2014/04/26〜28 香川&京都のお寺巡り 4/6

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4月28日(月)

京都で迎える朝、ちょっと曇り気味。
9階の温泉に行ったら露天風呂にハッサクが35個ぐらい浮かんでいた。
ハッサク風呂は初めて。甘い匂い〜。
1Fにローソンがあるのでブレンドコーヒーを購入。うまい!
チェックアウトし、大きな荷物(中身は着替えと金鳥まんじゅう)は夕方までフロントに預かってもらい、まずはJRで山科、山科から地下鉄に乗り換えて醍醐へ。

あとで写真をお目にかけるが、醍醐駅ってすごい。
山に修験の道場がある田舎の駅を想像していたらとんでもなかった。
駅と醍醐寺の間もけっこうな規模の市営住宅が並び、新興ベッドタウンの様相を呈していた。

醍醐寺は真言宗醍醐派総本山。
寺号は醍醐天皇に由来するものだとばかり思っていたが、その逆で、ここの山に登った理源大師(空海の孫弟子)が老人に出会い、その老人が湧き水を飲んで「醍醐味なるかな」と賞賛し、ここに寺を建てることをすすめたことからきているという。
そして、醍醐寺を祈願寺とした天皇だから醍醐天皇。
この醍醐天皇こそ、空海に「弘法大師」の諡号を与えた天皇である。

こう書くといかにも善通寺から空海つながりでここに参詣に来たようだが、実は全くの偶然である。2001年、おいらは上野の「国宝醍醐寺展」で快慶作の弥勒菩薩像にめちゃくちゃ感動し、ぜひもう一度見たいと思っていたのだ。これを書くにあたって初めて醍醐寺の由来を勉強し、やっぱりお大師様のお導きだったのかなあと驚いている。

朝廷からの使者を迎える時だけ開くという唐門(国宝)。
「国宝醍醐寺展」のカタログや、同じく2001年発行の「週刊 古寺をゆく」には修復前の写真があるが、現在はご覧のようにまるで桃山時代当時のままのよう。
本当は仏像もそうすべきだとおいらは思っている。
国指定文化財の仏像は「現状維持」以上の修復が許されず、金箔や彩色は剥落劣化したままだが、興福寺の阿修羅像のように、それで逆に乾漆像の味わいが深まっている場合もあるとは言え、唐招提寺の鑑真像などは顔が真っ黒で、あまりにもお気の毒である。
もともと仏像は金ピカもしくは極彩色だったのだから、当時の信仰を重視するならオリジナルに近い姿に再現してほしい。

しだれ桜。ここはやっぱり桜の季節に来ないとダメだ〜。
(もっとも、その時期は人の洪水らしいが・・・)
正面の門をくぐると、左側に醍醐寺の本坊的な存在の三法院がある。
三宝院、霊宝館、伽藍(金堂・五重塔など)はそれぞれ600円で、全て拝観できる共通券は1,500円。
300円オトクなので共通券を買い、まずは三宝院へ。
(三宝院は写真撮影禁止なのでよろしく。)

ここは豊臣秀吉が「醍醐の花見」に際して自ら基本設計した庭園と、それを臨む書院の間(国宝)で有名だ。
たしかにすばらしかったが、おいらのお目当てはあくまでもここの御本尊、快慶の弥勒菩薩像である。
ところが弥勒菩薩が鎮座する本堂へはアクセス不可能になっていた。
仕方なく玄関まで戻ってくると、「国宝 醍醐寺のすべて」という、弥勒菩薩がアップの奈良国立博物館のポスターが目に留まった。

え〜、奈良に出張中だったのか・・・と思いながら、会期を見ると7/19〜9/15となっている。
まだ4月だし、絶対ここにいるはずだ。
お坊さんに「きょうは御本尊は参拝できないのですか?」とたずねると、少し言葉を濁しながら「いま本堂は危険な状態でして・・・」などとわけのわからない返事。
あとでネットで調べたら、たしかに三法院の本堂は「現在非公開」となっていた。
せっかく来たのにな〜。
「よろしければ、夏に奈良の方までお出かけください」と言われてしまった。
そうするか・・・。

続いては霊宝館。
春季特別展を開催中で、おいらはいきなり奥の仏像棟から見学。
重要文化財の五大明王より、大日如来がよかった。
調べてみたら、平安時代の作だが江戸時代の仏師によってかなり修復されているので重要文化財に指定されなかったらしい。だから上野の醍醐寺展にも来ていなかったのかもしれない。
国宝とか重文といった肩書きのない仏像の中に、かえって「当時の姿に戻したい」という後世の仏師の篤い思いがあふれた傑作もあるということだ。いい勉強になった。

平成館の主役は、国宝の薬師三尊像。
今回はさすがに行かなかったが、醍醐寺から山道を1時間かけて登った上醍醐にある薬師堂の御本尊で、火事になっても消防車が上がれないので下の霊宝館で保管されているらしい。
(実際、平成20年に上醍醐の准胝観音堂が落雷で全焼している。)
おいらが見たかった弥勒菩薩は山口百恵似だが、こちらの薬師如来は武双山、もしくは「浜田アウト〜」の藤原さんに似ている。
まるでちょっとした体育館ぐらいの広さのフローリングの大展示室には度肝を抜かれた。
壁のケースには長谷川等伯の柳草花図、俵屋宗達の舞楽図屏風などが展示されているが、ここで大勢で読経のようなこともやるらしく、床には何も置かれていない。

共通券で、最後の「大伽藍」へ。

仁王門

清瀧宮。小学生がスケッチをしている。
おいらも授業で阿波神社を描かされたな〜。

金堂(国宝)。こちらの薬師如来が醍醐寺の御本尊になっている。

五重塔(国宝)。
951年完成、京都府下で最古の木造建築物。

このゴツゴツ感は、他の五重塔では味わえないものだ。

おいらのように、予備知識ゼロで見に行って、あとで調べて「そうだったのか」と驚くのと、修学旅行生のように念入りに予習をしてから現地で実物を味わうのと、本当はどっちがいいのだろうか。
予習してから行くとそれが先入観となり、実物から受ける印象にフィルターがかかってしまう気もするのだが。

不動尊

西国十一番札所にもなっている観音堂(大講堂)

弁天堂

上醍醐も含めたら、醍醐寺見学は完全に1日仕事だ。きょうはそろそろ切り上げよう。

あちゃー。明日だし!(-_-;)

これが醍醐駅のターミナルビルだ。ヤマダ電機も入っている。

まるで「さいたま新都心」のような・・・

東館もある!

じぇじぇ、巨人!

地下鉄で太秦天神川へ向かう。