わたくし西の方へ旅に出ます その2

 
マコさんと知り合ったのは、実は最近です。
私が「神戸のメロンパンは、神戸ならどこにでも売っているんですか? 売っている場所を教えて」と、ある掲示板に書いたことで、マコさんご夫婦と知り合ったのでした。
メロンパンはもう10日に買いましたが、11日なら時間があるので、マコさんご夫婦と会うことにしました。

さて、10時半に大阪駅の改札口というのが待ち合わせ場所でした。
ところが、メ ールで聞いていた服装のご夫婦がいない。
そうだ、こういう時こそテレビ電話だ、この携帯を買って8ケ月、まだ挑戦していなかったけど今だわ、そう思ってテレビ電話にしてみたんですが、どこを映したらいいか、はたまた映っているのかも分からないうちに、プツンと電話がきれたりして、また音声だけの電話をかけ直したりして。でも10時40分に、ようやく会えました。なんと私と母、改札を出たつもりで出ていなかったんです。なんで切符を捨てる所がないのかなあ、とは思ってたんだけど(笑)
「よかったあ、会えたあ」とよろこびあい、四人で難波へいきました。
名前だけは何度となく聞いていた「わっは上方」に初めていき、落語のさわりだけ聞ける所や、クイズに挑戦したりしました。クイズは難しくて間違っちゃったら「わいに挑戦するなんて10年早いわ」という声が出て、30問あるはずのクイズが2問で終わってしまいました。
落語は桂春朝さんのを聞いたけれど、なにせ他の人も同じように落語を聞いているので、春朝さんが何を言っているか、ほとんど分かりませんでした(汗)
「人力車があるよ、乗ってごらん」と言われ、なんで建物の中に人力車があるのかと思いつつ乗ってみたら、動かないんです。動かないけれど景色が動く。そして、景色に合わせて音声も聞えるんです。昔、初代桂春団治が、こうやって人力車で寄席をかけもちした時のことを現わしていて、途中「そんなー、はろてくれへんとわてが番頭さんに怒られまんがな」と借金の返済を頼む丁稚さんや「アッハン、今晩寄ってーな」という女の人が出てくるんです。そして、絵が変わる時には、みんな手をふってるんです。
その人力車は5分くらいで終わるので、次は資料室へいきました。
ここは、ヘッドホンで落語でも漫才でもじっくり聞けます。時間があったらもっといっぱい聞きたか ったけれど、先代の林家小染さんの「堀川」を聞きました。この機械には点字が付いていて、再生とか停止とか、カード差込口とかみんな書いてあるので、聞き終わった時は、カードを自分で取り出すことができました。

そこまでで12時半になったので、そろそろお昼を食べにいこうと思ったんだけれど、ちょうどCDを売っている所を通りかかったので、先にCDを選ぶことにしました。
桂文我さんのCDを2枚購入。
どんなに愛する噺家さんでも「この人、今日ははずれ」と思う時があるんです。文我さんは別にファンではないけれど、それが一度もない。生で聞く1回1回が大あたり。私はこれからしばらく、文我さんのCDを買うかもしれません。  

その後わっは上方を出て、少し歩き、サミーえびすとかいうビルに入りました。
ここは昭和初期の景色を表現していて、ビルに入るだけで入場料がいります。
なにかカードを渡されて、出る時に一人315円を払うんです。
このビルの6階だったかの、 洋食屋さんに入りました。
朝食がパンとコーヒーだったので(安いホテルの代わりに朝はバイキングじゃないんです)ごはんが食べたいと私ががんばっちゃったんです。
その洋食屋さんで私はオムライス、母はスパゲティー、マコさんはマカロニイタリアン、旦那さんはポークカツを注文したのですが、オムライスはまあまあ美味しかったんですが、スパゲティーの味が濃くてびっくり。母のを少しもらったけれど、味が濃いので返してしまいました。
お土産も売っていたようだけど、なにせ昭和初期の情景を現わしているので、欲しいものもなく、ビルを出てきました。  

さて、これからどこへいく? と歩き出す4人。
私は、さっきから思っていたことを言ってみました。
「ねえ、コーヒー飲みたい」
暑いし、いきたい所はみんな連れていってもらったし、ごはんを食べたら、なんだかコーヒーが欲しくなったのです。
近くの喫茶店みたいな所に入り、4人で1時間以上座って、ずっとアイスコーヒーを飲んで話していました。これがまた、量の多いコーヒーで、ビールのジョッキかと思うコップに入っているんです。ゆっくり話すにはちょうどいい量です。
母が飲みきれないというので、私なんか1杯半飲んじゃいました。
4人で1時間以上いろんな話をして、2時過ぎにお店を出てきました。
ここからバ ス停まで、ちょっと歩くのです。
10分くらい歩いてバス停へいき、伊丹空港行きのバスのチケットを買いました。
もうお別れか、寂しいなあとマコさんに言われ、一日つきあわせちゃった私としては、なんだかほっとしました。そして、二人と握手して バスに乗りました。

伊丹空港では、神戸プリンと蛸焼きのおにぎり、そして父にあわおこしを買いまし た。
「だまされたと思って食べてみいや」と書いてあったこの蛸焼きおにぎり、だまされたあ。私には、あまり美味しくありませんでした。ダルマの形を想像して下さい。頭の部分が蛸焼き、胴の部分がおにぎり、そういう形です。
神戸プリンは、四つで945円であまり安いとは言えないけれど、すごく美味しかった。でも、値段のわりには小さかったなあー。
あと、神戸の人から肉まんのお店も教わったけれど、この暑いのに、とてもじゃないと肉まんを食べる気にならず、これはいきませんでした。
神戸のあの酔っぱらい事件以外は、総て楽しい旅でした。

家に帰って、いただいたCDをパソコンで聞いてみたら、10席どころか20席くらい入っていて、ああ、だからよしさんはMDでなくCDにして下さったんだと分かりました。
また元町寄席へいけるかどうか分からないけど、もしいけたら、またあのホテルに泊まろうと思いました。ミルク。