大阪にいて参じました、9月10日編

 
「宗助さんの会が9月10日にある」そう教えてくれたのは、ちはなさんでした。
ちはなさんは、このミルク亭を検索でみつけて私にメールをくれた人。
このミルク亭がなかったら、絶対知り合えなかった人でした。
と、ちょっと大家さんにお礼を言ってみる(ニコ)

それで、9月4日は私の誕生日なので、10日なら、飛行機のバースデー割引が使えないかなと思って尋いてみたら、障害者手帳を使うより、バースデー割引の方が安いんですね。
私はJALのカードも持っていて、ポイントも欲しかったし、宗助さんの演目も、私の好きな噺が二つあったので、いくことにしました。

10日の日は、なんのアクシデントもなければ10時15分の飛行機で間に合うんだけれど、なにかあると途端に間に合わなくなるので、一本早い、8時20分の飛行機で伊丹にいきました。
伊丹空港から上本町行きのバスに乗り、上本町でちはなさんと待ち合わせ、電車に一駅乗って(なに線かもう忘れた、連れていってもらうとこんなもんですね)日本橋へ着きます。
そこからちょっと歩いて、国立文楽劇場へ着きました。
ここでもう一人の待ち合わせのお相手、やどかりさんと初対面しました。
昨年、小春団治さんに会いに大阪へきたおりも、誘おうかどうしようかと思ったんですが、掲示板でちょっと知り合っただけの人を誘っていいものかどうか迷い、結局声をかけませんでした。
今年は思いきってメールしたら、心よく誘いに応じていただけました。

「ここは高いよ。どこか違う所へお昼を食べにいく?」とやどかりさんに言われたけれど、せっかくたどり着いた文楽劇場からもう動きたくなかったので、1階のレストランに入りました。
レストランとは書いたけれど、なんだか和食とお茶のお店。
私は、大阪のうなぎを食べてみたかったんでうなじゅう、母は「これが一番安そうで、そして食事になりそうだから」とざるそば(笑)そして、ちはなさんとやどかりさんは、ケーキセットを食べていました。
大阪の鰻は腹開き、江戸の鰻は背開きと聞いていたんで、なにかこう、味が違うのかと思ったら、よく分かりませんでした。ただ、たれが少ーし濃かったかな? でも、お重の中ですましている鰻は、よくスーパーで買ってくる鰻より、はるっかに美味しかったのは事実です。
うちの母も、ざるそばに付いてきたわさびが本わさびで、すごく美味しかったと言っていました。

4人で、落語家さんのだれが好きとか、私は、宗助さんと扇遊さん以外にだれが好きとか、一度もお会いしたことはないけれど、笑福亭三喬さんもたぶん私の好みだと思うわ、生喬さんになるとちょっとついていけないわ、などなど。
とにかく落語を聞いている量は、やどかりさんが一番多いはずだし、ちはなさんだって、私よりはずっと上方落語に詳しいし。あと私は、ちはなさんよりは江戸落語をたくさん聞いているし。いろんな話をしました。

そうこうするうちに、11時半頃、やどかりさんが「知っている人がもう並んでいる」と言うんです。そう、1時半からの会なのに、もう並んでいる人がいるの。それで、やどかりさんがその人に頼んで「ここへ3人きますから」と、場所をとっておいてもらい、私たちは食事を続けていました。
うなじゅうを食べ終わって、まだ少し時間があったので、アイスティーをとって、更にしゃべる私(笑)

12時半になり、さすがにちょっと気になったので、お金を払い、列に並んで、また話し続けました。
1時になり、開場になって、やどかりさんは帰っていきました。
やどかりさんは、ここの近くで行なわれる、笑福亭生喬さんの会にいくの。

ところでこの、列に並んだまましゃべっている時に、おもしろいことがありました。
目の前に並んでいる男の人が「宗助の母でございます」(ございますをピンと上げて発音してね)と、宗助さんのお母さんの口真似をしているんです。男だから声は違うけれども、アクセントがお母さんそっくりで、笑いこけてしまった。

