2008/2/18 吾妻山公園

 
2月18日(月)、東海道線直通の湘南新宿ライナーに乗り、小田原の少し手前の二宮というところまで出掛ける。
某マイミクさんに、菜の花の季節に行くといいところだと教えられていたのである。

電車が川崎を過ぎたあたりで、進行方向右側の窓に富士山が見える。
長椅子に座っていると、ちょうど真正面に富士山が見えるのだ。
しきりにルミチンが不思議がっているので、いま電車が南方向に走っているからだと説明したが、納得してもらえるまでにずいぶん時間がかかった(-_-;)。

大宮からおよそ2時間弱で二宮に到着。
駅で周辺の地図をゲットしたが、地図を見るまでもなく、北口に出るとすぐにこんもりとした山がある。
標高130mほどの吾妻山の、ほぼ全域が公園になっているようだ。

ただひたすら階段を上り、山頂の展望台を目指す。
平日なので、年配のオバチャンたちのグループぐらいしかいない。


途中にある浅間神社に参拝。


やがて相模湾が見えてくる。

全長102mのローラーすべり台や、子供には難易度の高そうなアスレチックコースがある。
管理人の小屋に、トイレと、ジュースの自販機が1台。
ここは基本的に、あらかじめ弁当と飲み物を持参して来る場所のようだ。

「ジャンボエイト」の上を走るルミチン。
おいらも走ってみたが、予想外にスピードが出てとてもコワイ!

吾妻山の頂上は広い芝生に覆われ、そこからさらに2mぐらいの高さで展望台が作られていた。
いや〜、これはまさに絶景!

展望台に2台ある望遠鏡は、料金無料というサービスのよさ。
菜の花は吾妻山の富士山に面した側の斜面に咲いているので、下の芝生からの方が、富士山と一緒に撮影することができる。
そして、菜の花の向こう側の木は、全てソメイヨシノだ。
お花見の季節に来たらすごいぞ!

吾妻山にはもうひとつ、吾妻神社がある。

吾妻神社 由緒記

吾妻神社は梅沢の氏神で、その創建は第13代景行天皇の朝に始まると云う。主神は弟橘媛命とし、日本武尊を配祀する。日本武尊は景行天皇の第3皇子である。天皇にそむく部族を征伐するため東北におもむく途中、三浦半島走水から海路上総に渡る際、暴風突如に起り、そこで妻の命は夫にかわり、海神の怒りを静め夫の武運を祈り海中に身を投じた。するとたちまち海は穏やかになったと云う。其の7日後に命の御櫛が海辺に流れつき、埋めて御陵を造る。この前下一帯を埋沢といい、梅沢と同音である。又命の小袖が磯辺に漂い、これを取りて山頂に祭ったと云う。その海岸を袖ヶ浦と云う。日本武尊は東北戦が終り帰路相模国から足柄を通り甲斐に出る途中、峠ではるか東方の海をながめ(あヽ吾が妻)と嘆かれたと云う。弟橘媛命の御神体は木彫の千手観音で、既に数千年星霜を経て現在藤巻寺に安置してある。
源頼朝幕府を鎌倉に創設するや、妻政子本社を崇敬すること浅からず。吾妻山全山と山麓田畑並に霜見塩田を寄附する。右大臣源實頼も祈願のため建保6年に雄剣を奉納する。

・・・というわけで、ヤマトタケル伝説のある土地には、けっこう吾妻という地名や吾妻神社があるらしい。

吾妻神社を参拝したあと、おなかがすいたので一気に山を降りる。

駅でもらった地図に「魚処にしけん」というのが書いてあったので行ってみる。
http://www.navida.ne.jp/snavi/4472_1.html

お店の外観はいまひとつパッとしないが、丸い覗き穴みたいな窓から中を見るとお客さんでいっぱい。
ギャグばかり飛ばしているご主人とおかみさんの2人できりもりしているようだ。
このご主人、4代続いた魚屋をつぶした5代目で(-_-;)、数年前からこの食堂をやっているらしい。

