In a Foreign Town 1988

1988年11月、思いがけない2度目の来日公演が実現。
Kグループのギタリスト、ジョン・エリスとのコンビで、会場もよみうりホールを使用。
1回目とはうってかわってパワフルなステージを展開した。
ラストは、アカペラでマイクも使わずに「Again」を熱唱していたのが印象的。
やはりハミルはロッカーである前に「詩人」なのであろう。

この来日にあわせて、ハミルの旧譜が日本盤でどっとCD化されたのだった。
おいらもかなりの枚数はこのときに買ったものである。
73年の「カメレオン・・・」や、74年の「ザ・エンプティ・コーナー・・・」などは、発表から実に15年以上を経過して本邦初登場となった。

その直後に「新譜」として発売されたのがこの作品。
プールに何者かが映っているジャケット写真なのだが、実はハミルが娘のベアトリスを肩車している姿であるらしい。もうひとり映っているのは奥さんであろうか。

本作においては、自由主義経済の矛盾や民主主義政治の限界など、かなり社会的な問題が提起されている。
"Sci-Finance"は、あのなつかしいVdGのライブ「バイタル」の中で新曲としてプレイされていた曲で、ようやく時代がハミルの詩の内容に追いついてきたという判断からスタジオ盤に収録されたようだ。
また"Time To Burn"は、カリスマレコードの創設者で、ハミルをプロの世界に導き、86年に他界したトニー・ストラットン・スミスに捧げる歌。名曲。