会場へ入ると、宗助さんのお母さんに、そっくりそのままの挨拶をされ「宗助が待っておりますよ」とおせじを言われて、それならと、楽屋へいきました。
新潟空港で買った、アルビレックス新潟のかちのたねを、宗助さんに渡しました。
宗助さんがサッカーを好きだ、という話は一度も聞いたことはないけれど、今はどんなものも、大阪になくて新潟にある、なんていうものはないと思う。この、アルビレックス新潟のグッズくらいは、大阪にない...といいなあ。
それから、8日の日に買ったばかりの新しい携帯で、宗助さんの写真を撮らせてもらいました。
私は全盲だから、うまくひしゃたいに合わせることができないんで、宗助さんにカメラの使い方を教えて、宗助さん自身に撮ってもらいました。手間のかかる客(笑)
そして、宗助さんが撮った宗助さんの写真を、今、携帯の待ち受けにしています。
前の日にたっくん(うちにある、男の子のお人形です)を撮って待ち受けにしたんだけど、一晩で首になってしまったたっくん。
最後に、宗助さんからちょっとお菓子をもらって、煙草のにおいプンプンの楽屋から出てきました。

1時半から、桂さん吉さん「宿屋まち」
声の通りがとってもいいな、というのが第一印象でした。

宗助さん「悔み」
爆笑でした。

桂歌々志(かかし)さん「看板のピン」 
この人に昔、電話をかけたことがある。といっても、お名前の読みが分からなかったんで、ただ、お江戸日本橋亭の宗助さんも出る会のチケットの係りがこの歌々志さんだと聞いて電話しただけなので、もう番号も、そしてなにを言われたかも忘れている。歌々志さんにおかれましては、私が電話したことも忘れているでしょう。ただ一言、憶えているのは「新潟から来るんですか?」と、けげんそうに言われたこと。

宗助さん「船弁慶」
米朝一門の今年の夏は大変だった、という話。ちょっと前に、こごろうさんの番組で聞いたとほぼ同じ話でしたが、でも笑える枕でした。船弁慶は、やっぱりおまつさんがまくしたてるところ、早口なのにとっても発音が奇麗でした。

中入りの後、宗助さん「一文笛」 
この噺だけが、どうーしても好きになれない。どんな人も「一文笛はいい噺だ」と言うんだけれど、私はどうもあの、指をスポンと切り落とすところが大きらいで。今日は「悔み」と「船弁慶」を聞きにきたので、終わるのを待つことにしました。

もっと遅く終わることを覚悟していたんですが、3時45分に終わったので、宗助さんにちょっと挨拶し、すぐにちはなさんと3人で、会場を出ました。
難波で電車を乗り替えて、梅田へいき、ここでちはなさんとお別れ。
関西の地理はほんとに分からないので、ちはなさんがいてくれて、ほんとに助かりました。
連れていってもらえるという安心感で、なに線に乗ったかまたまた憶えていないのよね(汗)
梅田から新快速に乗り、三宮で乗り替え、元町へいきました。
宗助さんのついでで悪いけれど、今日は10日だし、元町寄席へいこうと思って。

昨年も泊まったホテルへいき、荷物をおいて、すぐ部屋を出ました。
お腹が空いてきたという母をせかして、とにかく昨年も立ち寄ったデーリーにいき、おにぎりと飲み物を買ってから、風月堂へいきました。
着いたのは5時半、しかしもう、会場の外もずうっと人が並んでいます。
地下2階が会場なんだけど、つまり、その、階段もずうっと並んでいたってわけ。
私のもうちょっと後ろで「ここまで人が並んだら、今日はしめきって」と係りの人が言っていましたから、あともうちょっと遅く来たら入れなかったのよーと、母に言ってみました。

6時開場だけれど、少しずつ前へ進んで、5時50分頃会場に入れました。
そうしたらなんと、昼間「宗助の母でございまさす」をやっていた、あの男の人が、連れの男の人と二人で、はるか前の方にもう座っているではありませんか。
向こうも「おー」と言い、私と母も「あー」と言いました。お互い、名前は知らないから。

