1997/7/25 第2回扇辰落語会

 
 お座敷でうまいものを食って、そのあと期待の若手落語家・入船亭扇辰(いりふねていせんたつ)の古典落語を堪能しようという「扇辰の会」の第2回が、7月25日、白山の豆腐料理屋「五右ヱ門」にて開催された。
 「扇辰に挑戦!」の今回の挑戦者はおいら、としちんである。

 
今回はかなり好勝負だったとしちん(左)と扇辰。

 おいらは人前で落語を演るのは5年ぶりで、その間まったく練習もしていない。桂米朝の「田楽喰い」のテープを聴きながらワープロに打ち込み、それにオリジナルのマクラやギャグを加えて再編集したものを覚えて、ぶっつけ本番で勝負に臨んだ。正直、それでも勝てると思っていた。
 一方、扇辰は団子坂ナントカという、誰も聴いたことがないような怪談噺をぶつけてきた。夏だからという単純な理由だったに違いない。しかしなんという強運だろう、お笑いとお笑いの対決だったらまずおいらの負けはなかったはずだが、結果的に、全く笑いをとる必要のない噺を選んだ扇辰が、その技術で、11対8という僅差ながら勝負をモノにしてしまったのだ。くっそ〜〜卑怯者!
 おいらにとっての誤算は、前回の客がほとんど来てなかったということである。実はあまりの集まりの悪さに、開催そのものが危ぶまれていたほどだった。スタッフ一同の努力でなんとか客は集まったのだが、その結果、初めて扇辰の落語を聴く客がほとんどだったのである。(だいたい、1回目の客がほとんど欠席するということ自体、扇辰の芸にまだ力がないことの証明ではないか?)

 第3回は11月、早川が直々に扇辰に挑戦する。早川の本気の落語は、おいらもまだ聴いたことがない。3度目の正直、素人によって扇辰の天狗のハナをヘシ折ることができるだろうか?


戦いが終わり、負けの決まったとしちんが、投票を
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