The Aerosol Grey Machine 1969


VdGGのデビューアルバム。1997年にようやくCD化された。
曲調はイエスのデビューアルバムのような雰囲気で、プログレと言うより当時流行のサイケ・ポップ調。
ハミルのボーカルがとても初々しく、個人的には好きなアルバムである。
CDのボーナストラックに入っている68年のデビューシングル"People You Were Going To"は、7年後の1975年にハミルのソロアルバム「ネディアーズ・ビッグ・チャンス」でリメイクされているので、聴き比べてほしい。

「エアロゾルグレイマシーン」の誕生まで:

1948.11.5 ピーター・ハミル、ロンドンに生まれる。
 パブリック・スクール卒業後、マンチェスター大学に入学。科学を専攻するが2年で中退。
1967 在学中、学友同士3人によってVdGG結成。 マンチェスター周辺で何回かのギグを行う。
  ピーター・ハミル(ボーカル・アコースティックギター)
  クリス・ジャッジ・スミス(ドラムス)
  ニック・パーン(オルガン)
 バンド名はその年に死亡した静電型発電機の発明者、R.J.ヴァンダーグラフにちなんでスミスが命名。
1968 ニック・パーン脱退。ヒュー・バントン(オルガン)加入。
 マネージャーにトニー・ストラットン・スミスを迎える。彼はスポーツ・ライター時代、サッカーのペレの取材のためにブラジルに滞在中、サンバのリズムに魅せられて音楽の仕事に転職したという経歴の持ち主。67年前後にはキース・エマーソンの在籍していたナイスのマネージャーとして成功を収めていた。
 クリス・ジャッジ・スミス脱退。
 ガイ・エヴァンス(ドラムス)とキース・エリス(ベース)が加入、4人編成となる。
 ポリドールからシングル"People You Were Going To / Firebrand"を発表。
1969.6 ノッツ・カントリー・フットボール場でのコンサートに出演した際、機材や楽器を壊され、パンド活動が維持できなくなり、解散。
 マーキュリー・レコードとの契約が残っていたハミルはソロでのレコーディングを試みたが、2日分のスタジオ代しか経費を与えられなかったため、VdGGを再結成。7月31日と8月1日の2日間で、1stアルバム"The Aerosol Grey Machine"(限定盤)を制作。しかし発表当時はほとんど話題にもならず、あくまでもレコーディングのための一時的な再結成だったこともあり、再び解散。