「ア・ベター・タイム」という曲で始まり、最後も「ア・ベター・タイム」で終わる全9曲だが、過去、記憶、思い出、忘却といったテーマの曲が多い。
全体のトーンも低く、暗い。
手放しで「傑作だ」とは呼びにくい作品かもしれないが、バイオリンとサックスという相性の悪い楽器のコンビネーションが、一種独特な雰囲気を醸し出す、まさにプログレッシブな作品である。
ハミルの90年代の作品はほとんど「FIE !」という小さなレーベルから発売されているので、この作品が売れれば日本でもポニーキャニオンから「ファイヤーシップス」や「ザ・ノイズ」が続けて出る可能性もあったのかもしれないが、出ていないということは、やはり売れなかったのだろうな。