To-Mera / Delusions ほか

イギリスのプログレメタルバンド、トゥーメラの2nd(2008作)。
下は、1stに収録されている曲のプロモビデオ。

ヴォーカルが女性(ハンガリーのゴシックメタルバンド出身であるらしい)のいわゆる「嬢メタル」だが、マジェンタはさしずめ「嬢イエス」、こちらは「嬢ドリームシアター」という感じだ。

ヘビメタというのはテクニックがないとできないので、一歩踏み出せばもうそこはプログレの世界だ。両者を違和感なく調和させれば後期のレッドツェッペリン、あるいはラッシュ、ドリームシアターになる。
しかし、このバンドのキーボード奏者 RICHARD HENSHALL はもっと心置きなくプログレそのものをやりたかったようで、ヘイケンというユニットを結成。


2010年のデビュー作。
試聴はこちら。
http://www.metalstorm.net/bands/band.php?band_id=5338&bandname=Haken

RICHARD HENSHALL はギターも演奏し、他にギターとキーボードのメンバーもいるので、バンド的にはツインギター・ツインキーボードの6人編成。
ヴォーカルは男性で、あと、トゥーメラのギタリストがベースで参加している。

デスっぽい要素もあり、さらにUK、クラウスシュルツ、ポーキュパインツリー、クイーンを思わせる展開も。
ただ、純粋にシンフォ系を愛するファンにはメタル臭が邪魔だと思うし、重厚なブリティッシュロックと能天気なアメリカンプログレ(カンサスやドリームシアター)が合体したような不思議なサウンドをどう評価していいのか悩む向きもあろう。

1曲の中に4~5曲分のアイデアを詰め込んだような複雑さはマニアにはウケるだろうが、次回作はもっとベタに壮大なプログレを期待したい。
IQの「EVER」、コラージュの「MOONSHINE」に続くシンフォプログレの傑作を産み出す可能性のあるバンドではあると思う。