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鉱泥温泉
アートホテル石松をチェックアウト。
本当に夕食のときにたのんだビール代しか取られなかった。ごちそうさま〜。
まだ大きな荷物はフロントに預けておいて、徒歩で坊主地獄の入り口近くにある「鉱泥温泉」へ。
ここは正午までしかやっていない、あまり観光客に知られていない穴場である。
泥湯への入浴と日光浴を交互に繰り返す。南国の太陽の光と山からの風を全身で受け止める爽快感は筆舌に尽くしがたい。入浴料は別府にしては800円と高めだが、お天気さえよければ、別府の数ある温泉の中でもトップレベルと言えるだろう。
泥湯の効能はかなり強く、長湯はかえって逆効果らしいので要注意。
休憩所の壁には鉄輪のイラストマップが貼ってあり、これから行く予定の「温泉神社」がひときわ大きく描かれていた。期待が高まる。
温泉神社
鉱泥温泉から、またまた徒歩で「温泉神社」へ。
鳥居から境内まではけっこう距離のある山道だ。はきなれないサンダルだったルミチンは足の指の皮がむけてしまった。おいおい〜。
温泉神社の「参道」。温泉の蒸気で、ガードレールの錆び方が激しい。
道を間違えそうになりながら、やっとの思いで到着。
しかし、まるで廃虚のような境内の荒れ方に、しばしボー然。
展望公園にはなるほどベンチなどもあるが、周囲にあまりにも草木が生い茂り、下界を展望することはおよそ不可能な状態だった。
地元の菅(すが)さんによると、ご神体は朝見神社の方に移されているという噂もあるとか。
じゃあ、ここはいったい何?(-_-;)
このまま朽ち果て、別府ミステリースポットになってしまうのだろうか・・・?
筋湯通り
鉄輪バスセンターから南へゆるやかに下る「いでゆ坂」は鉄輪のメインストリート。
通り沿いには「ぼけ封じ愛の観音堂」「鉄輪蒸し湯」「ヤングセンター」などの観光スポットが並ぶ。
食堂「勝太郎」(写真左)は手作りのおはぎが名物。
「いでゆ坂」からはいくつもの細い路地が伸びているが、共同浴場がある「筋湯通り」(写真右)もそのひとつ。
こうした路地には、鉄輪のもっとも鉄輪らしい風景がある。
鉄輪茶寮
貴船城というナゾのお城が建っている山の中腹にある、黒豚とんかつが自慢のお店。
オーナーの重岡さん(写真右)は全国を制覇した食べ歩きのプロで、今やその視線は海外に向けられている。アジアの留学生たちに交流の場を提供し、将来は鉄輪茶寮ネットワークを世界に拡げる野望に燃えているのだ!
黒豚とんかつ(ここだけの話、無料サービスでした。感激!)は、脂身の少ないもも肉を使うことにより、柔らかい中にも適度な歯ごたえが楽しめる。
ソースは地元で愛されている甘口。ピリッとさせたい人はラー油をかけるのが鉄輪茶寮風。
29日には「ベトナムパーティー」を開催するとのことで、我々は一足お先にベトナムコーヒーなるものをいただいた。なんと練乳の上にコーヒーをドリップし、氷の入ったグラスに注ぐ。普通のアイスコーヒーとは一味違う。
異なる食文化に触れることは、スリルがあって楽しい。
とんかつにしても、別府のソースは我々の味覚ではほとんど「黒みつ」である(笑)。
東京ではとんかつに甘いソースをかけることはまずありえないが、名古屋では八丁味噌、浜松ではデミグラスソースというように、同じ日本でも土地によって食べ方が違う。
結局、これは「慣れ」の問題だと思うので、かたくなに自分の好みを貫くよりも、いろいろな食べ方を知って、味覚のバリエーションを増やす方がトクなのかもしれない。
ホテル大石の露天風呂
アートホテル石松のすぐ隣りに建っている「ホテル大石」。ここの温泉はちょっと変わっているらしいので行ってみた。
ホテルのフロントで入浴料(500円)を払い、玄関から地下通路に案内してもらうのが正しい入り方。
地下通路の壁にはよくわからない絵が描かれていて、なんともシュールな世界。
表に出るといきなり混浴露天風呂、しかも脱衣場が浴場のど真ん中!
