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十和田湖に会いにいく旅 ニ日目

 
夜なかなか眠れなくて、ああこのまま眠れないなら、朝早く大浴場へいこうかな、気持ちいいだろうなと思ったら、その肝腎の朝、ぐっすり寝てしまって、携帯の目覚ましが鳴った6時半まで起きれませんでした。お風呂はもう、あきらめよう。
7時に朝食だったんだけれど、やっぱり大勢の人が食べていて、うちの母ったら、私をどこに座らせたか忘れたんだそうで、バイキングの料理をとりにいったきり、ずいぶん帰ってこなかった。私と同じテーブルの、知らない人が教えてくれて、やっとうちの母が私の所にきました(とにもう)
そんなこともあったり、私はもともと食べるのが遅かったりで、あっという間に出発時間が近づき、もうあせってコーヒーを飲んで席を立ちました。一度部屋でゆっくりしたいなと、荷物をまだ8階の部屋においてあったので、急いで8階にいき、危なく昨夜買った缶ジュースを忘れそうになり、慌てて部屋へ戻ったりして、ようやく集合できました。

ここ岩手県から、青森と秋田の県境の十和田湖は、それなりに遠いらしいのです。
9時半に初荷(はっか)峠に着いて、ここでおトイレ休憩をとり、次に十和田湖の遊覧船に乗りました。
10時15分の船に乗れるよう、急いでいって、ばたばたと2階席へ乗りこむうちのツアー。
このツアーには、2階席の料金が含まれています。
3階の、もっと眺めのいい席にいくには、もう500円いるそうです。
「いくかね?」と言っていた人もいたけれど、どうやらだれもいかなかったみたい。
私はもちろん、2階にいました。後で水がさわれれば、景色なんかどうでもよかったから。

船の中はどんなに寒いだろうと、セーターを持ってきたのですが、そういう訳で2階にいたから、冷たい風も全然こなかったし、第一ものすごいいい天気で、日ざしがポカポカでした。ああ、ここで寝ちゃいかん、ここが私の目的地なんだからと思いつつ、20分くらい寝てしまった。あんまり気持ちよくて。
日本で一番深い湖は田沢湖、十和田湖は5番目だとか、透明度は十和田湖は日本で3番目だとか、広さは12番目、そういう説明がずっとテープで流れていたけれど、なにせ眠かったので、これで正しいかどうか分かりません。今グーグルでしらべたけれど、同じ説明がみつかりませんでした。
50分間の遊覧が終わり、11時過ぎに子の口(ねのくち)に着きました。

ここでみんなは、奥入瀬渓谷を歩くんだけれど、私と母はまたまた?バスに残りました。だって、歩くのは苦手だから(汗)母もまだ膝が痛いし。全部歩くと長いので、うちのツアーは30分ほど歩いたんだけれど、30分経たずに戻ってきました。あれ?早いですねえと言ったら、写真を撮ろうにも、後ろの人にせかされてどうしようもない、あれはただ歩きゃいいってもんじゃない、写真を撮る所なのにほんとにもう、と、怒っていました。
ほんとに、不景気なんかどこへやら、たくさんの人が歩き、そしてたくさんの車が、その歩く人を待っていました。バスはあまりいなくて、自家用車とおぼしき車が多かったそうです。

