Present 2005


VdGG名義の新作としては「Vital」以来27年ぶり。
CD2枚組で、1枚はスタジオ録音、もう1枚はインプロビゼーション集。
人間、いつ死ぬかわからないことを身をもって体験したハミルが、誰もがほとんどあきらめていたVdGGの再結成に踏み切ったわけであるが、正直、この作品からはハミルがVdGGを再結成して何をやりたかったのかがあまり伝わってこない。

現時点で、手がかりとなる唯一のDVD(海賊盤)がある。
「VAN DER GRAAF GENERATOR/LIVE AT LONDON 2005」という、2005年7月8日、ロンドンのシェパーズ・ブッシュ・エンパイア公演を128分にわたって収録したもの。

客席からデジタルビデオカメラを回したとおぼしきもので、1回、曲の途中でテープが切れるところがリアルだ(笑)。
画質、音質はなかなかのものだが、撮影者があまりVdGGの曲を理解していないようで、「ここは誰が考えたってジャクソンだろ!」というシーンなのにハミルを撮り続けていたりするなど、カメラワークが非常にもどかしいのが難点だが、再結成VdGGの貴重なライブ映像であることに変わりはない。

オープニングの「Darkness」から、いきなりハミルのヴォーカルがブチ切れている。こんな調子であと2時間もつのかと思わず心配になってしまうほど。
たたみかけるように「Undercover Man」「Scorched Earth」。こりゃあすごい!
中盤の「La Rossa」と「Childlike Faith in Childhood's End」が最高の聴きどころと言えようか。
その直後の「Killer」はハミルがノリノリで、オーディエンスも大合唱!
ハミルのソロの日本公演でも聴くことができた「Refugees」以外、たしかにVdGGでしかできない曲ばかりである。

ボチボチ60の声も聞こえようかというイギリスのヘンなオジサンたちの超過激ライブ、まさに「21世紀のVital」。
やはりハミルは、体が動くうちにVdGGの「ライブ」をやりたかったのである。
動くVdGGの映像に触れる機会があまりにも少ないから、こんな当然のこともわからなかったのだなあ。

このDVD、こちらで取扱中。「Present」からも2曲演奏している。VdGGファンは必見!