おまかせ4点盛り、1,260円。
本日はタイ、マグロ、カンパチ、アジ。中でもカンパチは絶品だった。


まぐろの尾肉ステーキ 900円


きんめの煮付 1,150円

どれでも400円増しでこのような定食セットになる。

どれもうまかったが、ニンニクのタレが利いたまぐろの尾肉ステーキが最高。
塩焼きにしたら普通の焼き魚だし、ムニエルでもパッとしなかったので、最終的にこのスタイルに行き着いたそうだ。若い人や、魚があまり好きではない人にも好評であるらしい。
皮もパリっとしててうまい。マグロの皮なんて初めて食べたよ〜。

海の幸を堪能したあと、しばし海岸を散策。

二宮駅から東海道線に乗り、そのまま帰ったのではもったいないので、藤沢で江ノ電に乗り換え。
Suicaが使えるので便利になったなあ〜。
あいかわらず、民家とぶつかりそうになりながら走るのでコワイ!

終点の鎌倉で降りて、小町通りをブラブラ。
どこかカフェか甘味処に入りたいのだが、最近はどこも店内禁煙の店が多く、結局「門」という喫茶店に入る。
量は少ないが、ブレンドがとてもおいしい。
ケーキもスポンジがしっかりしててレトロな味わい。
この店、なかなかよかったな〜。

東京に戻り、夜は新橋で立川志らくの独演会。
実はこれがきょうのメインイベントだったのである。
本日の演目は「堀ノ内」「小言幸兵衛」「鉄拐(てっかい)」。
「堀ノ内」は上方の「いらちの愛宕詣り」と同じ噺だが、もちろん舞台は京都から江戸になっている。
おいらは志らくを桂枝雀亡きあとの「落語界の爆笑王」と位置付けているが、「いらちの愛宕詣り」が枝雀の得意ネタだったように、「堀ノ内」も志らくにピッタリのネタである。笑いすぎて涙が出たよ〜。
「小言幸兵衛」も志らくワールド全開だが、こちらは録音して何度か繰り返し聴いてみたい感じの噺。
そして注目の「鉄拐」。
珍しい噺で、おいらも過去に、師匠の談志とじんぼさんが演ったのしか聴いたことがない(笑)。
マクラで、この噺のサゲの意味がわかる人はほとんどいないという前置きがあった(^^;)。
だいたいどんな噺でも15分で終わらせてしまう志らくにしては珍しく、30分ぐらいの長編で、中国が舞台の奇想天外な噺を、志らく流の現代的なくすぐりを交えながら熱演。
サゲはちゃんとオリジナル通りだったが、拍手のあと、高座に座ったままでサゲの解説を始めたのには驚いた(笑)。そのあと、今後の公演スケジュールを自ら告知。まあ、志らくのファンしか来ていない独演会だから、こういうのもアリなんだろうな。

ところで、最初に前座さんが「三方一両損」を演ったのだが、これが異常につまらなくて、客がクスリとも笑わない。おいらも、同じ落語なのにどうしてこんなにつまらないのかと真剣に考えてしまった(笑)。
思うに、小島よしおや柳原可奈子を目指さず、いまどき落語家を目指す若者というのは、客を笑わせることが目的ではなくて、着物を着て高座で落語を演ること自体が目的なのではないか。
世の中、つまらない落語、つまらないマンガ、つまらない音楽などが氾濫しているが、それらはたしかに「本当におもしろいもの」を際立たせる役割を果たしてはいるのだが、ウソでもプロの看板を背負っているのなら、目的と手段をはき違えてはいけないと思う。客を楽しませることを第一の目的とし、落語やマンガや音楽は、あくまでもそのための手段であるべきだ。演ってて自分が楽しいだけだったら、素人のカラオケと何ら変わらない。
稽古不足、経験不足による技術の未熟さは仕方がないが、それ以前に、「他人の幸せ」を「自分の幸せ」に思えるかどうかという資質が、芸事のみならず、あらゆるサービス業に通じるプロとしての重要な条件ではないかなあ。