーティリティを使った HDD の検証・修復や、TimeMachine によるバックアップはやっておこう。
ディスクユーティリティ
SSD/HDD の修復、消去とフォーマット、パーティション作成、ボリュームの追加と削除、起動ディスクの復元などができるユーティリティ。
修復したいボリュームを選択し、「First Aid」をクリック。
ただし起動ディスク自体を修復したいときはインストールUSB から起動し、インストールUSB 内のディスクユーティリティを使おう。インストールUSB についてはこちらを参照。
ドライブを初期化したいときはドライブを選択して「消去」をクリック。
新しいHDDを買ったときもたいていは Windows用にフォーマットされているので、Macで使うときはこの作業が必要である。
Mac OS 拡張(ジャーナリング)にしておけばだいたいオッケー。起動ディスクとして使う場合も、macOS をインストールするときに APFS に自動変換される。
データ用で、Windows 機と共用する場合のみ「MS-DOS(FAT)」にする必要がある。
1台のHDDを複数のHDDとして機能させたいときは「パーティション」をクリック。
パーティションを追加したいときは「+」をクリック。
各パーティションのサイズは自由に変更できる。
4TBの外付けHDDのうち TimeMachine用にキッチリ1TB確保したいときなどはパーティションを切ればよいが、Ventura の起動ディスクの中に Sequoia を共存させたいときなどは「ボリューム」として追加した方が便利である。
上の写真のようにうちの Mac mini の内蔵SSD はコンテナの中に「Ventura ボリューム」と「Sequoia ボリューム」がある。
コンテナを選択して上の「ボリューム」の「+」をクリックするとボリュームを追加できる。(ボリュームを選択して「ボリューム」の「−」をクリックすれば削除できる。)
500GBの内蔵SSDに2つのシステム用に250GBずつパーティションを切るとどちらも250GBまでしか使えないが、ボリュームならば「合わせて500GB」まで使える。一方が100GB未満しか使っていない場合、もう一方は400GB以上使えるのである。
これぞ Mac の醍醐味。まずは復元先のボリュームを選択し、復元ボタンをクリック。
復元元を選ぶ。ここでは、BACKUP に Mojave のシステムを復元する例を示しているが、あくまでも例であり、実際にはやらない(笑)。
MachineProfile 1.4.26(フリー、OS X 10.9 Mavericks 以上)
「この Mac について」以上にテクニカルなハードウェア情報の詳細を集めて表示してくれるアプリ。
その内容をテキストまたは PDF として保存し、メールに添付して他の人に送信することもできる。
OnyX 4.4.7(フリー)
アイコンは左から Ventura、Sonoma、Sequoia用。
キャッシュという名のゴミが増えすぎるとだんだん動きが悪くなり、思わぬトラブルの原因にもなる。
OnyX は Mac の中をきれいに掃除してくれる定番アプリだ。
メンテナンスの画面。デフォルトの設定のまま「実行」をクリック。
「各種設定」では、ターミナルを使わないと設定の変更ができないこともワンタッチでできる。
おいらはスクリーンキャプチャの形式を JPEG に、またウインドウの影をキャプチャしない設定にしている。
なお Sonoma の人は要注意だが、4.5.5 から日本語ローカライズできなくなっている。
OnyX の古いバージョンをダウンロードし、アプリを右クリックしてパッケージの内容を表示させ、Resources の中から「ja.lproj」をデスクトップにコピー。これを最新バージョンの Resources の中に入れれば日本語表示できる。
ただし「ja.lproj」を移動させるときはコマンドキーを押しながらドラッグしないとコピーではなくエイリアスができてしまうので注意。
また OnyX の中身をいじるのは非常に危険なので、用心のために起動ディスクは TimeMachine でバックアップし、macOS(できれば起動ディスクと同じバージョン)のインストールUSBを常備しておこう。
TimeMachine
macOS 標準の、システムを自動的に丸ごとバックアップしてくれるアプリ。
上書きされたデータや、うっかり捨ててゴミ箱を空にしてしまったデータも過去にさかのぼって取り出すことができたり、アップグレードしたらかえって不具合が生じるようになったアプリを古いバージョンに戻せたり、復旧ディスクから起動すればシステムを含む全データを過去の好きな日の状態に戻すことも可能だ。
macOS をダウングレードしたいとき、逆に macOS の新バージョンをクリーンインストールしたいとき、あるいは Mac を新しく買い替えたときにも絶大な威力を発揮する。
