沖縄旅行 3日目の巻

 
朝食のおかずはこれまた憶えていないけれど、昨日の那覇のホテルに比べて、いくらか寂しいなというバイキングでした。
あと、オレンジとかりんごの、耳慣れたジュースが消えてしまった。
グアバとかまんごうとかパッションとか。
「すいません、パッションってなんですか?」と尋いたら、パッションはパッションですだって。
うーむ、飲んでみたけれど、牛乳に替えちゃいました。

この日は前もって、石垣においていく荷物と、島へ持っていく荷物を分けておくように言われていたので、最低必要なもの以外は石垣港において船に乗りました。  
8時半発の、竹富島行きの船に10分ほど揺られて、竹富へ着きました。
begin の歌で「竹富島で会いましょう」という曲があったので、ここは私の第二目的地。
島へ上がって最初に驚いたのが、点字ブロックがあったことでした。
人口347人 の島で、舗装道路は一本というこの島で、港にちゃんと点字ブロックが敷いてあっ て、失礼ながら驚いてしまいました。

竹富島は、大型バスが走れません。なのでうちのツアーは、4台のマイクロバスに分かれて観光しました。
私が乗ったバスの運転手さん兼ガイドは、たかなさんという若そうな男の人。
「あそこに見えるのが竹富郵便局、そしてそのそばにあるたかな旅館、あれが私の家です。この次来る時は、どうぞ家へ」
旅館の若旦那さんの案内で、バスは星砂の浜へ。
白い砂の中に、茶色い星の砂が入っているんだそうで す。でもこれは実は砂ではなくって、有孔虫の殻なんですって。
私も言われるがまま、手の平を砂におしつけてみました。
星の砂がいっぱい手に付けば、正直者ということですけど、私の手には、あれ?星砂はどこ?汗。
また、星の砂の瓶が、つかみほうだい500円でも売られています。

海の音はするけど、新潟の海で感じるような潮のにおいというものが、まるでしません。それで、どうなってるのかと思って(笑)波うちぎわまでいって、さわってみました。初めてさわった東しな海は、とても暖かい水でした。

次はさんご資料館へ。
ここでバスはちょっと離れます、みなさんはバスが来るまで観光してて下さいと言われ、私はさんごに興味はなかったので、砂糖きびアイス 250円を楽しむことにしました。
ジュースと違って渋味というか臭味のない、甘 ーいアイスクリームでした。
お土産物屋さんはいっぱいあるけれど、スーパーとかそういう、日常のおかずはどこで買うんだろう? 治安がいいから、警察はないそうだけれども。

こうして4、50分、マイクロバスで観光をし、次はグラスボートに乗りました。
これは、ツアーに付いている方のボートです。
昨日ほど海はしけていませんと言われて、なにも考えずに乗ったら、私の苦手な横揺れが始まり。あれっと思う間に、もうよっていました。昨日のがなかったら、私はグラスボートってきらいになると ころだった。
「みなさんだれも下をみていませんねえ。もう帰りましょうか?」あたり前だ、とっくによったぞ。

さあ次はまた船ですと言われ、思わず「助けて」とつぶやいてしまいましたが、 次に乗った、西表島への高速船は、全く揺れない穏やかな船でした。
昔聞いたラジオドラマに、こんなのがありました。
主人公は小学1年の男の子。
沖縄のある島( 名前を忘れた、架空の島かもしれません)の小学校が、生徒数が0になって、なくなるかもしれないというので、東京の小学校から自分だけ、沖縄のその島のおじさんの所へ引っ越して学校へいくんです。そこでは「西表へいくだけでも都会」で、 見たいテレビもゲームもありません。もう帰りたいと泣いて、家へ電話するんだけど、「帰りたい」の一言が言えず「僕は元気」と言って、泣きながら電話を切る、 そういうドラマでした。聞いてた私も泣いてしまったけれど、その西表島へ着きました。

高速船に40分ほど乗って西表へ着くと、なんとまた船。仲間川の遊覧です。
東洋のアマゾンといわれている、そのくらいマングローブがうっそうとしげった仲間川を、1時間ほど遊覧船で走ります。
最初は海から出発して、後で川に入るんです が、その川に入った辺りから、携帯が、フォーマもムーバも使えなくなりました。 この日本に、ムーバの携帯さへ使えない所があるんだということを、初めて知りました。
携帯でメールできないと、急に退屈しちゃって、そうするとお腹が空きます。
昨日どこかでもらったチンスコーを食べたけれど、そんなものでは追いつきません。
スマイルさんからもらったお菓子、自分が新潟から持ってきたお菓子、みんな荷物を軽くしようと思って、石垣港においてきたことを、心から悔みました(汗)
西表島の面積は、ほんとうは石垣より大きいのだ、だけど原生林が多くて、人の住める所が少ないから人口は2000人なのだという、解説は続きますが。とにかくお腹へった(汗)

