The Silent Corner and the Empty Stage 1974

1974年1月、ソロ3作目。この作品も88年まで日本未発売のままだった。
アルバムのデータや歌詞にハミル直筆の原稿が使用されていることはよくあるのだが、非常にクセのある字で、とくに歌詞カードがハミル直筆だと、はっきり言って、読めない(-_-;)。
本作でもハミルは、その独特の字で、参加ミュージシャンの中に自分の名前を"EGO"と書いている。
ハミルにとって自我とは永遠のテーマであり、多重人格や無意識など、自我に関する思索は彼の創作の大きな源泉になっているようだ。「孤高のアーティスト」と呼ばれる由縁である。
この作品は、かなり重い。歌詞の量も膨大である。

「フールズメイト」や「ラブソングス」の印象が強い人は、「VdGGはプログレだがハミルのソロはプログレではない」と思っているかもしれないが、この3rdと、次の「イン・カメラ」は超プログレである。時代もプログレ全盛だったが、他のバンドのいかなる作品よりも前衛的で、ヘビーで、難解である。
ソロの中ではこの作品あたりからエレクトリックギターを使用している。(なんとメロトロンも弾いているらしい。)

"The Lie"は、やはり2007年の単独ライブで演奏された曲。
グランドピアノの爆音が、まだ耳に残ってマス!