大銀座落語祭、他

 
東銀座駅から時事通信ホールはものすごく近かったのに、実は今回の旅の中で、一番迷ってしまいました。
もう私も母も、だいぶ疲れていたからかな?
道を尋いた人も、結構平気で(んなこともないんでしょうが)違う方向を教えてくれるし。
やっと会場に着き、中に入って、1列目の席に座る。
ところが、開演間際になって、男の人が「そこは私の席なんですけど」と言いにきました。
うちの席だと思うんですけどーと、チケットをよくみてもらったら、なんと「1の8」だと思って喜んでいた私の席、実は「Iの8」だったのです。
この、私が座っていた席は、Aの8だったわけ。
ということで、その男の人が1列目に座り、私はたちまち前から9列目へ、ていうかていうか、後ろから7列目へ移動したのでした。
5月のあの日、ファミマでチケットを受けとった時、どうーしてこんないい席がとれたんだろうと思ったのでした。10時から予約の受付が始まったのは分かってたんだけど、私は三味線の先生の家へいかなければならない日で、11時過ぎからしか電話できなかったのに、どうしてこんな席がとれたのか、とにかくラッキーだわと、チケットを受けとった時から楽しみにしていたんです。
私は先月も、桂こごろうさんにお会いしている。先月会った人に、しかも前から一列目に座ってまたお会いするなら、先月と同じ服ではいやだわと、全く違う服を着ていったのでした。
こごろうさん以外、だれも「先月会って今月また会う」なんていう人はいないので、これがなければ、6月と7月おんなじ服でもよかったんだけど(汗)
そういったわけで、たちまちこごろうさんがぐっと遠くなりました。
これでは、私がいることさへ分かんないと思うわ。

時事通信ホールにて、にぎやか亭オール鳴り物入りの会その1
桂こごろうさん「野崎詣り」
古今亭菊の丞さん「法事の茶」
文我さんの「法事の茶」を知っていると...少し物足りない気もしないでもないけれど、でも先代の文楽や円生の真似、上手でした。談志の真似は、声は似ていなかったけれど姿はそっくりだったそうです。
桂文太さん「稽古屋」
この日お会いした5人の中では、私は文太さんが一番好き。夏場を涼しく過ごすまみむめもは「まめに掃除をする」「水をまく」「無理をしない」「めしを食え」「もっと落語を聞け」だそうです。むとめなら、いつでも守れそうなんだけれど、もは案外難しいですね。

中入りの後、桂歌之助さん「善光寺骨寄せ」
私はこの落語が聞きたくて、はるばる?新潟から出てきたのですが、うーん、やっぱり見えないと楽しめませんね。骸骨ができあがって、石川ごえもんになっていく様は、お客様は大拍手でした。噺としては「お血脈」と同じなんですね。「痛ーい、あみだが出た」とか「フラチなことをする」という、他の噺家さんで聞いたことのある台詞が出てきました。
最後は市馬さん「掛取り」とHPには書かれていたんですが、いざ聞いてみたら「掛取りみちや」でした。お芝居のところでは、お上さんに「おい、三味線のおけいさんを呼んでこい。大阪から率子さんも来ているし」という言葉もありました。
いやー、*風さんや川*さんが歌うと、あんなにも不愉快なのに、市馬さんが歌うと、どうしてこううれしいんでしょうね。初めてあの「相撲甚句」も生で聞けたし、感動でした。
私は歌之助さんが目的で来たし、この中で一番好きな噺家さんはもう間違いなく文太さんだけど、この日はやっぱり、市馬さんが一番よかったなと思いました。

終演後、市馬さんのCDを買った人は、ロビーでサイン会がありましたが、私は買わなかったので、そのまま帰ってきました。ごめんなさあい、でもロビーで、いっぱい聞かせてもらったわ(汗)
落語は9時に終わって、これなら最終の新幹線で帰れたのですが、私は前に上野駅で怪我をしたことがあるし(新幹線とホームの間に片足が落ちた)あせって帰ってもあぶないかなあと、旅館をとってしまったので、私の常宿、きぬや旅館へ帰ったのでした。

翌18日の朝は、私の好きな和食のお店が8時からだし、前日夕方4時に食事をしたきりで、もうお腹が減ってたまらなかったので8時まで待てず。近くのAMPMで、チキンオムライスとゼリー2個と「ビールにチーズ」という、少しこしょうのきいたチーズを買って、母はサンドイッチを買い、オムライスは暖めてもらって、それを旅館の部屋へ持ってきて食べました。
オムライスは鶏肉がパサパサで美味しくなかったのを除けば、みんな大正解。
ゼリーを二個食べたら、カロリー0なはずがお腹いっぱいになったし、マスカットがほどよく酸っぱくてグッド。それにこの「ビールにチーズ」新潟で一度買って、ものすごく美味しかったのに、あれ以後同じ商品がみつからず、名前も憶えていなかったのでうまく探せませんでした。
今回久しぶりに食べて、少ーし辛いんだけれど、これがまた美味しかった。
「ミルクさんは(ここ、もちろん私の本名で言った)少し辛いものを食べられるようになると、旅がもっと楽しくなるのに」
これはインドへ旅行した時の、添乗員さんに言われた言葉。
このチーズは、辛い物好きの人には物足りない味でしょうけれども、私にはこれくらいで、充分美味しい辛さなのでした。
オムライスがまずかった分を、ゼリーで満腹にし、携帯で18日昼席のメンバー表を一応みてみたんですが、やっぱり愛する扇遊さんの名前がありません。それで、午前中に帰ることにしました。
最後に上野駅の「ガーデン」とかいうお店で、何気なく「お昼に食べようかなあ」とてん丼を買ったら、これがなんと私の好きなはげてんのてん丼で、家に帰って見てもらうまで気づかなかったんだけど、うれしい誤算でした。

というわけで、落語の話はこれで終わるはずだったのに、思いがけず落語を思い出す出来事がありました。
18日、帰りの新幹線の中で「JR東日本」の通販カタログを読んでもらったら、しゃべるし言葉も理解できるし、アンヨもできるという、犬のぬいぐるみを発見。
家に帰って早速、0120で始まる番号に電話したら
「シャベルンダワンですが、好評につきもう売りきれてしまいました」
とのこと。
「ないものを載せとかないで下さいよー、もう頭の中、ワンちゃんのことでいっぱいになっていたのに。私、今日カタログみたのに」
と、立川志の輔の「緑の窓口」みたいなことを言ってごねてみたけれど、もうどうにもなりませんでした。ミルク。