大福マックが来た!

 08/11/09 

11月2日(日)

朝、自宅になにやら荷物が届く。



こ、これは、「首振りマック」とも「大福マック」とも呼ばれる、iMacG4!

実は、ヤフオクで「HD欠品」「故障品、返品不可、ジャンク」とあるのを、4,990円じゃ〜まだ落ちないだろうと思ってウカウカと入札したら、あっさり落ちてしまったのだ(-_-;)。
去年Mac miniを新調するまで、G3MT266を改造しながら9年間使っていたおいらにとって、大福マックは憧れのマシンだった。
性能的にはiMacG5やインテルiMacに劣るが、これはアップルにしかできないデザインと呼べる最後のマシンだからである。
HDがないだけなら「ジャンク」だが、「故障品」とあるのが気になる。しかしその内容を確かめる前に落札してしまい、落札はキャンセルできないルールである以上、やむなくお金を振り込んで送ってもらったのだった。
消費税込み5,240円+着払い送料1,300円。
電源コードさえ付いてないので、専用の電源コードを別の出品者から290円(+送料240円)で落札。今週中には郵便で届くはずだが、そんなわけできょうはまだ電源を入れることはできない。
HDは80GBのやつが余っているので、とにかく分解してみよう。
まずは細目のプラスドライバーで底のパネルをはずす。


写真右上部分に増設用メモリスロットがある。
内部には256MBのメモリがささっているはずなので、ここにノートPC用の1GBのメモリを増設すれば1.25GBになり、内部も1GBにすれば計2GBまでオッケー。


さらに内部にアクセスしようとする者を阻むかのように、穴が六角形の星形になっているネジが出現。


しかし、このネジが使われていることはすでに調査済みであり、あらかじめ東急ハンズで買っておいたのが写真のトルクスドライバーT15。税込840円なり。なんだか、どんどん出費がかさむな〜。


おー、パカッと割れた!
ちなみに、中央のミッキーさんみたいな形のプラグが電源コードの差し込み口。
これだから適当なコードで代用するわけにはいかないのだ。

光学式ドライブの帯状のケーブルを引き抜き、完全に開いたところ。


一番下にベージュG3でもおなじみのバッテリー(電池)、その上に内蔵メモリが見える。
とにかく、円形の基盤というのが斬新だよなあ。


HDは光学ドライブの上にあるらしいが、ここで立ちはだかった第二の壁、それはトルクスドライバーT15が使えない、もう一回り小さなネジ!
ネットでよくよく調べると、ここはT10なのだそうだ。またハンズかいっ!

まだ電源が入るかどうか、OSX10.3システムCDで起動するのかどうかもわからないこのマシン、とにかく電源ケーブルが届くまで作業は中断。
 

11月3日(文化の日)

出勤だったので、帰りに新宿の東急ハンズでトルクスドライバーT10を購入。
ドライバー自体がT15より一回り小さいのに、値段は同じ840円だった。
普通のプラスマイナスのドライバーなら100均で8本組が買えたりするのに、こーいう特殊な工具って高いよな〜。
 

11月4日(火)

帰宅すると、落札した電源コードが届いていた。
おいらの代金の振り込みが連休明けの4日になるし、先方は入金を確認してから発送すると言っていたのだが、間違いなく振り込み予約していることを伝えておいたところ、先方も確認前に発送してくれたようだ。感謝、感謝。
さっそく大福Macにつなぎ、おそるおそる電源を入れてみる。
ファンが回転。ホッ、電源ユニットは大丈夫だ。
しかし「ポー」という音がして、画面は真っ黒のまま。
HDもシステムCDも入っていないので起動しないのは当然だが、「ジャーン」という起動音がしないのはかなり深刻な状態を意味している。
キーボードをつなぎ、PRAMクリアを試みるが効果ナシ。
電源コードを抜いて、底面パネルをはずし、PMUボタン(写真下の赤丸部分。プラスチックのカバーが付いているが、カバーごと押す)も押してみるが、これも効果ナシ。
あ〜あ、やってしまったかな〜(-_-;)。

マシンを開け、光学式ドライブのケーブル、内蔵メモリ、内蔵バッテリーなど、外せるものを全て外し、さし直してみた。
抜いてさし直すだけのことだが、これが電子機器では意外と効果があるものだ。
電源ボタンを押すと、見事に「ジャーン」という起動音が!
ずっと真っ黒だったモニタがブルーの光を放ち、起動ディスクが見つからないときの「?」マークのフォルダが映し出された。
液晶もマザーボードも壊れていない! よかった〜。

いよいよトルクスドライバーT10で光学ドライブをはずす。
ネジは全部で6本。さすが専用ドライバー、いとも簡単にはずすことができた。
iMacG4の分解は素人には無理だと言われているが、特殊な工具が必要というだけの話のようだ。ハンズでトルクスドライバーのT15とT10の2本さえ買ってくれば、MacBookやMacMiniの分解(やったことないけど)に比べたら、はるかに難易度は低そうである。
内部メモリの交換や、HDや光学ドライブの交換など、ショップに依頼すると5千円ぐらい平気で取られてしまう。ドライバー代だけですむなら安いものである。