お昼は「たかさごや」というお店で食べたんだけれど、昨日のお昼と同様、次から次へ団体さんが来るので、お店てんてこまい!って感じで、一人知らない女の人が、うちのツアーの席に座っていました。どうーりで、私と母の座る所がなかった。だいたい、メンバーの顔が違うでしょうに。その女の人、だれかに言われて、別のツアーの席へ移動していきました。
「今日のお昼は、しょっつるでございます。しょっつるは(魚醤の説明忘れた)また、この数の子と昆布と大根の漬け物は、青森県名物で、ねぶた漬けといいます。最後に、売店の説明をさせていただきます。本来なら、ここから関東甲信越へ送る送料は、1100円でございますが、当店から買って送っていただければ、みなさまは500円で送れます(ここ、大きな声で)」
そんなようなお店の人の説明があり、また次の団体へ、同じ説明をしていたので、さっきのお漬け物の名前はなんだっけと、また聞いていました。説明は全部同じで、ここが違っています。
「本来なら、中国、四国、九州地方へ送る送料は、2,100円でございますが、当店から買って送って下されば、みなさまは、一率1,000円で送れます(大きな声で)」
おー、そんなに遠くから来ている人たちなのかと、びっくりしました。
私はしょっつる初体験で、魚醤というと、ベトナムでまずくて生臭いものを食べさせられたので、今日はいったい食べれるだろうか、鍋が食べられなかったら、ごはんと、そしてこの美味しいねぶた漬けだけでもいいか?と思ったら、どうしてどうして、しょっつるはベトナム料理とは違いますね。美味しい!お鍋の汁、何度もおかわりしてしまいました。
鍋の中身は、鮭や白菜や白滝、しめじなどでした。
他は、カキフライとか紫蘇で巻いたおかずがあったけれど、私はどちらもきらいなので母にあげて、ひたすらねぶた漬けと、鍋を食べていました。
座敷全部に、ギューギューにお客を詰めているので、私のすぐ後ろは窓で、そして外からがんがん、お陽様が入ってきて、背中が熱くてしようがない! カチカチ山のタヌキの気持ちが分かる暑さでした。その上鍋を食べているので、もうたまらなくて、食べ終わってすぐ出てきました。
ここはいったい、青森県なの?秋田県なの?と、携帯のGPSで検索したら、ここは青森県十和田市でした。グーグルによれば、青森県と秋田県の県境なんて決めていなかったんだけれど、それでは困るということになったのかどうなのか、2008年に、十和田湖は6割が青森、4割が秋田県ということになったのだそうです。「秋田追分」で、十和田湖の美しさを歌っている時には、まだ決まっていなかったのね。青森県でもまあいいや、とにかく十和田湖にさわってこなければと、お店の裏の浜辺にいって、階段や坂をちょっと下り、水にさわってみました。
思ったとおり、冷たかった。
もっと暖かければ、靴や靴下を脱いで、足でも入れてみたかったけれど、
なにせ真夏でも、十和田湖の水温は、水面は23度だそうなので、夏でも冷たいかもしれません。
さっきの遊覧船での説明によれば、水底の一番冷たいところは、冬には一度になるそうです。
ただ、水中は夏でも冬でもずっと一定で、プラス5度が水温だそうです。
そして、冬でも凍らない湖なのだそうです。

送料500円ならなんか送ろうかと、うちの姉にリンゴを送りました。

さっき十和田湖で、みんなで撮った写真ができましたと言われ、もうどんな顔でも買おうと思って、お金を払おうとしたら、写真屋さんはさっきりんごを売っていた人でした。
あら?さっきのりんご屋さんね?と母が言ったら「なんでもします」ですって。笑。

2時に出発して、帰りの最初の休憩は、岩手山サービスエリアでした。
この岩手山、別名を南部片富士といわれていて、富士山の片側に似ているんだそうです。
それで分かったあ「南部馬方節」という民謡で歌われている「南部片富士、すそのの原は、西も東も馬ばかり」の歌詞は、ここなんだなと気づきました。
よーし、今度「南部馬方節」も歌うぞ(歌わせてくれるかな?)
いつかだれかに尋こうと思っていた、南部片富士の意味が分かって、ほんとに満足でした。
バスガイドがこんな話をしてくれました。岩手山の奥さんは「姫神」という山なんだけれど、岩手山は「早池峰」という、別の山を好きになってしまった。それで、だれだったかに頼んで、姫神を俺の見えない所へ持っていってくれと頼んだんだけれど、姫神が泣いていやがって、どうしても遠くへいかせることができなかった。なので岩手山は怒って、その、連れていってくれなかった人を、殺してしまったんだそうです。だから今でも、姫神がはっきり見える日は、岩手山と早池峰(はやちね)山は雲で顔を隠し、岩手山と早池峰が見える日は、姫神が顔を隠しているのだそうです。
この昔話を、ガイドさんが完璧な新潟弁で話していたのが、とてもおもしろかった。今ここで新潟弁を書いても、みなさんには通じないでしょうから、標準語に訳しました。笑。
18日に通った時は、その昔話のとおりに、岩手山と早池峰が顔を隠し、姫神がはっきり見えていたそうですが、19日に通った時には、3人(笑)とも顔を出していたそうです。

