Out of Water 1990

デジタルサウンドの手法が確立され、もはや「実験」の段階はすんでしまったと見えて、本作では80年代のハミルの特徴であったエレクトロニクス・サウンドが影をひそめている。
その結果、長年のファンが待望する「ハミル節」が堪能できる作品に仕上がったようだ。

ジャケット画を描いたのはギターのジョン・エリス。Kグループのメンバーでもあった彼はヴァイブレーターズというパンク・バンドの出身だが、88年にハミルと来日したことがよほどうれしかったのだろうと想像させられるようなジャケットである(笑)。

ラストの"A Way Out"は、出口を探し求めているという内容のせつない曲であるが、新たなる進化と成長の物語でもあり、アルバムタイトルの「アウト・オブ・ウォーター」も、ダーウィンの進化論を念頭に付けられたものであるらしい。