パラオの旅 三日目

 
6月24日。
私は、パラオがどこにあるのかも知らなかったし、説明会にいくまでは、グアム同様、アメリカの一部だと思っていました。
そんな知らないパラオに、よくこんなに日本人がいると、びっくりしました。
なぜなら、今朝のガイドがまた違ったから。
山下さんという、ものすごくかわいい声の女性でした。

今日の午前は、うちのツアー以外のお客さんも一緒に、市内観光です。
うちのホテルは実は、コロール島という島にあります。
パラオって一つの島かと思いきや、なんと586の島からなっているんですって。
じゃあどこで、島か岩かを見分けるかというと。木が一本でも生えていれば、島なのだそうです。

最初に行ったのは、水族館でした。
明らかにさわれるものはなさそうだし、私と母は入口で待つことにしました。
といっても、じっと待つほど元気がないわけでもないので、お土産物屋さんで魚のぬいぐるみや携帯ストラップをさわったり、飲み物を買ったりしました。

次は博物館、ここも私と母は、入口で待つことにしました。
うちのツアーにSさんっていう、4人家族がいるんだけど、そのSさんの奥さんが「お宅も博物館の説明聞かれたらよかったのに」と後で言い、なぜだかムカッとしました。うちにはうちの、事情があるのよ。私は見えないし、母はまだそんなに歩けないし。
博物館でもやはり売店に立ち寄り、絵葉書を買いました。
私が体験したことに一番近い絵、ボートに乗っている人の絵葉書を買い、まだここにあります。だれかに出したいなあとは思うのですが。

次は免税店にいくのが、元々の旅行プランですが、私のリクエストで、スーパーにもいってもらいました。
このWCTCというお店は、なんと下がスーパーで、2階が免税店なのです。
「スーパーにいきたいのはお一人だけだから」添乗員が山下さんにささやいているのが聞えちゃったけれど、どうしてどうして、いざ店へ入ると、私と母以外にも、スーパーにいく人はいました。
私は山下さんに付いてもらって、マンゴージュースや、お菓子や、今日の夕食のお弁当を買いました。
旅行説明会の時、パラオ旅行のDVDを見せられたんだけれど、その中に、スーパーで日本食のお弁当を買うシーンがあって、ああこういうことをしてみたいなあと、思っていたのよね。
やはり?案の定?ジュースはホテルで買う半値でした。いろいろ買って、7ドルか8ドルでした。

11時半に、インパックツアーの事務所で、私たち新潟交通組はバスを降り、山下さんはもう一組のお客さんと、イルカツアーにいきました。
事務所で私たちを待っていたのは、あらら、ここに居たのね、石川さんでした。
今日はカヌーだけかと思ったら、シュノーケリングもするというので、急いで事務所のトイレで水着を着て、上から服を着て、またボートに乗りました。
お弁当とサンドイッチ、大丈夫かなと思いつつ、ボートの椅子の下に入れました。
ボートをとばして、昨日の無人島へいき、ここでお昼。
他の島は、今干潮で、上がれないんだそうです。
お昼は、よーし午後から泳ぐぞと思って、いっぱい食べておいた、これが後であだになりました。
今日の夕食から後、うちのツアーはもうフリーになるので、今晩の、そして明日の予定を、うちのツアーの私以外のメンバーは、いろいろ石川さんと相談していて、私はただおもしろく聞いていました。
ロングアイランドっていう、私たちが回らなかった所へ泳ぎにいくツアーや、夜のクルージング、ペリリュー島で戦争の傷跡を見る歴史ツアー、ジャングルへいくツアーや、グラスボートなど、いろいろあるそうです。
私はクルージングの、女性だけにふるまわれるお酒、というのに興味はあったけれど、うちの母と飲んでもつまらないなあと思い、結局いきませんでした。

さて、ローズガーデンという場所で、シュノーケリングの時間です。
私も服を脱いで、ライフジャケットと足ひれとマスクをつけ、石川さんと海に入りました。
石川さんに引っぱらせちゃ悪いかなあと思って、足をバタバタさせて前に進もうと思ったら
「ここはサンゴが低い所にあるから、足バタバタしなくていいから」
と言われ、両手はビート板につかまっているので、このまま引っぱられることにしました。
これで泳いでいるっていえるのかしら?ま、気持ちよかったからいいか?
その後、私はランスさんっていう、無駄に明るい?おじさんと、石川さんが母と、カヌーに乗りました。
ちなみにうちのツアーの他のペアは、Sさんの娘さんその1と、Sさんのご主人。Sさんの娘さんその2と、Sさんのあのお節介奥さん。そしてもう一人、単品で来ている男の人が、添乗員と乗りました。
だれかが「添乗員さん泳げるのよね?」と尋いたら
「いえ、僕はかなづちです」
おやまあ。カヌーは、シッテュオンという、ひっくりかえり難い船を使っているけれども、それでも100%ひっくりかえらない保障はないから、ライフジャケットをつけていたい人はつけているように言われ、私は考えたら、泳げるんだから大丈夫なのに、ライフジャケットをつけてカヌーに乗りました。
前に運転の下手な人、後ろに上手な人が乗るそうなので、私はもちろん前に乗り、ランスさんが後ろに座ります。
パドルも一応持って、漕ぎ方も教わったんだけれど、ランスさんが「パドル、いいね」と言うので、私も「いい、いい」と言って、パドルから手を放しました。だって、あんなに長いと思っていなかったんですもの。「船徳」という落語に出てくる若旦那が、どんなに大変か分かったわ。
こうして、私たちのカヌーは出発したんだけれど。だんだん、ジャケットが苦しくなったのです!
いつも母や石川さんに着せてもらっていたから、脱ぎ方が分からない。加えて、ランスさんは日本語はある程度しゃべれるけれど、ジャケットがきついから脱がしてという複雑な?日本語までは通じません。胃が苦しくて、ジャケットが苦しくて、この旅行中唯一の、苦しい時間になりました。
後ろでランスさんは
「マイフレンドの、ミルクは(ここは私の本名)、今スリープだ」
と言っているので、慌てて「起きてるよー」と訂正しました。
パドルを漕がないので、手が暇なので、海の中につっこんで、海を味わっていました。その水の暖かいこと!波が静かな時、ちょっと波立っている時間、どちらもよかった。
やがてビーチに到着して、母からジャケットを脱がしてもらいました。
うちの母は、なんととっくに船から上がっていたんです。
私はてっきり、母もずっと洋上にいたのかと思った。
でもカヌーに長々と乗れて、満足でした。

今度はやや荒波の中を、ボートはホテルへ向かいます。
私は知らなかったけれど、うちのホテルにも桟橋があったのね。どうーりで、ホテルを出てすぐ潮のにおいがした。
母に「海はすぐ近くなの?」と尋いても、海なんかないと言うので、不思議に思っていたのでした。やっぱり海は近かったんだ。
ホテルのホワイトボードには「滝のツアーの人は何時に集合、ペリリュー島の人は何時に集合」などと書いてあったので、ああ明日はうちのツアーのみんなは、そういう所へいくのかと分かりました。
夕食は、昼間買っておいたお弁当。悪くなってなくてよかった。ただ、すごく量が多かったので、翌日のお昼もこれを食べました。
夕食後にお風呂に入ってみたら、ギャー!左手全部と、左肩が痛い!背中も、もう洗えません。昨日より火傷が広がっていました。これさへなければ、パラオはいい所なのになあ。