秋田に行ってきたあ 二日目

 
10月9日。私が泊まったホテルは、秋田市は秋田市なんだけれども、なんか少し田舎。
周りにもコンビニとかなんにもなさそう。
しかしその代わり、安い!
朝食も無料ということで、無料なら大したことないなと実は期待していませんでした。
ところがバイキングで、ごはんに、パンに、私は食べなかったけれどもおかゆ。食べたけど大して美味しくなかったうどん。おかずもいろいろあって、コーヒーも美味しくて。お昼がどうなるかよく分からなかったし、たっぷり食べました。

フロントで「タクシーを呼んで下さい」と言うと、今の時間なら目の前に止まっているとのこと。
タクシーに乗りこんで「ニューシティーへいって下さい」と言うと「ああ昔のダイエーだね」
え、秋田にもダイエーがあったんですか? 新潟ももう無くなるのよ、と、秋田の今昔の話、新潟の話で盛り上がった盛り上がった。
日曜日で車が空いていたので、15分くらいで民謡番組の会場に着きました。

番組が10時半からなのは知っていたけれど、とにかく無料の公開放送というのは要注意だ。
前にNHKの民謡番組開始の、30分前にいったら、はるかはるか後ろにしか座れなかったんで、今回は早目にいったのでした。
しかし、早いといっても、9時20分に着くとは思わなかったな。

会場に着くと、もう座っている人がいました。
「荷物見でてやる」と隣りに座った人が言ってくれたので、リュックをおいて、ニューシティーというのがどういう所か、少し見てくることにしました。

まず地下へいってみました。
もうダイエーじゃなく、スーパーやまとというお店なのは分かったけれども、雰囲気が新潟のダイエーそっくり。
食料品を買ってもしようがないんで、4階の秋田名産品の売り場へ移動しました。
名産は確かに名産なんだけれども、横手のブドーとか、どこそこの里芋とかで、友達へ買って帰るようなものはありませんね。でも母が欲しいというので、ナイヤガラというブドー、1キロ300円を買ってきました。
どんぱん豆というから、なにかと思って食べてみたら枝豆だったり、明烏というお菓子を味見させてもらって、また下へ下りてきました。

10月だし、秋田だしーと思って、半袖を一枚も持ってこなかったんだけど、実は今朝から暑くてしようがないの。それで1階の、婦人服売り場でTシャツを探したのでした。
Tシャツ? 10月に? と店員さんはけげんそうにしていたけれど、理由を話したら、棚の中から出してくれました。なんか、落語の「千両みかん」を思い出した。半袖じゃなく、ひじくらいまで袖のある、ちょうどいいのがみつかりました。
着替えてさっぱりとして、先ほどの席へ戻ったら、もうパイプ椅子がいっぱいになっていました。やっぱり、早くきてよかった。

開始までまだ少し時間があったけれど、トイレにいくほどの時間もない。なので座ってぼんやりしていたら
「すいません、新潟から来た方ですか?」
と声をかけられました。
どうして私って分かったんだろう?
よそ者の顔をしていたのかな?
私もその声の主が、じゅうぜんさんってすぐ分かったけれど。
その後、番組のパーソナリティーの一人でもある五郎さんがいらして、後でまた会う約束をして。それから、公開番組の前によくある、拍手の練習などして、10時半に番組が始まりました。

一番前で聞いたせいもあるでしょうけれども、秋田放送は家でも奇麗に聞えるけれども、やっぱり生の三味線と太鼓はいいですね。みんなすごい迫力の音でした。
タイマー録音で家で録ってるからいいや、と思って携帯にもなんにも録音しなかったけれど、こんなことなら録音してみるんだった。ほんとにいい音でした。
途中で司会のじゅうぜんさんが、お客さんに「どちらから来ましたか?」と尋く場面があって、もう 分かってるくせに、うちの母に「どちらから」と尋いたので、危なく笑いそうになりました。
「新潟から? わざわざこの番組のために来たの?」と言われたので、私は「んだ」と応え、これだけは放送されたと思います。

11時50分に番組が終わりました。
オンエアはされないけれども、花ちゃんはもう一曲歌いますということで「花子音頭」を歌う間、当然聞いていなきゃいけないものと思ったら、じゅうぜんさんにまた呼ばれて、会場の隅へいきました。
五郎さんや祐幸さんがいたので、持ってきたお菓子を渡し、私もお土産をもらいました。
祐幸さん、あなたのCDを買いたいですと言ったら、さしあげますと言われ、2枚いただいてしまいました。どんなお土産よりも、これがうれしかった。
写真を撮って下さいとお願いしたのは、実は祐幸さんとツーショットで撮りたいなと思ったんだけれども、そこにいたみんなで撮ることになりました。
ちょっともう「ツーショット」とは言い出せない雰囲気でした。
やがて歌い終わった花子さんも写真に入ってくれて、それはそれでうれしかったですが。

これからどうするの、とも尋かれないうちに、お昼はきりたんぽを食べたい、中通というのはここから近いですか? と尋いてしまった私。
五郎さんが少し考えて、ちょっと待ってなさい、着替えてくるからと言ってくれました。
興味もなにもないハワイヤンダンスをみながら、五郎さんたちを待っていると、30分くらいして、みんな出てきました。
花子さんだけはもう、次の仕事にいっちゃったそうなので、保子さん、みゆきさんの姉妹と、かつこさんに送られて? 私と母と五郎さんと祐幸さんは、近くのきりたんぽのお店に入りました。
こんな近くにお店があったの? 携帯ではみつからなかったわー、やっぱり私の検索はまだまだ下手なのねと驚き、そして五郎さんと祐幸さんも一緒にお店に入ってくれたことにも驚きました。

