12月29日、扇遊、正朝二人会

 
毎年この、12月29日の、扇遊、正朝二人会を、うらやましくホームページ等でみていました。
いつかはいきたい、いきたいと思って、今年初めて出かけました。
ついでと言っては申し訳ないけれど、夜の立川笑志さんの会にもいってきたので、それも後で書きますね。

29日の朝は、8時59分発の、新潟から東京までノンストップという新幹線に乗って、10時39分にはもう東京駅にいました。
そして中央線で新宿駅へいって、 11時25分には末広亭に着いていました。
ちょっと早く着き過ぎたかと思ったのに、もう並んでいました。
「あの、前の方に座っているのは大阪から来た人よ」
私のすぐ前のおばさまに言われ、もしや私の知っている人かな? と思ってみたけれど、確信はなにもないので声はかけませんでした。  
12時半からなんだから、12時頃には会場に入れると思ったのに、12時15分になっても、まだ列が動く気配すらありません。それなら待っている間に、当日券を買おうにも、それもだめ。そして、更に頭にきたことには、落語協会へ電話した人は前売り電話予約ができたんだって! 私だって新宿末広亭に電話した。前売り券は窓口でしか買えませんと言われて、しかたなく今、当日券を買おうとしているのです。
「うちはだめだけど、落語協会さんへ電話すると前売り電話予約ができる」という、その一言が欲しかったです。
結局その「前売り電話予約」をした人が、一番早く入れたみたいでした。ムカッ。

12時25分頃、やっと席がみつかりました。一番前が一つだけ空いていたので、私だけそこに座りました。
以下、寄席の説明は、私の隣りに座ったおじさんが、連れのおじさんへ話した説明です。笑。

開口一番はいっささん。
どういう字なのか、はたまた読み間違いなのか、おじさんがそう読んでいた。
いっささん「子ほめ」

次はもう一人、名前の分からない前座さん「竹の子」
この噺は、上方落語でなら何度も聞いたけれど、江戸落語で聞くのは初めてで、新鮮でした。

次は林家ぼたんちゃん「金魚の芸者」
なんでちゃん付けかといえば、この人は女性な のだ。
声が通って聞きやすく、そしてこの落語も、とても彼女に合っていると思いま した。
落語関係のメルマガでは、読んだこともあった「金魚の芸者」
芸者に化けた金魚が、おきやにいく辺りから、急におもしろくなるんですねえ。
兄弟はと尋かれて
「どっさりいました。でもみんな、縁日で救われて、私だけ救われなくて助かりまし た」
「好きな食べ物はぼうふらです。なければ、おふでもいいです」
爆笑でした。  

次は金也さん「持参金」
金也? 知らない名前だけど?
この人のこの奇麗な声は、絶対聞いたことがある!
うーん、だれだろうと思っていたら、旧名は金太さんですって。  

次がやっと、本日の主役、の一人、正朝さん「風呂敷」
あの有名な「船を見送るような声だしやがって」はそのままでしたが、シャツの三つ目のボタンというのは「二つ目」になっていました。
シャツの二つ目のボタンなら、なければ、やっぱり困ると思うけど?

そして私にとっての主役、入船亭扇遊さん「文違い」
暖房がちょうーどよく効いていて、眠くて眠くて、でも扇遊さんも落語もステキでした。

中入りの時、持ってきたおにぎりをあたふたと食べる。
別に開演中も食べていいんだけど、なにかこう、落語に集中したかったので。

次は正楽さん、紙切り。
私は「扇遊さん」と言いたかったけれど、声が出ませんでし た。
遠くない所で扇遊さんも聞いている、と思うと、口が固まっちゃって。
だから今回は、なんにももらえませんでした。
おもしろいお題としては「娘どうじょうじを切っている正楽さん」というのがありました。
「ゆく年来る年」という題では、鳥さんが空へ上がっていって、老夫婦と犬が見送っている、というような絵柄だったらしい です。

次は扇遊さん「かつぎや」
二席とも笑える噺でよかったあ。
私は、人情噺って好きじゃありません。落語は、いっぱい笑いたいと思います。

正朝さん「やぶいり」
上野の鈴木さんに会いにいったら、ついでに新宿の北村さんとこへもいこう、という所で笑いました。

最後に扇遊さんも出てきて、みんなで3本じめ。
そして、もう下りてしまった幕のすきまに手を入れて、扇遊さあんと呼んで、握手してもらえました。寒い中、1時間も待ったんだもの、手くらい握っていいわよね? え? だめ? 汗。

外にはもう、夜のさん喬、権太楼の会の列ができていました。ミルク。