2012/10/8 小山八幡神社(西小山)

地理や地形には疎いもので、なぜ四谷では丸ノ内線が地上を走っているのか、なぜ銀座線渋谷駅のホームは地上3階にあるのか、深く考えたことはなかった。
要するに、四谷も渋谷も、その名の通り「谷」なのである。
丸ノ内線や銀座線のような古い地下鉄は比較的浅いところにトンネルが掘られているため、地上のデコボコ通りに掘るとアップダウンが激しくなりすぎるので、スリバチの底にある街ではそのまま地上に通しているわけだ。

いまさらそんなことに驚いてるぐらいだから、この本に書かれていることは新発見の連続である。
まるで教科書のように学術チックに書かれているため地味ではあるが、東京ファンの人にはオススメ。

さっそくこの本に紹介されている「丘の上の谷・碑文谷(ひもんや)」へ出掛けてみた。
下は今回の散策マップ。

JR目黒駅から東急目黒線に乗り、3つ目の(1)西小山駅で下車(カッコ内の数字はマップに対応)。
ご覧のように駅の入り口はもちろん地上にあるが、電車は地下を走っている。

(2)(3) 八幡坂
西小山アーケードとすずらん通りを抜け、八幡坂へ。
おいらが住む大宮にはこうした坂は皆無だが、横浜時代は六角橋という超デコボコした街に住んでいたので、ノスタルジックなものを感じてしまう。

(4) 小山八幡神社(裏)


(5) 小山八幡神社(正面)

裏から入ってしまったので、一度外に出て、改めて正面から鳥居を撮影。

拝殿

>小山八幡神社は荏原台の突端に位置し、ここからは広大な立会川の低地と海岸方面が一望できる。神社のある台地(小丘)が「小山」というこの辺りの地名になった。(本書より)

せっかく高いところに登ったら、下界を一望できるスポットに立ちたいのが人情というものだ。こんなに家が建ってなかった時代は品川の海まで見えたのだろう。

ちなみに建設中のブルーの建物は8階建てのマンションらしく、近所には反対する旗がいっぱい立っていた。

小山八幡神社を後にし、厳島神社へ向かう。

(6) 江戸見坂
駅の方向へと下っていく坂道。

(7) 池ノ谷
厳島神社のある低地は池ノ谷といい、小山八幡神社から池ノ谷方面へはゆるやかな下り坂。
中央右の、こんもりと木が茂っているところが厳島神社である。

(8) 厳島神社

弁天橋。住宅地になる前、ここが谷だった名残であろう。

崖下の湧き水を集めた弁天池。コイやカメが泳いでいる。

(9) 洗足弁天橋
東急目黒線は地下を走っているとお伝えしたが、池ノ谷も、四谷や渋谷と同様、スリバチの底にあるため、電車が地上に現われる。そのため洗足弁天橋という橋がかけられ、写真には写っていないがエレベーターも付いている。

(10) 洗足弁天橋の上からの眺め。

(11) 西小山緑道
電車が通っているトンネルの上は緑道になっている。
谷底に線路を敷き、上にフタをしたということなのだろう。

お天気はいいし、まるでポルトガルの町並みのような・・・。(行ったことないけど)

江戸見坂を下から見上げたところ。
まったく初めての場所を歩き、こうして頭の中の地図で道がつながるのは何とも言えぬ快感である。

レトロな八百屋さん。

雰囲気的に、もともとは和菓子屋さんだろう。
店内では甘味メニューもあるが、メインはラーメン。
現在、ケースの中にはタバコが並んでいる。

ほんの1時間ほどの散策だったが、休日の閑静な住宅街の中に東京の古い歴史を感じさせるスポットがあり、なかなかおもしろかった。
帰りに気付いたのだが、東急目黒線は南北線とつながっていて、大宮から京浜東北に乗って王子で乗り換えれば西小山まで簡単にアクセスできるのだった・・・。