2008/7/6 葉山ツアー

神奈川県立近代美術館 葉山の「マティスとボナール展」へ。
おいらは逗子というところで降りたことがないので、一度行ってみたかったのだ。

11時50分、JR横須賀線逗子駅に、よくわからない5人組が集合(笑)。
神奈川県立近代美術館 葉山へは京急バスで。旅行気分で楽しい。

マティスとボナールは同時代(20世紀初頭)のフランス人画家で、「色彩の魔術師」チックな共通点を持って語られることが多い。
しかしボナールが生活の中であくまでも「具象」を描き続けた一方、マティスは純粋に色と形に生命を吹き込むべく、抽象的なまでにシンボリックな様式美を追求し、最後は「切り絵」にまで到達してしまった。
実は高校時代、おいらはもっとも好きな画家がボナールで、もっとも嫌いな画家がマティスだったのである。
マティスはヘタクソとしか思えなかったのがその理由だが、やはり好きと嫌いは紙一重だったようで、あの上野の「バーンズコレクション展」でマティスに開眼して以来、今ではボナールと共に大好きな画家のひとりになっている。
多くの画家がそうであるように、彼らも、晩年になるにつれて色彩が鮮やかになっていく。
絵を描くという行為は、それ自体、精神病の治療にも用いられているほどだから、自己を純化していく作業なのだろう。
その高校時代に画集で見た有名な絵もたくさん来ていたので、懐かしい気分の展覧会でもあった。


美術館の庭から海が見える


葉山しおさい公園

葉山御用邸付属邸の跡地で、大正天皇崩御・昭和天皇皇位継承の地だそうな。

御用邸の近くということで、皇室御用達のそば屋がここ「如雪庵 一色」。


鴨せいろうどん 1,570円


せいろ天盛り 1,680円

国内産のそばを石臼で挽き、天ぷらは手漉き和紙で三日三晩ろ過した玉締め絞りの胡麻油のみで揚げる。

しかし本日のホームランは、この鴨丼 1,700円。
プリプリでジューシーな鴨肉がゴロゴロ入って、お米も食味コンクール3年連続日本一の遠藤さんの無農薬米を使用。うまかったな〜。
(なお、鴨丼と親子丼は土日祭日限定メニューデス。)

京急バスで逗子駅に戻り、鎌倉行きのバスに乗り換えて「逗子マリーナ」へ。
同じ京急バスでも、鎌倉営業所管轄のバスにPASMOが導入されるのは8月2日からだそうで、ここだけは乗るときに番号が書いてある乗車券を取り、降りるときにお金を払うという昔ながらのスタイル。
首都圏でこうやってバスの運賃を払うのはこれが最後かもしれないなあ。

逗子マリーナは今回のガイド役でもあるJ氏主催のリレー小説の舞台。
きょうは取材に来たというわけである。
もっともおいらの場合、ボナールがなかったら、取材だけのためにここまでは来なかっただろう(-_-;)。

こんなにマンモス団地みたいな規模だとは思わなかったのでビックリ!

カフェでコロナビールとメープルバナーヌ(なんちゅう組み合わせじゃ)をエンジョイしたあと、外に出たら逗子マリーナは濃霧に包まれていた。

これから徒歩で小坪トンネル(首都圏有数の心霊スポット)を抜けて鎌倉駅まで歩こうと決めたばかりだったので、この演出はあまりにもできすぎ!

海も山もないさいたま市に住んでいると、こういう光景はとても珍しい。
(そう言えば、ここと同じように海と山に挟まれている別府駅で、東口は晴れているのにザーザー雨が降り、西口は曇っているのに雨が降っていないという現象があった。そのあと海と山にまたがって巨大な虹が出たのが印象的だった。)

出た〜! 小坪海岸トンネル!

小坪海岸トンネル(写真の右下あたり)を鎌倉側に抜けたところ。
実は、上部に交差する形になっているのが本来の小坪トンネルである。
う〜ん、何ごともなかったけど不気味だった〜。

まだサーフィンに興ずる若者の姿はまばらで、親子連れも、海岸で足だけピチャピチャやっている程度。
海の家が立ち並ぶ海水浴場ではあるのだが、生活排水で汚染されているのか、少なくとも地元の人は泳がないらしい。
もう少したてば東京からいっぱい海水浴客が来るのだろうが(笑)。

潮気を含んだ霧の中を30分も歩き、腕のあたりがベトベトになりながら鎌倉駅に到着。
ここで本日のツアーは終了、お疲れさまでした!
ガイドのJさん、ありがとう!
リレー小説と関係ないのに付き合ってくれたMさんとY先生、サンキューでした!

おいらとルミチンは大宮まで直通の宇都宮行きに乗り、90分間ほとんど爆睡(^^;)。
同じ歩きでも、濃霧の中だとかなりの体力を消耗するのだろうな〜。