4人できりたんぽを食べ...るのかと思ったら、五郎さんたち出演者はお昼が出たんだそうで、おまけに五郎さんは車なのでお酒もだめで、コーラでつきあってくれました。
私と母だけはお腹ぺこぺこだったので、しっかりきりたんぽを食べ、私はひらいずみというお酒も飲みました。
ひらいずみ? 岩手じゃないの? と言ったら、岩手のは平泉、秋田の美味しいお酒は飛良泉と書くのだと、祐幸さんが説明してくれました。

さて肝腎のきりたんぽ。初めて食べたけれど、ちょっとおつゆが濃かった以外は、とっても美味しかったです。すきやきみたいな味のお鍋に、きりたんぽとか葱とか春菊が入っています。
きりたんぽはごはんが竹輪上に固まっていて、なんかこう、ごへい餅が鍋に入ったようなそういう味。味が濃過ぎることを除けば、ほんと美味しかったです。
先月ハルピンにいったおり、中国人のガイドさんが「日本の秋田県できりたんぽを食べた、あれは美味しかった。また食べたい」と言っていたのが忘れられなくて、私はまだ食べたことがなかったんで、それでここへきましたという話をし、他にもいろんな話をしました。

「どうして祐幸さんの歌がいいの?」
向かいに座った五郎さんが、私にそう尋いた。
想定内の(笑)質問ではあったけれど、応えは難しいですね。だれかを好きになるのに、理由なんてないから。
でもまあ、一つ理由があるとしたら、祐幸さんはみんなが歌わない民謡を歌うのが好き、と応えてみました。

2時頃店を出て、祐幸さんとはここでお別れ。
五郎さんもほんとうは、駅へ私たちを連れていってしまいたかったのかもしれないけれど、さっきお店で話に出た「伝承館」とはなんぞやと私が尋いたので、そこへ連れていってくれました。
伝承館で「障害者手帳は効きますか」と言ってみたのですが、だめで、大人3人、300円を母が払いました。
ここでおもしろかったのは、例えば「秋田漫才」というボタンを押すと、秋田漫才の説明と、実際の漫才のビデオがみれること。
私は、夕べの宿が土崎なので「土崎港祭り」というボタンを押してもらいました。
あと、竿灯祭りの時にかつぐものをさわったけれど、これは実際にかつげたわけではないんで、あまりぴんとこなかった。
もっとおもしろかったのは、3階の太鼓の部屋で、私はタタンタタンというリズムの太鼓をたたき、五郎さんが大太鼓をたたいてくれて、竿灯囃子の演奏をしてみたこと。
初めて聞くお囃子なのに、自分も参加できて、これも録音したかった音の一つでした。でも手がふさがっていたから、録音できなかった。新潟の万代太鼓とはまた違った、ものすごくいい音でしたよ。

伝承館には、金子邸という、昔のお金持ちの人の屋敷も隣接されていて、そこも見学できました。
ここでなにがおもしろかったって、昔の秋田の商人とお客が、こんな風に品物を売るっていう、その会話がテープで流れ、算盤の音やなんかもしていたんですが、その声がじゅうぜんさんだったこと。五郎さんにそれを言ったら「ほんとだ」と、思わず二人で立ち止まってしまいました。母だけが「じゅうぜんさんてだれ」と言うので、午前中に会った人よと説明しました。
金子邸でトイレにいってみたら、昔の邸宅に場違いくらいな、奇麗なトイレでした。
外側の戸はふすまなのに、中にはウォシュレットがあって、点字が付いていて。

トイレを出て、いよいよ駅? と思ったら、五郎さんが「そしゃ千秋公園いぐか」
さっきの話では、あそこは車で入れないというので、ほとんどあきらめていた。
ここは民謡に出てくる場所なので、いきたかったのよね。
ところが私と同じ考えの人はとても多かったらしく、千秋公園の前はものすごい車の列。
なのでちょっと路上駐車をして、千秋公園で写真を撮ってきました。
もうこれだけで私は満足。
長々と散歩しなくても、快晴の空の下、いい空気を吸って満足でした。

千秋公園から秋田駅は、車のタイヤを5、6回ころがしたくらいでした。
歩けば5分だそうです。
駅で五郎さんとお別れして、昨日めをつけておいたショートケーキと、ひないじどりの鶏飯弁当950円なりを買い、ふーみんさんに稲庭うどんを送って、そして4時33分のいなほに乗って帰ってきました。
なんでわざわざショートケーキを買ったかといえば、昔、私の友達が「秋田のケーキはまずい」と言っていたから、ほんとかどうか身をもって確かめようと思って。
でも残念ながら? イチゴのショートケーキはとっても美味しかったです。
それに、262円という値段も安いですよね。

またこんな機会があるかどうかは分からないけれど、またいつか、祐幸さんに会えそうな時、秋田へいってみたいです。
祐幸さんのお年はよく知らないけれど、55才で銀行を定年退職したっていうから、まあそういうお年なのでしょう。
でも55才を過ぎていようとなんだろうと、私にとってはアイドルなのです。ミルク。