(まして起動ディスクがHDDだった時代は物理的な故障も多かったので、TimeMachine バックアップがあるのとないのとではえらい違いだった。)
なお、クリーンインストールのときに TimeMachine からデータを移行するかどうかを尋ねられるのだが、おいらはとりあえず先にインストールをすませ、あとから「アプリケーション>ユーティリティ>移行アシスタント」で TimeMachine から全てを移行させている。体験的にその方が間違いが少ないからだ。
移行アシスタント
Mac に新たに外付けHDDを接続すると TimeMachine として使用するかどうか尋ねられる。これをTimeMachine に設定すると、最初にシステムを含む全データを、その後は「自動で1時間ごと」など、設定した時間ごとに差分をバックアップしてくれる。
「システム設定>一般>Time Machine>オプション」で、起動ディスク以外の外付けHDDなどはデフォルトで「バックアップ対象から除外」になっている(写真下)。
リストから任意のディスクを選択して「−」で除外してやればそのディスクも TimeMachine バックアップの対象になるのだろうが、やったことはない。
基本的には起動ディスクである内蔵SSDをバックアップするものなのだ。
TimeMachine の容量が起動ディスクよりも大きくなければならないことは言うまでもない。
ちなみにおいらは起動ディスクはなるべく軽くしたいので、写真や音楽ファイルなどはデータ用の 2TB の外付けHDDに保存している。アップル的にはデータは iCloud に保存させたいのだろうが、おいらの場合は量が膨大なのでお金がかかりそうだし、やはりデータは手元に置いておきたいではないか。
そしてデータのバックアップ用には 4TB の外付けHDDを使い、その中の 1TB を別パーティションにして TimeMachine にしている。
起動ディスクは TimeMachine でバックアップし、データはこのページの最後に紹介する FreeFileSync を使って別HDDにバックアップしているわけである。
なお、TimeMachineは「保存」が目的ではなく、あくまでも緊急時のバックアップツールなので、容量がいっぱいになったらアッサリと初期化して、また最初から始めればよい。
昔はこのように背景にSF映画的な演出がなされていたが・・・
Ventura ではスッキリしている。
◆外付けHDDの初期化
こちらを参照。
◆外付けHDDの所有権がなくなった場合
別のマシンで使っていた外付けHDDを転用する際、所有権がなくて使えないケースがある。その場合の対処の仕方。
デスクトップ上の外付けHDDのアイコンを右クリック>情報を見る>右下のカギマークをクリック。
パスワードを入力。これでオッケー。
FreeFileSync 14.0(フリー)
バックアップアプリの決定版。これが無料とは!
TimeMachine は起動ディスクをまるごとバックアップしてくれるアプリだが、音楽、画像、動画など容量のかさばるデータは外付けHDDに保存しているので、外付けHDDをさらに別の外付けHDDにまるごとバックアップしてくれる無料アプリはないかと探し、見つけたのがこれ。
(もちろんフォルダ単位でもバックアップ可能。しかも無料なのにフォルダ数に制限がない!)
サイトにアクセスし、「Download」ボタンをクリック。
開いたページの「Download FreeFileSync 13.xx macOS」をクリックし、普通にインストール。
「システム設定>プライバシーとセキュリティ>フルディスクアクセス」にアプリを追加。
2024年10月2日現在のストレージ構成。
2TB の外付けHDD「Seagate」をデータディスクとし、4TB の外付けHDD の中に「BACKUP」というボリュームを作って、FreeFileSync で両者を同期させている。「Seagate」が復元元、「BACKUP」が復元先である。
アプリを起動し、左側に Seagate、右側に BACKUP を設定(写真下)。
右上のグリーンの設定ボタンをクリックし、同期の方法を選ぶ。
両方向、ミラー、更新、カスタムとあるが、通常のバックアップなら「ミラー」で。
「ファイルの削除:」は、ミラーリング作業によって削除されることになるファイルをどうするかという設定。以前は「書類」フォルダの中に「FFSバージョン管理」というフォルダを作ってみたりしたが、結局捨ててしまうので、最初からゴミ箱でもいいだろう。
「比較」をクリック。追加したファイル、書き換えたファイル、名前が変わったファイル、削除したファイルなど、バックアップと違っているものは全てリストアップされる。
「同期処理 ミラー」を実行。
これで2つのボリュームの内容が完全に同じになった。