6月24日、昼のお話
今回また、小春団治さんの独演会にいくために上京しました。
で、ついでながら池袋演芸場へいったのですが。その前に。
今回最初にいったのは、日点(日本点字図書館)でした。点字板の具合が悪いので、買いにいきがてら、今はどんなものがあるのか見せてもらいにいきました。
「点字板なんて一生使えるものなのに、どうだめになるんですか?」と尋かれても、そりゃ「板」は大丈夫なのです。定器がだめなんです。ほんとうなら定器だけ買いたいんだけれど、ばら売りがないので、悩んだ末、平凡な木の点字板にしました。点筆も、転がりにくいように、へこんだ形のものを買いました。
点字板を選んでいる私の横で、ずっと何か言っているお人形。
これはなに? と尋くと、たっくんというお人形なんですって。
日点の職員のおねえさんが「たっくん、歌って」と言うと「歌いたくないもーん」と言ったり、電池はここですとお尻をさわると「なんか用?」と言ったり、もう一つ、プリモちゃんというぬいぐるみもしゃべるんだけど、こちらは「知らなあい」と言ってばかりで、感じ悪いので(笑)たっくんの方は幾らですかと尋いたら、ゲゲ、11000円。高くて買えないので、820円の、キーホルダーの方のたっくんを買ってきました。こっちは、大きいたっくんほど口数は多くありません。お金がうんとあれば、大きいたっくんの方が欲しかったですが、それでも、小さい方も「僕のことしゅき?」とか「元気いっぱーい」とか、何種類かはしゃべれますね。
あと、点字の書かれた地球儀もありました。
学生の時もそりゃ盲学校にあったけれど、その頃はどこにもいったことがなかった。
社会人になっていろいろな所へいけたので、ここはいった、ここもいったと、いろいろ地球儀をさわり、日点のおねえさんも巻き込んで、騒いできました。
やっぱり「バリ」とか「トビーリシ」なんていう点字はありませんね。せいぜい「モスクワ」とか「ニューデリー」はありましたが。
日点を出たのは12時半で、ちょっと時間があったので、旅館へ荷物をおきにいきました。
この旅館、翌日ちょっとおもろいことがあったので、名前は伏せてみますね。汗。
荷物をおいてすぐ,池袋へ向かったのですが、演芸場へ着いたら、もう前座のさん作さんが高座に上がっていました。
柳家さん作さん「初天神」
柳家右太楼さん「がまのあぶら」
「今わたくし、初めての体験をしています」と言うので、なんだろうと思ったら「次の人がきてないんです」楽屋から羽織が飛んできたかどうかは私には分かりませんが(次の人がきたよ、という合図に、楽屋から羽織を高座へ投げる、という話を聞いたことがあります)、途中で「次もきたようですし」という台詞が入り、おもしろかった。
ペペ桜井さん、ギター漫談。次に出てきた市馬さんが「品のいい川柳川柳」と言ったのは、大笑いでした。うまい表現だなあ。
柳亭市馬さん「高砂屋」
前夜私が「歌って下さい」と掲示板に書いたところ「うけあえませんがつとめます」とお返事下さいました。高砂屋とは考えてくれました。ちゃんとした歌は入っていなくても、どどいつをうなってくれました。満足。
柳家花緑さん「粗忽のくぎ」
他のMLで「花緑や志の輔なんか聞いてる場合じゃないですよ」と小春団治さんの会を勧めた私なのに、偶然花緑ちゃんを聞いちゃいました。汗。
柳家喬太郎さん「にゅう」
初めて聞く噺なので、他のホームページを参考にさせていただきました。しかし、この題でいいのかしらん? そのHPでは、扇治さんの演目が間違っているけど(なまいきすいません)
どんな噺かというと、はんだやちょうべえという道具屋さん、どうも気にそわないお客から道具の目ききを頼まれる。断わっても断わっても頼まれるので、ここは一つ、使用人のやきちを自分だということにしてめききにやり、しくじってもらって、もうお呼びがかからないようにしようと考えます。その時に「道具をいろいろほめた後、最後に傷をつける。その傷をつける、という言い方は、にゅうがついたと言うんだ」と教えます。さて、やきちさん、先方のお家へいきますが、そこは変な人のこと、表門から入らず裏門から入り、垣根をなぎたおすは、とうろうにつかまってそれも倒すは、なんとか怪獣が通ったような跡を残して(ここ、怪獣の名前が分からないので、パス、笑)そういうわけだから、先方のお家へ入ってからもいろいろあって。ま、落ちは書かないでおきます。冷汗。
その前の、喬太郎さんの枕が爆笑でした。
白鳥さんは旅が好き、シルクロードにいって、帰ってきてしまった。どうせなら帰ってこないで、3年後くらいに海辺で歩いていて欲しかったよね、その時に記憶を無くしていて、絵を描かせたら扇子の絵を描いて、ただ、落語をしゃべらせたらプロ級ではないっていうのがいいね。とか、三太楼さんは鉄道ファン、昔から鉄っちゃんだ。横浜の方になんとかっていう、
新しい電車ができたんですって? その電車に喬太郎さんが乗りにいって、そうだ、三太楼さんに写真を送ってあげようと、実際にメールした。「喬太郎でーす」というタイトルにして、本文には「用なんかないよーん」隣りの駅でまた写真を撮って「やっぱり用なんかないよーん」とメールした。ところが、なんの反応もないのでよくみたら。三太楼さんにメールしたつもりが、三語楼師匠に送っていた。もう、笑った笑った。しかし私は、三語楼さんみたいな年配の人も携帯メールとかするんだなあと、変なことに感心してしまいました。
権太楼さん、爆笑の「つる」
この枕もおもしろかったんです。
「たけしまなんか韓国にあげようではありませんか! うるさいから! それで足りなかったら喬太郎もつけます! それでだめなら花緑もあげちゃう! どうせ小さんになれないんだから!」
中入り
太助さん「太鼓腹」
太助さんは初めて会うと思います。声のかすれた人だなあ、と
いうのが第一印象でした、汗。
入船亭扇治さん「紋三郎稲荷」
「私は白鳥さんの代わりで、時間は市馬師の時間、いったいおれにどうしろって言うんだ。新作をやればいいのか古典をやればいいのか」なんておっしゃってて、お願い、新作、新作と思っていたのに、扇辰さんでもよく聞く噺で、ちょっとがっかり。あの扇治さんの、古めかしい新作が大好きなのになあ。といっても、寿限無を習いにいく噺と「働かせ蜂」の二席しか知らないんだけど。
花島世津子さんマジック。
柳家三太楼さん「宿屋のあだ討ち」
ちょっと前にテレビでみた権太楼さんのそれよりも、私にはおもしろかった。生で聞いたせいでしょうか、お相撲をとるところ、侍いが怒るところ、すてきでした。
あれで上方落語みたいに、お囃子が入ればなあー。