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おいでよムールマンスク その2


モスクワは暑くて暑くて、ホテルの部屋にクーラーがないと聞いてからよけい暑く感じて、長袖のパジャマしか持っていかなかった私は、寝たのか寝ないのかよく分からないくらいしか眠れませんでした。
それでも母いわく、寝ていたそうですが。
翌7月12日もやっぱり移動日でした。
エレーナさんと約束した11時にホテルを出るためには、預けているパスポートを返してもらわなければいけません。
それで10時に母が フロントへ取りにいったのですが。
帰ってきたのが10時50分!
部屋がどこだか分からなくなっちゃったんだって。
それくらいロシアホテルは大きくて、そしてややこしいのでした。

11時に下へいくと、あれ? 男二人と女二人が私を待って います。
実は昨日、ラリーサさんから「あなたは明日のタクシーを、今日のうちに ホテルで頼んでおいて下さい」といったようなことをロシア語で言われたので、 確かに前日に頼んでおいた方がいいなあと思い、インツーリスト事務所で頼んだのです。
45ドルというお金も、旅行社か 聞いたよりは安かったし。
それをちゃんとエレーナさんに言わなかったから、エレーナさんもだれか男の人を連れてきて、車を 手配してくれたのです。
わ、私は、車は頼んだんだけどーとあせって言うと、あなたは昨日私にお金を払ったのよと、もう一人の女性イリーナさんが言います。
どうやら昨日、事務所にいた人らしいのです。
こっちは全く覚えてなかったけど。
それでお金を払っている方の、イリーナさんとその彼だかご主人だかの車に乗り、エレーナさんの用意した車の方には、帰ってもらうことになりました。
ちゃんと私が言っておけばよかったんだけど、ちょっと頭が回らなかったの。
まあごちゃごちゃと英語とロシア語がとびかった後、車一台に 5人が乗って、出発しました。
前の席にはイリーナさんと運転手、後ろにエレーナさんと私と母です。

空港に着いてチェックイン、エレーナさんが 「彼女は目が見えないから宜しくね」とロシア語で言ったようで、私はメディカルルームに通されました。
実は国内線の空港の待ち合室はクーラーがなく、大変に暑かったので、涼しいメディカルルームで待ててありがたかったです。そのメディカルルームに荷物検査の人もきて、涼しいまんまで荷物を見てもらえたし。
日本では、私が見えないと分かると、ろくなことをされないので、なるべく見えないことは、ばれるまで言わないのですが、ロシアではありがたい心づかいでした。
こうして憧れのムールマンスクへ、飛行機は飛び立ちました。

モスクワから2時間半、小さな空港に着きました。
連絡がいっていたようで、私はやっぱり赤十字のバスに乗せられ、他のみんなは歩いているようでした。
しかしこれがよくなかったのか、荷物がどこにあるのか分からず、だいぶ探しました。
荷物より先にガイドがみつかり、ようやく預けたスーツケースと再会。
ホテルへ向かいました。

ところがこのガイド、兼ドライバーだったんだけど、男の人に時々こういう人はいるんだけど、クチャクチャッとした発音で私にはどうも聞きとれず、向こうも私の発音を聞きとってくれません。
おまけに、なんか早口でロシア語の独り言を言っている。
ほとんど分からなかったけど、よおーく耳をすますと「スラマーリ」 と聞えました。
な、何がこわれたんだ?
もしかしてさっきから何度もエンジンが止まるこの車かな?
憧れの町へきたはずなのに、なんだかモスクワへ戻りたくなりました。

ホテルはアルクチカ、北極圏という意味のロシア語です。
ロシアホテルと違い、部屋にバスタブはなかったけれど、ディジュールナヤさんはすぐ近くにいるので、何か尋ねにいくのが楽でした。
それと、私たちは普通に過ごしているつもりなのに、どうーもホテルで目立っているようなんです。
「ちょっとアーニャ、外国人が何を言っているか分からないのよ」とか「外国人よ通してあげて」などと言われました。(ちょっと意訳はいってます汗)

さて夕食をどうしようかということになりました。
ドルをルーブルに料替えしないといけないのですが、本日はルーブルはもうありませんということで、朝まで我慢しろと母は言うし、私は「機内食の冷たいハムやパサパサのパンはもういやだ。なんか暖かいものが食べたい」と言うし。
結局、セキュリティーサービスの人に手伝ってもらいながら、カードでルーブルをおろすことになりました。
あなたは幾らいるんだとセキュリティーの人、私は「夕食を食べたいけれど幾らいると思いますか?」と逆に伺いました。そうしたら500ルーブルだろうと、そのボタンをセキュリティーさんが押し、ピン札のルーブルが出てきました。私も母も初めてで、なんか感激しました。
2階の豪華なレストランには、私の愛するペリメニはないとのことで、1階の食堂へ。
これがまあ大変なにぎやかさで、涼しいムールマンスクでここだけムンムンと暑い場所でした。
その理由は、お金を払う時に分かりました。
お盆に好きなだけとると、重さを計ってお金を払うのですが、なんと81ルーブル。
コーヒーをもらって美味しかったパンだけお代わりしても、100ルーブルちょっとでした。
30ルーブルがだいたい1ドルです。
そうか、安くてお腹いっぱい食べられるから、こんなに人が多いのかと思いました。
暖かいソーセージ、パサパサではあったけど暖かいごはんを食べられました。
ミルク。
 
 

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