07/06/04 豆かん

ルミチンを連れて、また浅草の鮨久いちへ行ってきた!
裏を返して馴染みになるというやつデス。
帰りに、10年ぶりぐらいに近くの「梅むら」で豆かんを食べる。
うまい〜。赤えんどう豆の茹で具合と、ほのかな塩味がたまらん!

・・・豆かんの話はこれで終わり(笑)。

鮨久いち、今回の「おまかせ」は前回のカスゴ、シャコ、カツオ、トリ貝、ハマグリのかわりに、カレイ、シマアジ、ホタテ、ミル貝、サバ。
今の時期にサバとはめずらしいが、日本海産で、脂がのりすぎてなくてサバ本来の味が楽しめる。
また、赤身が今回はヅケに。
イカ、中トロ、コハダ、ウニ、アナゴ、エビは前回と同じだが、ウニはかなり柔らかかったので軍艦巻きだった。
アナゴは小ぶりで、塩と煮ツメの2カンで出てきたのがうれしい。
あと、巻き物は鉄火巻きとかんぴょう巻き。

甘味の強い小ぶりのクルマエビをその場で茹で、熱いうちに握って食べさせる「ボイル海老」は、さすがに2回目だと1回目ほどの衝撃はないが、クセになるおいしさに変わりはない。
今回すばらしかったのは、マグロの赤身のコクとゼリーのような食感がたまらないヅケ、そしてアナゴの塩を乗せた方。炙ったアナゴの香ばしさと塩の甘味、酢飯の味が一体となって、これはまるで旨みのオーケストラや〜。
お勘定は、三陸ワカメの酢の物、三つ葉の香りがすばらしい豆腐の味噌汁が付いて5,800円(税込6,090円)ポッキリ。

ご主人の出口クン(38歳)に店を継がせるにあたっては、お母さんの方が積極的で、お父さんはどちらでもよかったらしい。
彼が15歳ぐらいのときにそのお父さんが亡くなると、お母さんはお店をいったんスナックにして生計を支える一方、自ら銀座の名店を食べ歩き、理想のイメージにもっとも近かった久兵衛を息子の修業先に決めたという。
調理の専門学校を出て19歳で久兵衛に入り、労働時間が月に400時間を超えることもあったという今では許されないであろう過酷な修業を経て、わずか5年でツケ場に立つ。
彼よりあとから入って先にやめていった職人が200人はいたというから、いかに久兵衛は入るのはやさしく、残るのは大変であるかを物語っている。

もともと40歳ぐらいまでには実家で鮨屋を再開しようと考えていたところ、その実家が漏電で火事を出したのがきっかけとなり、3階立てにして、1階の店舗で「鮨久いち」をオープンしたわけである。
周囲への延焼は免れたとは言え、火事を出したことに対する近所へのお詫びの意味を込めて、非常に安い値段で商売を始めたのが、この店の安さのそもそもの原因だったのである。