もし裸のオヤジがウロウロしていたら、おそらく女性客の大半は入浴せずにここで引き返すと見た(-_-;)。
露天風呂にはホテルの社長(いささか変人?)が直々に手がけたという洞窟風呂などがあり、なかなか凝っている。砂風呂もあったが、うたせ湯はお湯が止まっていた(-_-;)。
規模としては大浴場と呼ぶにはイマイチ中途半端で、なんとなく、子どもが遊ぶ公園といった趣である。
そのかわり休憩室は無駄にでかい。50畳ぐらいあるだろう。ポツンと小さなテレビが1台、自販機はビールのみ。
実は我々はフロントを通さず、ホテルの裏から、一番最初にこの休憩室に来てしまったのだ。
管理のおじさんにもいぶかしげな顔をされ、「先にフロントへ行ってくれ」と言われたので、ルミチンをその場に残してフロントへ入浴料を払いに行き、フロントのおばちゃんに「場所はわかりますか?」と聞かれたときも「わかります」と答えて、また同じところに戻ってしまったのである。
したがって、浴場内にポッカリと口をあけている地下通路が、ホテルの玄関からここに通ずる正規のルートとも知らず、その中を素っ裸で歩いて壁画を観賞するのか、なんかヘンだなーと思っていたのだ。少し歩いたけど(笑)。
地下通路の途中には、ちゃんと男女別の岩風呂に通じる入り口もあったらしい・・・。
野上本館
アートホテル石松で荷物を受け取り、バスで北浜へ。
流川2丁目で下車し、職場へのおみやげ用に塩月堂のゆずまんを購入。会社に宅配便で送るよう手配してもらった。これがいちばんラク。
竹瓦小路を竹瓦温泉に向かって歩いていくと、まるで、そろそろとしちん&ルミチンがこのあたりを通ることがわかっていたかのように、「スナック岸」の前に岸ママと菅さんが立っていた。ちょっとビックリ。
トーコさんやTAKEYAママも加わって、「岸」にてしばし歓談。
野上本館にチェックイン。
3階の部屋の窓からは、なんと鶴田家が見下ろせる(笑)。恐れ多い部屋だな〜。
ウォーキングと温泉の疲れで、夕方までグーグー寝てしまった。
天ぷら虎徹
当HPの「別府うまい店」に虎徹が取り上げられていないのはゆゆしきことであると、若女将から直々にメールをいただいていたので、ルミチンが電話で店まで行くバスの乗り方をたずね、北浜から指定されたバスに乗る。ちょうど今回の旅で訪問予定の喫茶店「サンスーシ」にも近い。
店内はかなり広く、お座敷は全て個室になっていて、中庭も見える。
お昼に鉄輪茶寮で食べ過ぎてイマイチおなかがすいてなかったのだが、とりあえず天ぷら定食を注文。
入れ替わり立ち替わりビールや茶碗蒸しなどを運んでくる女性達の、どの人が若女将なのか、とうとうわからなかった。こちらの正体はバレていたと思うのだが(笑)。
揚げたての天ぷらを目の前で盛り付けてくれる。1900円とは思えない豪華さ。ランチタイム価格としてもお値打ちなのに、夜もその値段で食べられるとは! これだから別府では1泊2食付きの宿に泊まる気になれないのである。
ルミチンは茶碗蒸しを絶賛。天ぷらももちろんうまい。先日の銀座の「天あさ」といい勝負だ。これは若女将の自信もうなずける!
刺身や鰻などのメニューも豊富で、今なら城下カレイ、冬はふぐセットが楽しめるという。
ぜひとも、おなかをすかせて、また来てみたいものだ。
サンスーシ
九州横断道路に面しているので、店の前は何度も通ったことがあるのだが、入るのは初めて。マスターの時枝さんもMLのお仲間で、今回が初対面である。
いかにもこの仕事が好きでたまらないという雰囲気の時枝さん(写真左)。
おいしいコーヒーのあと、名物の「紅茶のゼリー」をごちそうしてくれた。うまい!
ゆずのシロップは、塩月堂特製のものであるらしい。
まさに別府の温泉で産湯に浸かった別府っ子の時枝さん曰く、温泉は空気のように「ある」のが当たり前のものであるらしい。我々も、もし別府に住めばそう思えるようになるのだろうか? しかし、それって幸せなような、不幸せなような・・・。
夜の北浜
バスで北浜に帰ってくると、キャンデーを売る栄屋の自転車を発見、初めて撮影に成功。
夜の北浜は小さな歌舞伎町といった雰囲気で、オンパクで流しのハッチャン・ブンチャンと一緒に歩いた「竹瓦・夜の路地裏散歩」以来、親しみとなつかしさを感じるようになった。以前はちょっとコワかったのである。(実はホントにコワイとこなのかもしれないが・・・。)