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おいでよムールマンスク その4


14日の朝は6時10分に出発。
昨日と同じ運転手さん、ミーシャさんが来ました。
12,13日はそうでもなかったのに、14日の朝はものすごく寒く、気温はたぶん10度。
いつも朝はこんなに寒いの? と聞くと、いや今日は特別だよとのこと。
ミーシャさんは「ムールマンスクは今日は魚釣りの祭日で、今日もこれが終わったらいくんだ」と言っていました。そうか、だから早目に迎えに来てくれたのね。
他には「東京に住んでいるの?」「東京から300キロ、何に乗って帰るの?」「300キロくらいで遠いと思うの?」などと、なかなかフレンドリーな 運転手さんでした。

空港に着くと、おもしろい表示を発見。
「ところで土産は買ったかい?」という意味のロシア語です。
飛ぶ予定の飛行機が一機だけ止まっていて、どれに乗るか全く迷わないような小さな空港で、この表示はちょっとおもしろかったです。

10時過ぎにモスクワ着。
今度は日本語ガイドが いる。
やっと母以外の人と 日本語でしゃべれるとワクワクしていたのですが。
付いたガイドはかなりたどたどしい日本語で少々がっかり。
これからいくお家に、花を買って持っていきたいんだけど、どっか適当な所で車を止めて、という言葉は、とうとう通じませんでした。
ロシアの人はよく、他人の家にいく時、ちょっとしたお花を持っていくのをみていたから、お花にしようと思っていたんだけど、まあいいや、日本から持ってきたお菓子をあげちゃおう。
私のいきたい所、ナージャさんのお家の住所は、私が点字でメモを持っているだけなので、一生懸命何度もガイドに言って、ようやく懐かしい、ナージャさんの家に着きました。
ところが玄関の開け方を忘れちゃった。
モスクワのマンション、クバルチーラというんだけど、鍵のナンバーというのがあって、それを憶えていないと入口のドアが開かないのです。
ガイドに頼んで携帯からナージャさんに電話してもらい、鍵を開けてもらいました。
鍵のナンバーを忘れちゃったわと母が言ったら「憶えていても開かなかったと思うわ、あれから変わったから」とのこと。
彼女はロシア語は分かるから、1時間後に来てちょうだいと、ナージャさんはさっさとガイドを追っぱらい、部屋へ通されました。そんなことを言われても私はまだまだロシア語は上手になっていないのに、あれ? どうしてだろう。ナージャさんの言っている言葉は分からないのに、大まかな意味は 聞きとれるのが不思議でした。
2週間一緒に住んでいたのは6年前で、あれから一度も連絡をとっていないのに不思議でした。
あの人はどうしてる? この人は? と、ナージャさんの兄弟や甥っ子やお母さんの名前を出し、みんな元気と聞いて安心。
そしてワインやお茶を飲み、出されるままにサラダもパンも食べました。
でもとにかくお家が暑かった。
私が居た頃は6月で、こんなに暑いことは一度もなかったので、ちょっと驚いて、時間は早かったけど外へ出て写真を撮ることにしました。
そうしたらガイドも外にいらしたので、次に会いたい人、日向寺さんに電話してくれるよう頼みました。
ひゅうがじ、それは何人ですかと言われておもしろかった。
日向寺さんに電話して、次にいく所が分かったので、ナージャさんとさよならして出発することになりました。
ロシア人の挨拶がそうなのか、右頬と左の頬、そしてもう一度右の頬にキスされて、ナージャさんは好きだけれどもこれは大変こまりました(^_^;)。
車でナージャさんの家を出発してから、ガイドのビターリさんが言った。
「あのおばあさんはだれですか?」
これを聞いて、二つのことにびっくりしました。
一つは、私はナージャさんをおばあさんと思ったことがなかったのでびっくり。
もう一つは、ナージャさんは私が6年前にホームステイしていた家の人だって、さっきあんなに説明したのに、全然通じていなかったんだなということに びっくりしました。
日向寺さんがだれかを説明するのももう止めよう。とも思ったけど、読んで下さってる方の中には知らない人もいるかもしれないので、ちょっと書きます。ロシアの声っていうラジオ局の日本語のアナウンサーさんです。
日向寺さんにお会いするのは、6年前のリスナーの集い以来。
私はモスクワに来る度に会いたいと思っていたのに会えなかったので、今回ははっきり文字にしてみることにして、やっとお会いできたのでした。思っているだけではやっぱり伝わらないんだなあ(^_^;)。

私たちの車に日向寺さんも乗って、ママゾーヤというグルジア料理のレストランにいきました。
グルジアは私のいってみたい国の一つ。それを日向寺さんにメールしたところ、ここを選んで下さったようでした。
私がメールしても、10通に1通くらいしかお返事をくださらない日向寺さんだけど、ちゃんと読んで下さってるんだなあと 思いました。
初めて食べるグルジア料理、大いにときめいたんだけど、正直な感想は、ロシア料理の方が美味しいな、ということでした。ペリメニのグルジア版も食べたけど、どうも辛味があったし、スープもちょっと刺撃的な味でした。
ただ、茄子につめものをしてあるやつは、めちゃくちゃ美味しかったです。
お船の上のレストランは、涼しくて気持ちよく過ごせました。

そのレストランを3時ちょっと前に出て、ラジオ局にいきました。
ムールマンスクの話やロシア語のこと、いろんなことをインタビューされながら番組を録音し、曲がかかっている時は雑談をして、 緊張しながらも楽しい時間でした。
そしてあっという間に空港にいく時間に なり、日向寺さんとさよならをして (握手だけだったな、当たり前か)飛行機で成田へ帰ってきました。

帰りの飛行機にもロシア人の子どもさんがいたんだけど、とっても静かで、というかほとんど寝ていて、日本人の子どもとの違いを感じました。

「ロシアはいやだ、アメリカみたいな明るい国がいい」そう母が言うので、今回は反抗(?)して、 夏は一晩中お陽様が沈まない、ムールマンスクへいってきました。
またいくかどうかは分からないけど、食べ物の美味しい、観光地ずれしていない、ほんとにいい所です。
外国人は確かに私たちだけのようで、あとはみんなロシア人っていうのも気にいりました。
モスクワはそれに比べて格段に都会。
治安もきっと、ムールマンスクより悪いのでしょう。
でも私はやっぱり、モスクワの方にはまたいくだろうなと思いました。
それから、日本語ガイドが下手だってなげいていたけれど、このビターリさん、私が話す下手なロシア語を全然いやがらなかったのが、うれしかったです。
上手なガイドさんは、私がロシア語をしゃべると何かいやがって、日本語にしてくれと言うのです。
発音が下手なのは分かるけれども、あれは悲しい。
ムールマンスクの英語ガイドさんは、私のロシア語はアクセントがないからだめだと言われました。
だってー、モスクワの方とアクセントが違うんだもの。
ともあれ、私のロシア語がまだまだ下手だってことは確実で、まだがんばらなきゃいけないなと思いました。

今回の文はロシアに興味のない人にも強制的に送っちゃったんだけれど、 読んでくれたみなさんが、ちょっとはロシアに興味を持ってくれたら、うれしいなと思います。
私だって実はロシアを全部好きというわけではないので、ちょっとだけ興味を持ってくれたら、うれしいと思います。
ミルク。

 

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