ピーターハミル公演(新宿ピットイン)

7月11日(日)

地元で投票をすませ、ピーターハミル公演を見に新宿へ。
19時の開場まで、2月に別府ML東京会議で使った「うおや一丁 新宿三光町店」で腹ごしらえ。


目鯛の刺身。
最近パックのものを食べたばかりで、それもけっこう質は高かっただけに、やっぱり刺身は「切りたて」がうまいことを再認識させられた。


ザンギ(若鶏の唐揚げ)


かに味噌甲羅焼き
ほぐしたカニの身とカニミソとネギを混ぜながら焼く。

濃厚で、うまい!


金目鯛の兜焼き

あ〜、シメの「十割そば」の写真を撮り忘れた!
時間的にちょっと慌ててたからな〜。
ソバを食べたら、もう満腹!
なにしろ、ホントに十割なのかと思えるほどボソボソ感がなく、むしろ盛岡冷麺みたいにゴムのような強いコシ。
量もけっこう多く、飲んだあとのシメなら「半盛り」で十分だった。

生ビール(中)3杯とカルピスウォーター飲んで、お勘定は6,070円なり。
ヘタな海の近くの旅館の料理より、ずっといいかも?

さて、ピーターハミル公演4日目(最終日)のセットリストは以下の通り。
(CD2枚に焼いて、今も聴いてマス。)

前から3列目に陣取ったが、ピアノのときもギターのときも、それぞれ前の人の頭がジャマでよく見えなかった(-_-;)。
となりのルミチンはどちらもうまく隙間から見える位置だったようだが。

おいらがハミルを最初に見たのは初来日の1986年。
当時37歳、おそらく生涯でもっとも男前だった時期のハミルがビジュアル的にあまりにも衝撃的だったため、その後どんどんジイサンになっていくハミルには正直「まだ元気そうだなあ」ぐらいの感慨しかない。
歌と演奏のパワーは全く衰えていないのだが、逆に言えば、すでに20代で芸風が確立され、あとはずっと同じことをやり続けているわけだ。もちろんそれはそれですごいことだが。

それでも、初来日を別格とすれば、ベストパフォーマンスは2001年と2002年のお台場でのライブ(いずれもスチュアート・ゴードンとのデュオ)だったと思う。
特に2002年は2回見に行って、どちらも最前列だったので、あれを見たのだからいつ死んでも悔いはないと思える重要体験のひとつになっている。

今回、どの曲も原曲とはアレンジが大きく異なっていて、ノリにくいことはなはだしい(笑)。
ハミルのソロのステージを微動だにせず見守るタイプが圧倒的に多いのは、間違いなく世界でも日本の客だけだろう。きっとハミルもそれが気持ちよくて毎年のように来日して、安心して「ノレない」曲を演奏できるのに違いない。
しかし、おいらはハミルも聴くがRUSHも大好きだし、ハミルの「ハードロッカー」の部分を高く評価しているので、そういう意味では2008年のVDGGの方がノリノリで聴くことができた。感覚が日本人よりは外人に近いのかな〜。
「The Comet・・・」のアレンジもいつもと違うな〜と思ったのだが、あとでCDを聴いてみると、この曲に関しては実は原曲に近かった。いつのまにかゴードンとの共演用のアレンジの方がおいらの中では支配的になっていたようで、これはおもしろい発見だった。

しかし、聴衆を置き去りにしかねないアドリブ性あふれるパフォーマンスには、まぎれもない70年代プログレシーン伝説のミュージシャンの姿を見た。
そう言えば、客層はおいら同様50歳以上が大半だったが、意外と30代ぐらいの若い客も多かった。
90年代以降、第二世代の新たなプログレシーンが形成されているが、世代が変わった新しいファンの間では、ピンクフロイドやクリムゾンと同様、ハミルも「古典」として聴かれる機会が増えたのかもしれない。

「Thin Air」からの2曲がほとんど初めて聴くような印象だったのは、いかに同アルバムを聴きこんでいないかの証明であるが、ハミルには生で聴いて初めてよさがわかる曲が多いのも事実だ。それだけレコーディングとライブパフォーマンスでは魂の込め方が違うのである。

アンコールの「Refugees」のあと、2度目のアンコールを求める拍手が10分以上鳴り止まなかった。
もう客席の照明も点いてるし、絶対にやらないとわかっているのだが、誰も席を立たないから帰るに帰れない(-_-;)。
ついにハミルが扉を開け、もうやらないよサンキューという意味の英語を叫び、ようやく拍手とともに終了。
ちなみに、客席に、水色のシャツを着た、ハミルによく似た感じの白髪のやせた外人客がいたのだが、最後に現れたハミルがステージ衣装の白いシャツから水色のシャツに着替えていたので、ますます両者の見分けがつきにくくなっていたのが笑えた。

ハミルが最高のライブミュージシャンであることは疑う余地もなく、すばらしいショーだったことは間違いないのだが、もう何度も見ているので、そう毎回心から「最高」と思えなくなっていることは事実だ。このへんは、最高のマグロを味わってしまったらそう何度も同じ感動は味わえなくなる寂しさに通じるものがある。
それでも今回、新鮮だったのは「If I Could」と、静かに終わるバージョンの「Stranger Still」の2曲。ホントはうるさく終わるバージョンの方が好きなのだが(笑)、常に変化を求め、最高におもしろかったギャグでも次には平気で捨て去ってしまう桂枝雀の落語を思い起こさせる。
枝雀もハミルも、共に超感覚的世界の住人であることに違いはないが、ハミルは「自殺」からは縁遠いタイプに見える。
きっと、日本に来ることが彼の大きなストレス解消になっているのかもしれないなあ。