船に1時間乗った後は、水牛車で、由布(ゆぶ)島へいきます。
ちょっと待って下さいね、牛がまだ来ないのでと言われ、しばらくぼーっと待つ、その間に全員で 、記念写真を撮りました。
じゅんこちゃんという、もう俥引きを引退した、人間でいえば70才のおばあちゃん牛と、一緒に撮りました。
じゅんこちゃんの背中に乗った人もいたけれど、私はこわいから、近づけませんでした。
インドの時とおんなじ牛のにおい。
やがて牛車が戻ってきたので、乗ることになりました。
インドで乗ったのと違い、屋根が付いた俥で、あまり前の方に乗ると引き難いそうで、みんなある程度後ろに乗りました。
私が乗った俥の牛は、なつこちゃんという、人間でいえば40才の牛だそうです。
なつこちゃんに引かれながら、俥は海を渡っていきます。
水深は人の足首ぐらいまでしかないんだけれど、牛の落とし物があったりしてきたないので、俥で引いてもらっていくんだそうです。
しかし、いくら海は広いといっても、こんなに落として大丈夫なのかなあ?

牛に引かせておいて、ぎょしゃというか、運転のおにいさんが三線を弾き始めました。
「あさとやゆんた」を弾き歌いしていたので、私にも弾かせてと言って、弾かせてもらいました。私は弾きながら歌えないけれど。そうしたら「おじさんと替わろう」なんておせじを言ってくれました。

由布島で、待望のお昼になりました。
ところがお昼の会場へいこうとしても42人なもんだから、なかなかみんな付いてこない。
早くしてくれー(涙)
1時半に出されたお昼は、うーむ、食べるものがない(汗)
ごはんは「とくし米」という、古代米の一種で、ものすごくパサパサのお米だし、おかずのだちょうのもも肉も、いっくら名前を聞いても憶えられない魚も、私には美味しく思えませんでした。
そうだ、と思い出し、朝食の時にバッグに入れてきたあじつけのりを出して、これでごはんだけは食べられました。
美味しかったのは、豚の角煮とあーさだけ。
あーさは 標準語でいえば、たぶんあおさ。もずくと違って癖のない、美味しい海草ですね。

お昼が終わって、また昨日のように缶コーヒーでも飲もうかと探したら、缶コーヒーはなくって、アイスコーヒー300円。飲むの止めた(^_^;)。

帰りの牛車は、牛も運転手さんも違う人で、いきよりちょっと年配のおじさんだったんだけど、連絡がいっていたのかはたまた偶然か、乗ってすぐ私に三線を持たせてくれました。
昨日習った「ちゅーりっぷ」はあまりにつまらないから、「古里」と「あさとやゆんた」を弾いて、まだ好きな曲を弾いていいというので、涙そうそうやかちゅうしゃを弾こうとしてみたけれど、弾けませんね。しかたなくまた、 同じ2曲を弾きました。
おじさんに三線を返して、どうやって弾くのかよーく聞いてみたら、三味線みたいに6とか10とか、あんまり奥の方のつぼをおさえず、せいぜい4とか5くらいのつぼで、用が足りているみたいでした。もっとも「つぼ」 というのは三味線の言葉で、三線ではなんというか知らないけれど。その牛車のおじさんが「みなさんどこから来たの?」と言うので、新潟だと言ったら「19の春 」を歌う時、こんな風に歌ってくれました。
「一銭二銭の葉書でも、千里二千里旅をする。同じ新潟に住みながら、なかなか会えぬ悲しさよ」
そうか、だから「どこから来たの」と尋かれたんだな。

こうして、さっきの西表島に帰ってきました。
バスに30分ほど乗って、港にゆき、石垣行きの高速船に30分ほど乗って、石垣へ戻ってきました。
予定より30分ほど早く帰ってきたそうで、時間があるので、予定にはなかったあわもりの工場へ連れていかれ、パイナップルワインを試飲したら、これがまた美味しいの! とは いえ、私一人で酒を飲む趣味はないし、どうしようと迷い、スマイルさんに電話してみることにしました。
うちのツアーの人が多勢いる前で「スマイルさんですか? ミルクです」と電話するのはためらわれたけど、どうせ人の会話なんか聞いてないだろう。えいっ(笑)
「パイナップルワインは知らないけれど、お酒は好き」ということを、400キロ離れた人に確認したので、4号瓶を一本買いました。
あわもりも、25度と43度を飲んでみたけれど、なんてことなかった。ウォッカの方がよほどきついです。

次は鍾乳洞へいきました。
ここは私が思っていた南国の気温。外に立つだけで、 暖かい、しめった風が吹いてきます。
中は階段が多いし、いきたくなかったので、外でみんなを待つことにしました。
夕食もその鍾乳洞のそばで食べたんですが、いやー、お昼の縮小版。食べるものがやっぱりあまりなかったので、今晩の宴会に期待しつつ、八分目のお腹で石垣空港へ向かいました。

7時20分の飛行機で、那覇へ帰ってきました。
ホテルに帰り、スマイルさんに電話して、今宵はホテルの部屋で、パイナップルワインを飲み、スマイルさんさしいれのおにぎりを食べ、ようやくお腹いっぱいになったのでした。