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大阪の旅 その1

 
2月10日、11日と大阪へ「ねたの虫干し」という落語会にいってきました。
これは、噺家さんがこの一年やっていなかったねたをかける、という会で、うまくいかないかもしれないけど、その代わり安いよ、というとってもお得な会。
今回もアクシデント盛りだくさん(?)の旅になりました。

まず最初、飛行機が着いてから落語会までちょっと時間があったので、淀屋橋のホテルへ荷物を置きにいったんですけど、ホテルの人の言うとおり、モノレールとみどうすじ線を乗りついだら、これがまた時間がかかる。バスで梅田へ出た方が早かったと、後で知りました。
でもなんでホテルの人は、モノレールがいいって言ったのかなあ?
そしてホテルに荷物を預け、チェックインはまだできないから荷物の預かり札だけもらって淀屋橋駅へ戻ったら。母が突然戻ろうと言う。家から持ってきたお弁当をホテルに忘れてきたのです。
戻っていたらもう、12時の落語会に間に合わない、お昼はあきらめるからと、とにかく岡町へいきました。

12時ちょっと前に会場に着いたんだけど、かろうじて一番前の右端が空いてました。
よかった。と思ったら、やっぱりこの人にここで会うのね、落語のMLの千葉さんに会いました(^_^)。

12時から桂紅雀くん「さぎとり」

笑福亭生喬さん「借金取り撃退方」
という題名だけど、これはかけとりとどこが 違うんでしょう? 古典落語のかけとり そのまんまで、題名だけかえてはるみたいです。

宗助さん「牛の丸薬」
私の家の近所でこんな事がありました。
男の人がなにかしているので、なんですかと聞いたのだけど、はっきりしたお返事がないままその人は立ち去っていった。
で、1週間くらいして、白ありの駆除をしませんかと、セールスがきたんですって。お宅に白ありが います、ほらこれですって見せられて。
で、私の家の近所のそのおばさん、「あなたこの前うちの近くでなにかやっていた人ね。あの時に白ありをおいてったんじゃないの?」
その人は何も言わずに、逃げていったそうです。
牛の丸薬を聞いて、その話を思い出していました。

終わった後、急いで前へ出ていって宗助さんにお酒を渡しました。
だから次の小米さん「最近は落語をすると何かもらえるんですな。わしん時なかったら怒るで」
ところが途中で、小米さんが喉がかわいた、水を下さいと言ってもだれも持っていかなくて、自分でとりにいっていました(汗)

小米さんは「親子茶屋」これまた私の好きな 噺です。

中入りの後、桂九雀さん「高尾」
九雀版というだけあって、最後を変えて ありました。すごくおもしろかった。

きょくどう南湖さん「那須与一」
なんこさんと聞いて、女の人を思っていたら男の人で、ちょっとびっくり。
けど講談は私には分かりません。少し暇でした。
途中に入ったギャグも、意味が分からなかったし。
何を言ったかも忘れちゃったので、後で人に聞きようもないし。

桂米平さん「持参金」
亡くなった枝雀さんは、この噺に出てくるおなべさんがかわいそうだと言って、 後半はこの噺を演らなくなったそうですね。

そして雀松さん「景清」
化粧すると奥さんより奇麗、とテレビで言われていた雀松さん、お顔は分かんないけど声はいつもどおりの、やわらかな奇麗な声。私の好きな噺家さんの 一人です。

終わって出口の所で、漢点字MLの小林さんご夫婦に声をかけました。
食事に誘おうかと思ったけれど、すぐ帰られるそうなので やめてしまった。
千葉さんも、夜はもとまち寄席へいくそうで、さよならしました。
知っている人がいなくなると、やっぱり気になるのは 宗助さんのこと。
楽屋とおぼしき所へいって、呼んでもらいました。
あのお酒の説明と、あとちょっと雑談をして、宗助さんは夜の部は出ないので、これまた帰っていかれました。
3時半も過ぎ、遅れたお昼を食べに、昨年もいった店にいきました。
ここは落語の会場からとっても近いのだ。
昨年はピラフが美味しかったわねと、ピラフを頼んだら、値段が550円に下がった分、味もがた落ち(^_^;)。
母の頼んだスパゲティーを一口もらったら、うちでよく食べる罐詰めのミートソースの味でした。ガク。
それでも、とにかくさっさと食べて、会場へ戻りたかったので、スピーディーに食事が出てきてありがたかったです。

5時から夜の部、笑福亭たまくん「狸の賽」
「なんやおまえ昼間の狸やないかいな」
と落語を始めてから
「あ、しまった、ちょぼいちの説明すんの 忘れた」と枕に戻って、爆笑しました。

桂雀喜さん「貧乏花見」
江戸落語でいう「長屋の花見」です。
次の小五郎さんの噺もそうなんだけど、江戸落語では耳にたこができるほど聞かされる噺。
どうしてこれを一年間やらなかったのかなあ?

桂小五郎さん「延陽伯」
江戸落語でいう「たらちね」です。
少ーし違うけどよく似ている。

桂米左(よねざ)さん「東の旅、発端」と「軽業」
「軽業」は違うけど、東の旅の発端は、上方落語で最初に習うお噺なのだとか。
でも私は初めて聞きました。
三林京子さんがさわりをやっているのを、聞いたことがあっただけで、あとはほんとに知らなかったので、とてもうれしかった。
米左さんは昨年は「質屋芝居」という、私には分かんない噺だったので(^_^;)、今年の方が私にはうれしかったです。

中入り

林家花丸さん「茗荷宿」
上方落語の方の林家一門の人に、初めて会いました。
小さい頃読んでもらった昔話に、こんなようなのが あったような気がする。

九雀さん「さんま芝居」
これまたものすごく おもしろかった。
会場が暑い+お弁当もお茶もホテルに 忘れてきたので、唯一私のバッグにあった罐コーヒーと、ペットボトルの紅茶を、母と分け合って飲みました。
飲食禁止のところ、九雀さんごめんなさい。

雀三郎さん「元祖、神だのみ」
私がラジオで聞いた神だのみは、受験生が神様にお願いするっていう噺でしたが、こっちが元々なのでしょう、私が知っているのと全然違っていてよかった。

そしてとりは出丸さん「ふたなり」
あまり聞いていて、気持ちのよい噺ではないんです。
やっぱり人が死ぬ噺はどうも。
でも生で初めて聞けて、よかったです。
出丸さんが使っていた「べった」という言葉が分からなくて、終演後に聞いたら、教えてくれました。
新潟ではなんていうんですか? と聞いて下さって、 新潟弁ではゲッポですよと教えて(汗)きました。

九雀さんにもほんとうは挨拶したかった、いつも落語会のお知らせメールをありがとう、くらい言いたかったのに、今年も勇気が足りませんでした。来年こそはっ。

落語の会場で、すごく常連とおぼしきおにいさんが、他の人に「明日はどこへいきます? 明日(11日)は京都のたまさんの会くらいしかないねえ。京都というといく気しないねえ。奈良とか滋賀っていうと、すごく遠い気がしますねえ」と言っていました。この人はきっと、新潟なんて地球のはてと思っているんじゃないかしら。
京都に知ってる人がいるので、彼女のことを思い出しつつホテルに帰ってきました。
続く。

 

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