ハルピン 内モンゴルの旅 一日目

 
数年前だったか、FMラジオのドラマで「赤い月」を聞きました。それで、ハルピンという所にいきたくなったのでした。
できたらぼたんこうとやらにもいきたかったんだけれど(主人公たちが、ハルピンからぼたんこうへ、命からがら逃げてくるシーンがある)今回、やっと新潟発着のハルピンへいくツアーがみつかりました。
ついでにモンゴルへも一晩だけいけるのか、モンゴルもいってみたかったけど、8日間とかでは長過ぎるのよね、ハルピンのついでにいこう! そう思って申し込んだんですが、なんとこのモンゴルというのが、中国国内の内モーコ自治区であることが、出発前日に判明。うー、てっきりモンゴルだと思っていたのにー。
というわけで、少しがっかりしつつも、9月9日、新潟空港に集合したのでした。

うちのツアーは9人ですから、昨年上海の時にやられたような、お土産攻撃はないだろう。そう思っていましたが、新潟空港で始まりましたあ(ニコ)
総ての手続きが終わった後、3階の奇麗な座敷に通されて(新潟空港に、あんな部屋があったんだな あ)コーヒーをご馳走になった代わりに、お土産屋さんが説明を始めました。新潟へ帰る日にご自宅へお届けしますと目の前で言われると、やっぱり買いたくなりますね。
既にカタログは自宅へ届いていたので、その中で目をつけていたパンダのティッシュボックスと、やっぱりパンダのぬいぐるみ、父へのしょうこう酒。ロシア語のクラスへ配る甘栗。みんな注文してしまいました。1万円近くなって、高くてびっくりしたけれど、実はこれは大正解。ハルピンにいってから、あのかわいいティッシュボックスも、ぬいぐるみもどこにもありませんでした。

新潟を発って、ハヤシライスの中にグリンピースも入っているという変なごはんを食べているうちに、2時間20分でハルピンの空港に着きます。
飛行機はヘッドホンも毛布も枕もない、実にさばさばとした(汗)もので、ファーストクラスにだけ毛布と枕がありました。赤ちゃんを連れた隣席の中国人の女の人は、毛布と枕をファーストクラスから持ってきて、降りる頃に返しにいっていました。

空港は、新潟空港よりはちっちゃいけれどムールマンスクよりは大きい、という感じで、日本語も英語も通じない女の子が、こっちだこっちだとどんどん引っぱっていくので、私たちはうちのツアーを待ちたいんだけどーと抵抗してみてもままならず。しかしじきに、うちのツアーのみんなに会えました。
私たち9人と、添乗員、そしてハルピンのガイドのきゅうさん、スルーガイドといって私たちにずっと付いてくるガイドの白さん、カメラマンの竜さんというおねえさん、そして運転手という、全部で14人のグループが、ハルピンの町へ繰り出していきました。

空港から市内へはバスで1時間。最初にいったのは、ソフィア教会という所でした。
ここはロシア人が残していった、キリスト教の教会。
みんなで写真を撮って、ここはすぐ終わりました。

次が中央通。旧名をキタイスカヤ通といって、ここは2キロほどを歩きました。
6月に浅草をそぞろ歩きしたんだけど、ちょうどああいう感じ。
歩行者天国になっているのは浅草と違うかもしれないけれど、両側にお店が並んでいて、道は石畳みです。石畳みといっても、イタリアのそれのように、穴が開いていて歩き難い、という感じではなく、私もこわくない程度の道でした。
この中央通にある、なんとかというホテルで、きゅうさんがみんなにアイスキャンディーをおごってくれました。お腹は大丈夫かなあ?中国であまり、アイスって食べたことないんだけどーと、ちょっと心配していたんですが、その場にいる人みんな、日本人か中国人か知らないけれど、ほんとにみんな、立ったままアイスを食べていました。ブドーとミルクの味で、ほんとに美味しかった。もしかしてこれが、今回の旅行で一番美味しいものだったかもしれません。
そのアイスキャンディーを買ったホテルでトイレも借りて、再び歩き出す私たち。
今度はスターリン公園と松華江という川をみて、最初とは違う道を通ってバスに戻りました。  

ホテルでしばし休んだ後、夕食はロシア料理。
これをものすごーく期待していたのに、全然はずれでした。
サラダを食べた、その同じお皿にまた違う料理、そのまた同じお皿に別の料理と運ばれてくるので、味がまざっちゃって、どうも美味しくありません。
スープも、ボルシチを楽しみにしていたのに、これはどう考えても違うよねという、ケチャップ味のスープだったし。私の大好きなペリメニもないし。
その頃、向かいの席の女の人が「前に私タイ語を習っていたんですけど、その時ご一緒してませんでしたっけ?」と話しかけてきて、よく聞いたら、私がロシア語の入門編を習っている時のクラスメートだったことが判りました。
K井さんというその人の名前には、全く記憶がないんだけれど、声にはどこか憶えがあった。しかし、他人のそら似かと思っていたんです。
あの、私がロシア語の入門編を習っていた頃は、生徒がものすごく多勢で、全員となんてとても話せなかったんで、この女性と話をしたのは、今回が初めてでした。そのKさんと「こんなのボルシチじゃないよね」と言いあっていました。
食事の飲み物は、ハルピンビールなら会社からのサービスで付くけれども、ジュースは別料金というので、悔しいから(笑)ジュースはとらず、飲み物は水だけにしました。またガイドも、飲み物をとれとれと言わない人でした。ベトナムの時は結構、ガイドがしつこかったんです。
この「ビールだけサービス」というのは、その後もずうっと続き、私は家から持っていったジュースや、旅行の始めにもらったミネラルウォーターをずっと飲んでいました。

こうしてホテルに戻り、シャワーにも浴槽にもならない、上からも下からもお湯が出る困ったお風呂で髪を洗い、一日目は終わるのでした。