6時半から笑福亭たまさん「ホスピタル」
患者「私、家に帰れるでしょうかねえ?」
医者「帰れますよ、どっちゃにしても」
というのがおかしかった。

林家そめすけさん「ろくろっ首」 
今回お会いした中で、唯一この人は、お名前もなんにも知らなかった人でした。声の感じは、昇太さんが関西弁でしゃべった感じだ。ちょっと、声がかん高いから。新快速に乗ってきたという話をしていて、ああ私もそれで来たわと共感できました。

桂春雨さん「悋気の独楽」 
桂福車さんと二人でやっていた番組が終わってしまって、なんか、すごーく久しぶりにお声を聞いたら、前もそうだったかどうなのか、お身体の調子が悪そう。母いわく、さかいくにおとおるの、あの身体の弱い人みたい、だそうな。でもお上さんが怒るところは、大迫力でした。定吉くんがお手かけさんから独楽をもらう、江戸落語では当然あるシーンがないんだけど、上方落語はこれでいいんですか? ちょっと、あれっと思ったもので。

桂千朝さん「一文笛」 
もうやだー。といっても、千朝さんが昼間の私の行動を知るはずがありませんよね。ということで、私は現実逃避と、前夜の寝不足で、寝てしまいました。残念なことに、後ろの方にしか座れなかったので、千朝さんには気づかれなかったと思います。寝てしまったので、あの、大きらいな指を切るシーンも気づきませんで、気がついたら終わったところでした。よかった。

中入りの時にトイレにいって、確かおにぎりの残りと飲み物を椅子においといたなと思って、そういう椅子に座ったら、なんと、見覚えのないペットボトル。私の紅茶は四角い瓶、その知らないボトルは、6角形だか8角形だったんです。ああ席を間違えたと言って、私の席へ移りました。汗。飲まなくてよかった。

桂あやめさん「堺に一つだけの花」 
名前は当然知っていたし、前にも何度も、テレビやラジオやMDであやめさんの落語を聞いたけれど、生は初めてでした。百合、バラ、胡蝶蘭など、落語の登場人物、というか登場花をみんな造花で用意しておいて、後で奇麗にティッシュで包んでかたづけていました。また次に同じ落語を演らはる時に使うんだな。

そしてとりは笑福亭福笑さん「入院」 
たまさんとねたがかぶる、とはいわないんだろうか? 新作はいいのかな? 動作が多いのと、一部なにを言っているかよく聞えなかったので、あまりおかしくありませんでした。どっちかといえば、たまさんの方がおもしろかった。でも少ーし、私にはくどいような気もする新作でした。
この「入院」っていう演目は、週刊落マガというメルマガで知りました。あらすじを書いて、みなさんに題をお尋ねしようかと思っていました。

9時15分に終わって、よしさんにお会いできるかなあと思ったけれど、どこにいらっしゃるか分かりませんでした。だから、ここに書いておきます。
よしさん、今年もチケット予約を受けつけて下さって、ありがとうございます。楽しめましたよー。

昨年この元町寄席へきた時は、もっと遅く終わった。
今年は幾らか早く終わったせいか、それとも日曜日の夜だったせいか、昨年は満員で入れなかった「てんかいっぴん」に入れました。
ここは、名前だけ知っていたけれど、一度も入ったことがなかったラーメン屋さん。
ラーメンコッテリの小を頼んだけれど、少し食べ足りなかったんで、後からごはんをもらったら、今度は食べきれなくて、しかたなく残してしまいました。
今度から、始めにラーメンを多くしておいて、ごはんが欲しくなっても、母と半分こしよう。
母も、ごはんが食べきれなかったと言っていました。
ラーメンを食べたらコーヒーが飲みたくなっちゃって、ホテルに帰って缶コーヒーを買い、お風呂の後、それを飲みながら寝ました。
私、あまりきつくないコーヒーを飲むと、気持ちよく眠れるんです。続く。