福助(御徒町 氷あずき、田舎しるこ)

「あんみつ」の看板が出ているが、ここでおすすめは夏の氷あずき、冬の田舎しるこ。アズキのデザートで福助の右に出る店はない。
おいらにとって、なくてはならない店のひとつである。

 1997年8月9日

 おいらの休みは毎週水曜と土曜。ところが7月30日(水)の大宮の花火大会は雨で、また8月9日(土)の東京湾花火大会は強風でそれぞれ中止。おいら、何か悪いことしたか??
 そんなわけで8月9日は行き場所もなく、上野の松坂屋をウロウロしていたら、窓越しにとんかつの「蓬莱屋(ほうらいや)」が見えた。めちゃくちゃ有名な店である。
 こんなところにあったのかーと思いつつ、そのすぐとなりに「福助」という甘味屋を発見した。ちょうど「みはし」でクリームあんみつを食べて帰ろうと思っていたところなので、たまには別の店にもチャレンジしようと思い、中に入った。
 おいらは氷あずきを、るみちんはクリームみつ豆を注文。

 どちらも、全ての素材が自家製であることは食べてすぐにわかる。みつ豆は「みはし」の方が洗練された味だが、ここのみつ豆も独特の味わいがあり、おそらく好みが分かれるところだろう。
 驚いたのは氷あずき。今まで食べた全てのかき氷の中で、ダントツにうまい。
 外見はシンプルそのものだが、まず、氷そのものが違う。どんなかき氷も多少はベシャついているものだが、ここの氷は見事と言う他はない。シャリシャリとして、ちゃんと「氷の味」がする。
 そして、あずき。上等のあずきを、実に上品な味付けに煮てある。甘さは控えめで、かすかな塩味と、あずきのほろ苦さが残っているのだ。これが氷と合わさると、もう、極楽浄土のうまさ! 生まれて初めて、お店でかき氷のおかわりをした。白玉氷あずきは、自家製の白玉がこれまたウマイ!
 もし花火が中止にならなかったら、またきょうのようなクソ暑い日にちょうどこの店を発見しなかったならば、ここの氷あずきを食べないまま死んでしまったかもしれないと考えるとゾッとする。食い物に関しては、本当においらは強運の下に生まれてきているのだ。
 店のおばさんによると、氷のシーズンになると毎日通う男性客もいるそうだ。わかるわかる。

 
 1999年6月12日

 「氷」の旗がまだ出ていなかったが、やはり氷あずきは1週間後とのこと。
 そこで今回は冷やし白玉あずきにチャレンジ。ルミチンはまたしてもクリームみつ豆。

 どうせ氷のシーズンになれば氷あずきばかり食べてしまうので、今回は冷やし白玉あずきを食べるいい機会だった。なにしろ、煮あずきを冷やして白玉を乗せただけのものが、どうしてこんなにうまいのかとあきれるほどのうまさ! やはりあずきのうまさで福助の右に出る店はない!
 クリームみつ豆も、寒天の中にくず餅の刻んだやつが混ざってたり、アンズやミカン、求肥などいろいろ入って楽しい。シンプルなアイスクリームもなつかしい味。

 
 2000年3月25日

 上野の国立博物館で「日本国宝展」を見たあと、福助でおしるこ。
 写真はおいらの好きな田舎しるこ。これに対して御膳しるこというのはこしあんである。
 福助にはそれ以外に「福助あずき」というメニューがある。これは田舎しるこのように汁っぽくなくて、ゆであずきをお椀に入れただけのシンプルなもの。甘さが控え目で、むしろほんのりと塩味がする。これなら酒飲みでもOKという感じの、あずきの風味が堪能できる逸品。