The Quiet Zone/The Pleasure Dome 1977


1977年、VdGG史上もっとも大きなメンバーチェンジが行なわれた。
VdGGサウンドの要とも言えるサックスのデヴィッド・ジャクソンとオルガンのヒュー・バントンが共に脱退し、ニック・ポッター(ベース)が復帰、そして新たにグラハム・スミス(バイオリン)が参加したのである。
当然、サウンド的には全く異質のものになってしまった。この年に発表された「The Quiet Zone / The Pleasure Dome」(当時の邦題は「静粛 / 歓喜」)は曲も短めで、8曲入りという、(デビューアルバムを除けば)過去に前例のない「短編集」であった。
ハミル自身、これはもはやVdGGとは別のバンドだと認識したのだろうか、バンド名から「G」を1個削り、「VdG(ヴァン・ダー・グラーフ)」と改名したほどである。

多くのプログレファンを失望させた作品だったが、ハミルのソロ作品を聴き込んでいるファンにとっては、むしろこの作品にこそ、時代の変化や流行の変化にほとんど影響されないというハミルの特徴がもっとも強く感じられるのではないか。
初来日のとき、アコースティックギター1本でプレイされた "Last Frame"は強烈だった!