秋田を求めて仙台へ 一日目

 
何年も前から秋田追分を習いたい、そしていつかは大会に出たいと、ずっと思っていました。
ところが、だれに頼んでいいか分かりません。
私の年齢もどんどん上がります。
民謡は二十歳頃までに始めなければうまくならないと、小野花子さんが言っていたけれど、私は二十歳なんて、**年前に超えてしまいました。それで、前にホームページの中のメールフォームから「あなたの歌を聞きました、ファンです」みたいなメールを書き、以後「地震は大丈夫ですか?」などなど、数ケ月に一度くらいメールのやりとりをしていた、そういう民謡歌手、その人にメールでお願いしてみることにしました。

「秋田追分を教えて」と書いたら、意外にも「OK」のお返事、しかし「民謡を歌ったことがないです」と書いたら、急に先生はトーンダウン。その意味が分かりませんでした。だって、落語に出てくる長唄のお師匠さんなんか「お下地がない方が、教えやすくてよろしゅおす」(ここ、色っぽく読んで)などと言うのに、民謡の下地がないとだめなのかしら?
先生はトーンダウンしたけれど、だめとは言われなかったので、先月既に、二日間稽古していただきました。
そして8月、24日と25日、また二日、稽古していただきました。
7月の旅行記は書きませんでしたが、今回はちょっと、書いてみようと思います。

8月24日、前回と同じ13時16分着のはやてで、仙台に着きました。
しかしそこに、先月のように先生はいない。寂しい!
ホテルへ一度荷物をおき、タクシーで稽古場へいきました。
私、この一月、自分でいうのもあれだけれど、一生懸命「秋田追分」を歌って、今回実は、やや自信を持って先生の前に座ったのですが、いざ歌ってみると、ほれぼれするくらい下手! 憧れの民謡歌手の前で歌うのですから、緊張もしていましたが、それをさし引いても、びっくりするほど下手でした。きっと先生は「稽古してこなかったな」と思ったことでしょう。悔しい。

稽古の後は、プールにいきました。
この夏は海へいけなかったし、母とホテルの部屋で向かいあっていても、おもしろくもなんともない。
どこへいこうか、そうだプールだ!ってんで、しらべたのです。
私の泊まるホテルから一番近いプールは、セントラルフィットネスクラブのプールでした。
ここは、新潟のプールと違って、ものすごく親切でした。
親切でしたが、ほんとうは会員制のスポーツクラブなので、体験ということで泳がせてもらった私は、また来ることができません。
一度しか入れないプール、思いきりたくさん泳いできました。
「うまくなりたいですか?」と尋かれ(どうやら、早く泳いでいい場所があるようなのです)いえ、このまま犬ロールで泳ぎますと言って「途中で立ってもいいコース」で、ずっと泳いでいました。
最後にジャグジーに入ってみたら、お湯が熱くて、最初気持ちよかったけれど、そのうちのぼせてきたので、じきに上がりました。
来月は、市営プールへいってみようかな?

思いきりたくさん泳いだつもりだったけれど、上がったらまだ4時15分でした。
夕食にはちと早い。しかし、ホテルに帰ってまた出てくるのは面倒だ。
私の泊まるホテル、東横イン仙台中央に電話して「そちらの近くに、夕食を食べる所はありますか? ラーメンでもなんでもいいんですけど」と尋いたら、ちょっとないですうという答えだったので、フィットネスクラブの隣りにあった、国際ホテルに入ってみました。
まだ夕食は食べられないかと思ったら、食べていいメニューもあったので、スパゲティー・アマトリチャーナを注文してみました。
プールにもう来れないんだから、ここに来るのも最後かもしれない。よく味わって食べました(といっても、普通のミートソースみたいな味でした)。
「仙台っぽいものはなにかありますか?」と尋いても、国際ホテルにそれは無理よね、と思ったら「ガンバロール」というロールケーキがあるではないですか。これはぜひ、食べてみないといけません。
お腹はいっぱいだったけれど、ロールケーキとアイスコーヒーのセットを注文しました。
結婚式のひきでものに出てくるお菓子、その上に乗っている飴状のもの、それがロールケーキの中に入っていました。
私はこの飴状のものは、あまり好きでないので、半分母にあげました。 
美味しかったというより、おもしろい味でした。
こうして、8月24日が過ぎていったのでした。

なお、いろいろ考えた末、私がだれから民謡を習っているかは、書かないことにしました。
私の想像もつかない所で、ご迷惑がかかったらいやだし、お名前を書かない方が、私も旅行記を書きやすい、かもしれないから。