光学式ドライブをガバッと取り出すと、本来は光学式ドライブの上に子亀状態でHDが固定されているのだが、たしかにそこはカラッポになっていた。

さっそくうちにある80GBのHDを、ベージュG3を改造したときにいっぱい余ったネジで取り付ける(写真下、赤丸部分)。

しかし、本体がドーム型ゆえ、上の方は狭く、HDの収納場所はぎりぎりのスペースしかない。
HDを固定するネジは頭部がフラットなものじゃないと、しまうときにひっかかってしまうようだ。
あっさりとネジの使用をあきらめ、HDと光学式ドライブをアルミの粘着テープで固定した。

組み立てが終り、電源を入れてみる。
HDは、USBの外付けHDケースの中に入れてデジカメ画像などのバックアップ用に使っていたものだが、データを全て1TBの外付けにコピーして、ルミチンのブルーベリーiMac(G3/350)につなぎ、ディスクユーティリティーで起動ディスクをまるごと復元してある。
そのままOSX10.3.9で立ち上がればラッキーなのだが・・・
結果はダメ。やはり「?」マークしか出ない。

こうなったらOSX10.3のシステムCDから起動してみるしかないが、キーボード右上の排出ボタンを押しても、マウスを左クリックしたまま再起動しても、どうやっても光学式ドライブのトレイが出てこない(-_-;)。
「故障品」とは、光学式ドライブの故障を意味していたのか・・・?
光学式ドライブの検査はとりあえずあとまわしにして、大福マックにFireWireの外付けスーパードライブ(写真下)を接続し、そっちにシステムCDを入れてマシンを再起動してみる。

「?」アイコンがちょっとだけ出たあと、画面がグレーに変わり、黒いアップルマークとグリグリ回転する歯車が現れた!
外付けスーパードライブのシステムCDからの起動に成功。すばらしい!

使用言語で日本語を選び、メニューから「起動ディスク」を実行。
ちゃんと内蔵HDのOSX10.3.9が選択肢に入っていたので、それを選んで再起動。
しかし・・・やはりCDから起動してしまう。なんで?

ディスクユーティリティで内蔵HDを検証してみると、おびただしい件数のエラーが見つかった。そのほとんどは、いきなり別のマシンに移植されたことによるアクセス権の問題のようであるが、何度修復しても完全には修復しきれず、やはり内蔵HDから起動することはできなかった。

今度は、大福マックとMac miniをFireWireで接続し、大福マックをターゲットモードで起動してみる。ターゲットモードとは、キーボードの「T」を押しながら起動することにより、FireWireで接続したマシンに外付けHDとして認識させるもの。話には聞いていたが、おいらが実際にやるのは始めて。
大福マックのモニタに大きなFireWireマークが現れ、スクリーンセーバー風に動く。
おもしろい!

Mac miniに接続している19インチモニターには、ちゃんと大福マックに内蔵したHDのアイコンが出現した。
Leopardのディスクユーティリティをかけてやると、完全に修復することができた。
しかし、これは単に外付けHDとしての修復が完了したにすぎず、OSX10.3システムCD側のディスクユーティリティで再び検証すると、あいかわらず「修復する必要があります」と出て、修復しても「修復できませんでした」の繰り返し。

大福マック自身の起動ディスクとして使うには、大福マック上で正しくフォーマットすれば問題はないのだろうと思う。しかし面倒なことに、おいらが持っているOSX10.3のシステムCDはアップグレード版で、ディスクユーティリティは使えるものの、すでにOSXが存在しているボリュームにしか「初期化してインストール」もできないのだ。
もっと古いマシンだったら、まずOSX10.2(これはフルインストール版を持っている)をインストールし、その上にOSX10.3をインストールすることができるのだが、このマシンはもともとOSX10.3用で、OSX10.2やOS9のシステムCDは起動さえできない・・・。
OSX10.3のフルインストールCDもヤフオクで手に入らないわけではないが、まだ増設メモリも買わなければならないし、これ以上出費がかさむとせっかく本体を安くゲットした意味がなくなってしまう。
う〜ん、どうしよう?(-_-;)
 

11月5日(水)

大阪日本橋の激安パーツ店「ワンズ」に、1GBのメモリを2本注文。
送料共7,135円(+振込手数料100円)なり。
って、iMac本体の落札価格より高い・・・(^^;)。
それでも秋葉館なら1本しか買えない値段だし、ノーブランドでも2本買えば最悪どちらかは動くだろう(笑)。

ワンズ
http://www.1-s.jp/

大福マックのメモリ搭載量は最大1GBと公表されているが、発売当時は512MBのモジュールが最大だったからだ(512MB × 2 = 1GB)。1GBを2本させば、ちゃんと2GBとして認識してくれるらしい。

夜、光学式ドライブの方が気になるので、また大福マックを分解。
およそ外部からは押せないような位置にイジェクトボタンのようなものがあり、電源を入れた状態でそれを押すと、ガバーッとトレイが飛び出してきた!
大急ぎでマシンを組み立て、マウスを押しっ放しで電源を入れると、出た! トレイが出た!
これもやっぱり、光学式ドライブの帯状ケーブルや電源ケーブルを抜いたりさしたりしたから直ったのだろうか?