岩手山サービスエリアで、ホットココアを買って、バスで飲んだら、舌を火傷してしまった。
今日ごはんを食べる時に、なんでこんなに舌が痛いのだろうと思って、思い出しました。
それから、宮城の長者ケ原とかいうインターで、休憩しました。夕食を食べる時間はもうないし、ツアーとしても夕食は出ません。みなさん適当に、持ち歩きできるものを食べて下さいというおたっし?だったんだけれど、ホットドックがないのです。サンドイッチでもいいけれど、ああいうものは辛子がきついと食べられない。それに、昨日のラーメンがあまりに美味しかった!宮城県なら「うーめん」とかいうものがなかったかしらと思ったけれど、そういうものもみあたらなかったので、普通のしょうゆラーメンを食べました。これもまた美味しかった!5分しかなかったので、またまた母と半分こしました。
6時出発のはずが、私のせいで(汗)6時5分の出発になりました。
仙台で渋帯につかまってしまって、それも車がこんでいる渋帯でなく、工事の渋帯なのです。
5時を過ぎれば工事は終わるだろうと、ガイドは言っていたんですが、とんでもありません。
私は外の景色も見えないし「今どこなのかな」と、時々携帯でGPS検索をするのですが、6時半にしらべたら「仙台市太白区」30分後にまたしらべても「仙台市泉区」でした。しばらくしてやっと「宮城県栗原市」になったので、やっと仙台市を出れたようでした。

次の福島のサービスエリアで、そうだ、福島といえばてんぷらまんじゅうだな、昔、パソコン通信の頃の知り合い、咲さんが作ってきた、あれは福島の名物だったよなと思って「てんぷらまんじゅうはありますか?」と尋いてみたのですが、若い男の店員さん、意味すら分からないようでした。私が古い人間なのかな?しかたない、そこにあったもの、おでんを買い、バスの中で食べました。こんにゃくがとても美味しかった。

ガイドももう話すこともないらしく、なにかテレビをみましょうかということになり、私はふと「仰天ニュースがみたいな」と思ったんだけれど、おじさま方が「相棒がみたい」と言うので、別に私も反対する理由もないし、相棒をみるともなくみていました。
9時になったので、ロシアの放送を聞こうとラジオをつけたんだけれど、全然聞えず、もうあきらめて消そうとしたら、テレビの音が聞えてきた!え、アナログ放送はもう終わったんじゃないの?と思ったら、ここは福島、アナログ放送がまだあったんですね。ちょっとうれしくなり、ラジオのイヤホンで、サンマの番組を聞いていました。
相棒が華僑?に入り、犯人はだれなのか!というところで、福島と新潟の県境にきたらしく、テレビは聞えなくなりました。後ろの席の男の人が、携帯で家に電話をかけ「今相棒やってるから、ハードディスクに録っといてくれ」と頼んでいました。
私はもう、8時頃携帯のバッテリーが、2個とも無くなってしまいました。ちょこちょこGPS遊びをしていたから、電池をたくさんくったのかしら?
持っていたMDも聞き終わり、ラジオも入らず、完全にやることがなくなった頃、バスはやっと、新潟県に入ってきました。まだ新潟県に入っただけで、私の降りる所ではありませんから、ずっと暇していました。
予定より1時間ほど遅く、バスはようやく新潟駅に着きました。
今回は新潟交通のツアーだから、集合場所から家まで乗れる、バスの券をもらってあったんだけれど、この券を使おうにも、もう終バスが出てしまっています。仕方なく、タクシーで帰ってきました。

肝腎の、十和田湖の紅葉のことを書かなかったけれど、人の話を総合すると「ちょっと黄色い」「まだ早い」とのことでした。実は来月、この同じツアーにいくと、今月より7千円も安いのですが、なにせ私の、11月の予定が分からないのです。10月は風邪で稽古を休んでしまったから、11月はいきたい。そんな訳で、高い10月のうちに十和田へいきました。
「いつかおめの歌も聞かへてけれ」
十和田湖がそう言ってくれたらいいな、そう思いつつ帰ってきました。方言、間違っていたら教えて下さいね。ミルク。


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