みはし(上野 クリームあんみつ)

いつも行列が絶えないあんみつの名店。
店頭で販売しているあずきのアイスモナカも上野名物である。
上野松坂屋新館の地下2階に支店があり、あまり混んでないので、とくにオジサンがひとりで食べるときにはおすすめ(笑)。

 1998年8月

 寒天、赤えんどう、求肥、こしあん、ソフトクリーム、ミカン。これに蜜がかかっているわけだから、どこをどう見ても立派なクリームあんみつなのだけれども、食べてみると、これは普通のあんみつとは別の、全く新しいデザートであることがわかる。
 もっとも、普通のクリームあんみつの場合はアイスクリームだが、みはしはご覧のようにボリュームたっぷりのソフトクリームが乗っていて、これが文字どおり、あんみつ全体の味をソフトにしているのだ。
 パフェというフランス語は、英語の「パーフェクト」の意味であるらしい。ならば、みはしのクリームあんみつほど「パフェ」の名にふさわしいデザートはない。和風の甘味のあらゆる味が楽しめ、なおかつ個々の要素が自己主張することなく、ソフトクリーム、あん、蜜という、それぞれ異なる種類の甘さが見事に調和している。

 氷あずきも食べてみた。
 氷の質は「福助」に迫る、なかなかの水準。
 ただしあずきは「福助」や「梅むら」のような煮あずきではなく、つぶあんである。したがって厳密に言えばよくあるタイプの「氷あんこ」なのだが、非常に洗練された、おしゃれな味。

 しかし、やはりこの店はクリームあんみつに尽きる。なにしろ、氷あずきよりもサッパリとしていておかわりをしたくなるクリームあんみつだと言えば、その非凡さをご理解いただけるのではないか。