ためしにLeopardインストールDVDをセットし、起動。
しばらくレインボーカーソルがくるくる回ったあと、おなじみのオーロラが!

もはやルミチンのOSX10.3.9システムはあきらめ、一気にLeopardをインストールしようとしたところ・・・

Leopardの使用条件は、CPUはG4なら1GHz以上、メモリは512MB以上なのだった。
やっぱり256MBのままでは、インストールもムリ!
メモリ、はやく宅配プリーズ!

11月6日(木)

午後、メモリが会社に届いた。ほんとにワンズは仕事が早い!

Macはメモリの相性にうるさいマシンなので一抹の不安を抱きつつ、帰宅してさっそく増設。


内蔵の256MBを、PC-2700(333MHz) DDR SDRAM 1GB CL2.5に交換。


底面の増設スロットには、200Pin PC2700(333) 1GB CL2.5をセット。

無事に起動! ノーブランドでも全く問題ナシ!
改めてLeopardのインストール作業にかかる。
インストール先を選択すると、ディスクユーティリティで「Appleパーティションマップ」形式でインストール先のHDを初期化するよう促された。
なるほど、そういうことだったのか・・・。
今まで内蔵HDから起動できなかったのは、このHD、もともと「マスター・ブート・レコード」という、DOS/Windows互換の形式でフォーマットされていたからだと思われる。
iMacG3/350のシステムを復元したとき、iMacG3/350にはUSBしかないので、このHDから起動できるかどうかはテストしなかった(できないし)。もちろん、iMacG3/350を分解し、HDを入れ替えるという手もないことはないが、それなら最初からiMacG3/350のHDをダイレクトに大福マックに移植することを考えただろう(結果的にはその方が早かったのだが・・・)。
そもそも「マスター・ブート・レコード」形式だと、Macの起動ディスクにはできないらしい。
そう言えばこのHD、ベージュG3時代から、起動ディスクとしては一度も使ったことがない(使えなかった?)ような記憶が・・・。
もしかして、10年ぐらい前からの謎がやっと解けたということか?

去年Mac miniにLeopardをインストールしたときは、もともと入っていたTiger(OSX10.4)に上書きしただけなので、パーティションマップ形式なんて意識することはなかったのだが、インテルMacの起動ディスクとして使うなら「GUIDパーティションテーブル」、iMacG4などPowerPC ベースのMacの起動ディスクとして使うなら「Appleパーティションマップ」という形式でなければならないらしい。

「Appleパーティションマップ」形式にするためには、まずディスクユーティリティでパーティションを設定する。パーティションを切りたくない場合でも、「ボリュームの方式」で「1パーティション」を選択し、オプションボタンをクリック(写真下)。


「このディスクの用途にふさわしいパーティション方式を選択してください」という画面で「Appleパーティションマップ」をチェックし、「OK」をクリック(写真下)。
元の画面に戻って「適用」をクリックすればオッケー。

はやる気持ちをおさえきれずにインストールを開始してしまったので、カスタムで日本語以外の言語や使わないメーカーのプリンタドライバをリストからはずすのを忘れた(^^;)。
インストール時間の短縮および容量の節約にもなるのだが、あとからでも削除は可能である。

およそ1時間後、インストール完了!

おー、ちゃんとメモリを2GB認識している!
G4/1GHzではパフォーマンス的にどうかなと懸念していたのだが、さすがにメモリを2GBも積んでいると予想外にサクサクと動く。ウェブブラウジングなどの一般的な処理ではインテルMacとの差がほとんど感じられないほど。「とし日記」の動画も問題なし!

かかった総費用は16,185円なり。
これ、このままヤフオクに出品しても2万円以上で売れると思うが、すっかり愛着がわいてしまったので手放したくない(笑)。大福マック、かわいい〜!


11月8日(土)

結局、Leopardを消去し、再び外付けHD経由で iMacG3/350のデータをまるごと大福マックに復元。やっとOSX10.3.9での起動に成功したよ!
そんなわけで、大福マックはルミチンの3代目Macとしてデビュー。
まだルミチンにLeopardは早いだろうしな〜。ウヒャヒャ
さっそくマシンの起動の早さに目を回していた。

あと、作業中にうっかり液晶パネルに傷を付けてしまったのだが、CDの補修に使う白い研磨剤でやさしく磨いてやったらすっかりキレイになったことを付け加え、今回のレポートを終わりマス。