Pawn Hearts 1971


ニック・ポッターが脱退、4人編成となったVdGGは、ヒュー・バントンがフット・ペダルのオルガン・ベースを弾いてその穴を埋めていたようである。
11分、10分、23分という3曲の大作からなる「ポーン・ハーツ」は、VdGG芸術のひとつの頂点と言える。同時期にキング・クリムゾンは「アイランド」、イエスは「こわれもの」、ジェネシスは「ナースリー・クライム」をリリースしており、まさにイギリスのプログレシーンは最盛期を迎えようとしていた。
もっとも、「ポーン・ハーツ」はイギリスよりもヨーロッパ各国、とくにイタリアやフランスで高い評価を受けたらしい。たしかにイタリアの70年代プログレの多くはジェネシス、イエス、そしてこのVdGGの影響を抜きにしては語れないだろう。
しかしVdGGはこの年(1971年)、突然解散してしまう。
ハミルは、自分の人生を音楽に賭ける決意をしたのは「ポーン・ハーツ」の頃だと語っている。ソング・ライターとしての自覚に加え、ミュージシャンとしても新たなる境地を目指し、ソロ活動に重点を置くようになっていくのであった。
なお、おいらが持っていたアナログのLPには、2曲目に "Theme One" が収録されていたが、この曲は2000年の「The Box」で、BBSセッション・バージョンを聴くことができる。